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おゆみVS凛子
第一ラウンドの勝敗は?
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シカとされた凛子だが・・・まあ、女学校で慣れているのだ。
この程度の攻撃は・・・平常運転の赤玉(凛子)なのである。
奉天女学校・・・思えば、懐かしいですわ・・・
これは、いかに赤玉が女学校の女の戦いに修羅場をくぐってきたかの・・・物語である。
そうなのだ。
赤玉(凛子)はイジメには強いのだ。
もちろん、女学校へ入学当初はメンタルな精神で、イジメには弱かったんだが・・・
それ、誰もが、そうだからね。
「このくらい、なんでもありませんわ。」と、内心思う。
しかし、相手は強敵だ。
自身の未来の旦那様の妹だから・・・ここは、作戦を練らねばならないですわ・・・
「ここは、撤退ですわ。」と、内心で「逃げるのではありませんわ、あくまで作戦で、撤退するのですわ。」
と・・・・
「ホ、ホ、ホ、ホ。」と、しおらしく笑う凛子(赤玉)だ。
「しょうがないな、じゃあ行ってくるよ。」と、凛子へ告げる少尉殿だ。
「すぐ、帰るから待っててくれ。」と、言い残す。
「はやく、はやく。」と、上目つかいで・・・獲物をかっさらう妹御だ。
こうして、第1ラウンドは実妹の勝利となったのだ。
「ここは、作戦を考えなばなりませんわ。」と、セーラー服の凛子だ。
「そうですわ、あたいは制服だったんですわ。」「なら・・・」と、適材適所に武器を使う作戦を考える凛子である。
「おそらく、家の奥にはお父上様が・・・」と、予想する凛子だ。
そう、落としやすいヤツから攻略するのが・・・孫氏の兵法でもあるのだ。
勝てる相手へ戦いを挑むが、勝てない相手には戦いは挑まない、当たりまえだが・・・
感情論では戦争は勝てないのである。
「日本には、奥方という最高権力者が・・・しかし、ナンバー2は御父上のはずですわ。」
「奥方より、御父上様の方が墜とす自信はあるわ。」と、内心思う凛子だ。
なぜなら、今野少尉はセーラー服に弱かったからだ。
息子と父親は、似るものだそうだ。
ならば、セーラー服の姿の今しか攻めるときは無いのだ・・・
「いざ、行かん二の丸へ。」と、凛子は・・・・
玄関をあがった廊下だ。
ここは、迷ったフリしかないわ・・・と、奥へソロソロと・・・廊下は先で折れて、さらに続いてるようだ。
そのころ、今野少尉は実家へ婚約者を置いてきてしまったことを・・・
「しまったな、勝手がわからないだろう・・・」と、思う・・・
そこは、上目使いにカンタンに察知されてしまうのだ。
「お兄様、家には父上しかおりませんから・・・」
「かあさんは、どうしたんだ。」「え、え、奥様会ですわ。」
奥様会、とは近辺の夫人らが集まって旦那の愚痴をいう、いわゆる女子会である。
ストレスを発散しなければ、やってられないからだ。
「あ、あ、そうか。」と、今野少尉が答えた。
「なら、大丈夫だな。」
「さあ、氏神様へ帰国できた報告ですわ。」と、戦利品を離さない妹御である。
知らない家庭の玄関へ放置するという攻撃は成功したので、「勝ったわ。」と、シメシメ顔の妹御であるが・・・
こちらは、知らない玄関へ放置プレイされた凛子である。
「いちおう、アポは取ってあるはずですわ。」と、妹の様子から確信する凛子だ。
なぜなら、シカト攻撃を受けたからである。
つまり、時間は正確ではないが・・・本日には息子が帰宅するであろう・・・ということなのだ。
「なら、あたいだけが現れても不審者ではないわ。」と、自信をつける。
そうして、家の奥へ・・・日本家屋の奥へ初めて足を進める・・・
知識はあったのだが・・・「どこが、奥の間かしら・・・」と、ウロウロ・・・
日本家屋はウサギ小屋というが・・・田舎の家屋は、それなりに広いのである。
実妹が居ない内に、父親なる者を味方につけねばならないのだ。
そうして、だんだん奥へ進む・・・
明るい光が見えてきた。
「たぶん、奥の間の廊下ですわ。」と、静かに進むセーラー服子女だ。
内心で挨拶の仕方を繰り返して、出会いに備える。
廊下の角を曲がった。
「いたわ!」と、初老の和服の野郎が眼に入ったからだ。
作戦、成功だ。 母親ではない、父親だろう・・・
廊下で三つ指ついて平伏する凛子である。
「どなた様じゃな。」と、時代がかった言葉だ。
今野少尉に、そっくりな声だ。
まちがいない、父親だ。
「はじめまして、先ほど到着いたしました凛子ともうします。」と、おしぎである。
「ん、ヤツはどうしたのだ。」と、たぶん少尉のことだろう・・・
しかし、妹御に連れ去られてなんて口が裂けてもいえないのだ。
なぜなら、実妹の仕返しが怖いからだ。
ここは、妹御のことは内緒である。(なかなか策士の凛子なのだ。)
告げ口外交は得策ではないからだ。
凛子は鮮人ではない。
満州人ではあるが、心は日本人となんら変わらない凛子なのだ。
「先に、お父上様へ挨拶を・・・」と、繰り返す。
「うむ、ワシが父親の正尚(まさなお)じゃ。」
「しかし、えらく若いオナゴを連れてきたものじゃな。」と、少尉の父親が・・・
「しめたわっ、これなら勝てそうだわ。」と、内心確信する凛子だ。
外観や風貌は認められたのだ。
さすが、セーラー服は日本人を堕とす勝負服だわ・・・と、制服着用を自身へ誉める凛子である。
「そう、かしこまらんでも・・・」と、再度言われたので・・・
一気に勝負をかける凛子だ。
そう、斜め上目使いの殺人光線をビビビのビである。
若いオナゴのセーラー服(もろ、日本式のヤツだ。)で、髪は三つ編みで・・・そして、上目攻撃である。
これに、耐えられない野郎なんて日本人には皆無なのである。
120パーセントの成功率で勝利できるのだ。
今野少尉を戦車開発会社の臨時喫茶店で堕とした技を連発するのである。
こうして、敵の父親を凛子の味方に、つまり敵は、妹御と母親だけになったのだ。
もちろん、母親が敵かはわからないが・・・凛子の攻略作戦は続くのだ。
この程度の攻撃は・・・平常運転の赤玉(凛子)なのである。
奉天女学校・・・思えば、懐かしいですわ・・・
これは、いかに赤玉が女学校の女の戦いに修羅場をくぐってきたかの・・・物語である。
そうなのだ。
赤玉(凛子)はイジメには強いのだ。
もちろん、女学校へ入学当初はメンタルな精神で、イジメには弱かったんだが・・・
それ、誰もが、そうだからね。
「このくらい、なんでもありませんわ。」と、内心思う。
しかし、相手は強敵だ。
自身の未来の旦那様の妹だから・・・ここは、作戦を練らねばならないですわ・・・
「ここは、撤退ですわ。」と、内心で「逃げるのではありませんわ、あくまで作戦で、撤退するのですわ。」
と・・・・
「ホ、ホ、ホ、ホ。」と、しおらしく笑う凛子(赤玉)だ。
「しょうがないな、じゃあ行ってくるよ。」と、凛子へ告げる少尉殿だ。
「すぐ、帰るから待っててくれ。」と、言い残す。
「はやく、はやく。」と、上目つかいで・・・獲物をかっさらう妹御だ。
こうして、第1ラウンドは実妹の勝利となったのだ。
「ここは、作戦を考えなばなりませんわ。」と、セーラー服の凛子だ。
「そうですわ、あたいは制服だったんですわ。」「なら・・・」と、適材適所に武器を使う作戦を考える凛子である。
「おそらく、家の奥にはお父上様が・・・」と、予想する凛子だ。
そう、落としやすいヤツから攻略するのが・・・孫氏の兵法でもあるのだ。
勝てる相手へ戦いを挑むが、勝てない相手には戦いは挑まない、当たりまえだが・・・
感情論では戦争は勝てないのである。
「日本には、奥方という最高権力者が・・・しかし、ナンバー2は御父上のはずですわ。」
「奥方より、御父上様の方が墜とす自信はあるわ。」と、内心思う凛子だ。
なぜなら、今野少尉はセーラー服に弱かったからだ。
息子と父親は、似るものだそうだ。
ならば、セーラー服の姿の今しか攻めるときは無いのだ・・・
「いざ、行かん二の丸へ。」と、凛子は・・・・
玄関をあがった廊下だ。
ここは、迷ったフリしかないわ・・・と、奥へソロソロと・・・廊下は先で折れて、さらに続いてるようだ。
そのころ、今野少尉は実家へ婚約者を置いてきてしまったことを・・・
「しまったな、勝手がわからないだろう・・・」と、思う・・・
そこは、上目使いにカンタンに察知されてしまうのだ。
「お兄様、家には父上しかおりませんから・・・」
「かあさんは、どうしたんだ。」「え、え、奥様会ですわ。」
奥様会、とは近辺の夫人らが集まって旦那の愚痴をいう、いわゆる女子会である。
ストレスを発散しなければ、やってられないからだ。
「あ、あ、そうか。」と、今野少尉が答えた。
「なら、大丈夫だな。」
「さあ、氏神様へ帰国できた報告ですわ。」と、戦利品を離さない妹御である。
知らない家庭の玄関へ放置するという攻撃は成功したので、「勝ったわ。」と、シメシメ顔の妹御であるが・・・
こちらは、知らない玄関へ放置プレイされた凛子である。
「いちおう、アポは取ってあるはずですわ。」と、妹の様子から確信する凛子だ。
なぜなら、シカト攻撃を受けたからである。
つまり、時間は正確ではないが・・・本日には息子が帰宅するであろう・・・ということなのだ。
「なら、あたいだけが現れても不審者ではないわ。」と、自信をつける。
そうして、家の奥へ・・・日本家屋の奥へ初めて足を進める・・・
知識はあったのだが・・・「どこが、奥の間かしら・・・」と、ウロウロ・・・
日本家屋はウサギ小屋というが・・・田舎の家屋は、それなりに広いのである。
実妹が居ない内に、父親なる者を味方につけねばならないのだ。
そうして、だんだん奥へ進む・・・
明るい光が見えてきた。
「たぶん、奥の間の廊下ですわ。」と、静かに進むセーラー服子女だ。
内心で挨拶の仕方を繰り返して、出会いに備える。
廊下の角を曲がった。
「いたわ!」と、初老の和服の野郎が眼に入ったからだ。
作戦、成功だ。 母親ではない、父親だろう・・・
廊下で三つ指ついて平伏する凛子である。
「どなた様じゃな。」と、時代がかった言葉だ。
今野少尉に、そっくりな声だ。
まちがいない、父親だ。
「はじめまして、先ほど到着いたしました凛子ともうします。」と、おしぎである。
「ん、ヤツはどうしたのだ。」と、たぶん少尉のことだろう・・・
しかし、妹御に連れ去られてなんて口が裂けてもいえないのだ。
なぜなら、実妹の仕返しが怖いからだ。
ここは、妹御のことは内緒である。(なかなか策士の凛子なのだ。)
告げ口外交は得策ではないからだ。
凛子は鮮人ではない。
満州人ではあるが、心は日本人となんら変わらない凛子なのだ。
「先に、お父上様へ挨拶を・・・」と、繰り返す。
「うむ、ワシが父親の正尚(まさなお)じゃ。」
「しかし、えらく若いオナゴを連れてきたものじゃな。」と、少尉の父親が・・・
「しめたわっ、これなら勝てそうだわ。」と、内心確信する凛子だ。
外観や風貌は認められたのだ。
さすが、セーラー服は日本人を堕とす勝負服だわ・・・と、制服着用を自身へ誉める凛子である。
「そう、かしこまらんでも・・・」と、再度言われたので・・・
一気に勝負をかける凛子だ。
そう、斜め上目使いの殺人光線をビビビのビである。
若いオナゴのセーラー服(もろ、日本式のヤツだ。)で、髪は三つ編みで・・・そして、上目攻撃である。
これに、耐えられない野郎なんて日本人には皆無なのである。
120パーセントの成功率で勝利できるのだ。
今野少尉を戦車開発会社の臨時喫茶店で堕とした技を連発するのである。
こうして、敵の父親を凛子の味方に、つまり敵は、妹御と母親だけになったのだ。
もちろん、母親が敵かはわからないが・・・凛子の攻略作戦は続くのだ。
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