日本戦車を改造する。

ゆみすけ

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時間と場所で解決するしか?

内地と満州の距離があれば、いいんだわ。

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 「ハイ、あ~ん。」と、卵かけゴハンを・・・
これでは、針のムシロというか・・・居たたまれないのである。
 「あたいは、あんたの国の政府に認められたんだから・・・」と、内心で叫んでも打ち破れない壁が・・・
シスコンの彼と、最強の妹には・・・「ここは、無理な戦いは避けた方がよさそうだわ・・・」
 そう、凛子は勝てない戦(いくさ)はしないのである。
「ここは、忍耐とガマンしかないわ。」と、内心で決心する赤玉(こうぎょく)改め凛子なのである。
 そして、客人として、お風呂をいただき・・・客間で・・・もちろん、凛子が単独なのである。
「フ、フ、フッ。」と、ほくそ笑む、小百合である。
 ここは、勝負をかけるつもりなのだ。
そう、逆夜這いという、体を張った最終作戦の決行である。
 「お兄ちゃんから確約を盗らねばならないわ。」と、内心で決心する小百合妹なのである。
拒絶されない自信はあるからだ。
 なんせ、シスコンなのが小百合にも手に取るようにわかる少尉のシスコンなのだから。
「ここは、深夜に兄貴の部屋へ突撃しかないわ。」と、意気込むのである。
 幸い、メンスではない・・・メンスでは、気分がすぐれないし、なにを言い出すかわからないからだ。
オナゴのメンス(生理)は、1月に1回の、どうにもできない時期なのだ。
 だから、ある程度の理性はある、小百合なのである。

 午前0時を廻り、両親も寝静まったころあいだわ・・・妹の小百合は・・・こそ~~っと、廊下へ・・・
兄貴の部屋を目指して、歩伏前進を・・・まあ、四つん這いなのだが・・・
 扉へ手をかけて・・・「スーーーーーーッ。」と、音をたてずに開けるのだ。
そして、そ~っと、そ~っと・・・布団へ触れた・・・
 そして、スーーーーつと、布団へ体を潜りこませるのだ。
「あれっ、こんな小さかったかな・・・」と、寝てる体に抱き付いた。
 そして、「渡さないから。」と、ささやいた。
しかし、しかしだ。
 「えっ、あたいは・・・」と、黄色い声だ。
まさかっ、先を凛子に越されたか・・・
 逆夜這いを凛子も決行したのかっ!と、驚愕する小百合である。
「なんで、あんたが・・・」と、つぶやく。
 「兄貴は、どこよ。」と、さらに追及する小百合だ。
「え~っと、話せば長くなりますが・・・」
 「そんなことは、いいから、おっしゃいな。」と、凛子の体を締め詰める。

 「ここは、先にやらねばと・・・」と、凛子だ。
「それは、見ればわかるわよ。」「で、どうだったのよ。」と、小百合が追及する。
 「妹がいるから、できないと・・・」と、さめざめと泣く凛子だ。
「・・・・そう、そうなんだ。」と、満足げな小百合である。
 「やはり、お兄ちゃんは、あたいのモンだわ。」と、確信するのだった。
「いいこと、ここでは渡さないわよ。」「え、え、まぁ~・・・」と、涙ぐむ凛子である。
 「へ、へ、へ、あたいの大勝利だわ。」と、「あんたと仲直りできそうね。」と、上から目線だ。
敗者には、それなりにおおらかな小百合なのである。
 「ありがとうございます。」と、手を差し出す凛子だ。
こうして、オンナの戦いは幕を閉じたのである・・・めでたし、めでたし・・・

 そして、翌日は満州国への帰路に就く少尉と凛子であった。
いつ、ソ連軍の再侵攻があるやもしれないからである。
 いつまでも内地で油を売ってる暇なぞ無いのである。
バス停まで、小百合が見送りである。
 もう、勝ったからか・・・ニヤケ顔である。
すこしは、ガマンすれば・・・「これが、ガマンの限界よっ!」だ、そうだ。
 逆夜這いは失敗したんだが・・・それは、凛子も同様だからである。
鼻ずらバスがやってきた。
 「また、折を見て帰るからな。」「え、え。」
「あ兄ちゃん、元気でね。」と、涙ぐむ小百合である。
 「手紙を書くから・・・」と、言い訳して乗り込む二人だ。
バスが見えなくなるまで、バス停で手を振る小百合だった。

 鉄道の駅で汽車を待つ・・・「しかし、オレの部屋がイイなんて、またどうしたんだよ。」と、聞く少尉だ。
「え、え、あなたが過ごした部屋を知りたくて・・・」
 「そうか、そんなもんかな・・・」と、少尉が?だ。
「しかし、客間はどうも落ちつかなかったな。」と、寝不足の少尉のようだ。
 「フ、フ。」と、小さくほほ笑む妻(予定)の凛子であった。
そうなのだ、策士の赤玉(凛子)の逆転満塁ホームランだったのである。
 たぶん、小百合が逆夜這いを仕掛けると・・・予想はできた凛子だったが・・・
それを、どう防御するかなのだ。
 少尉がシスコンなのは、明らかである。
逆夜這いに、カンタンに堕ちるのは間違いないだろう・・・
 そうなると、ソ連との紛争が終われば、そうなると日本からの派遣軍が・・・帰国するかもしれないわ・・・
それは、絶対に阻止しなければならない凛子だ。
 なぜなら、今野少尉には満州の土になってもらいたい凛子なのだから。(生涯を添い遂げたいのだ。)
当分は派遣戦車隊が日本へ戻ることはない、との予想は確信してる凛子だった。
 いまだに騎馬隊が満州国軍の主力なのだから。
少しは砲兵隊も、編成されたのだが・・・とても、ソ連軍の戦車へ対抗できるとは思えない凛子なのだ。
 彼女なりに、女学校の教師から聞いた話であるからだ。
もちろん、教師は日本軍の退役将校である。
 教師の科目は修身(道徳)だが・・・軍人だったので、素人の凛子には頼りになる教師なのだ。
なんせ、凛子が赤玉のときに、嫁候補としてスカウトされたからである。
 数十人の候補がスカウトされたと聞く。
もちろん、裏では満州国が・・・


 
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