日本戦車を改造する。

ゆみすけ

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お兄様、このヒト誰?

今野家の、ヒト騒動・・・

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 「そうだ、オレの家族へ・・・」と、さりげなく言う少尉殿だ。
つまり、凛子を自分の家族へ・・・まあ、それとなくだ・・・
 今野少尉の実家というか、故郷は〇×県だ。
山と川があり、風光明媚な場所である。
 普段は里帰りなんて、なかなかだから・・・この機会にということである。
いきなり、これが妻です・・・とは、いかないからだ。
 下話は、すべきであろう・・・
もちろん、赤玉(凛子)は、とうとうキタか!だ。
 国籍や軍への関門は突破したんだが・・・最大の難関が、とうとう目前にせまったのである。
今野君へ事前に情報を開示してほしかったのだが・・・あまり、根ほり葉ほりでは・・・なのだ。
 汽車の中で、それとなく聞けば、いいかな・・・くらいに思っていたのだが・・・
少尉のご両親より、手ごわいというか、最大の反対勢力が・・・あったのである。
 
 それは、妹という存在があったのだ。
日本男児の、絶対必須条件の実妹という存在だ。
 現在は、一人っ子も少なくないが・・・この時代は、7人兄弟も多かったのである。
なんせ、幼児の死亡確率が高かったからだ。
 それで、平均寿命を引き下げていたほどである。
そして、実妹が少尉には居たのである。
 そして、当然に今野君は妹コン(シスコン)だったのだ。
つまり、妹が大大大大好き人間だったのだ。
 そう、日本男子の典型なのだ。
互いの誕生日には高額な贈り物のために、お金を貯めるほどにである。
 つまり、妹萌えなのだ。
その代表格は、宮沢賢治である。(雨にも負けずの作者だ。)
 妹が重病で倒れて・・・後追い自殺をマジで考えたほどの、妹が大切人間なのだ。
アニメにも、妹萌えの野郎は多々登場するからね・・・
 そして、その妹が凛子の最大の敵になるのは・・・間違いないのだっ。

 「あのう・・・」「なんだい?」「ご両親は?」
「あ、あ、生きてるよ。」と、今野君が答える。
 そこではないのだ、質問は・・・
満州国の、つまり外国人となるのだ・・・その点を聞きたいのである。
 「あ、あ、そうだな、普通だな。」と、まあ普通じゃない両親が居るんかいと、突っ込みたい赤玉(凛子)だ。
「気に入ると、思うよ。」と、安心させる弁だ。
 そして、妹の存在は、なぜか伝えない今野君だ。(内心、怖かったのが本音だ。)
そして、妹大好きな野郎は、日本人のDNAと、いうか特質みたいなものだ。
 諸外国、欧米とかシナや半島では、あまり聞かない話である。
あの、幕末にやってきた黒船のペリーも、なんて日本野郎はオナゴが好きなんだ・・・と、驚愕してるのだ。
 そう、妹が大好きな日本野郎に、である。
著者に言わせると妹萌えじゃない野郎は、日本人とは認めないほどである。
 
 汽車から、そして・・・バスで・・・当時の鼻があるバスだ。
そう、バス・ガールが乗ってるヤツだ。
 定員は20名ほどしか・・・いまのバスとは、違うのだ。
そして、舗装した道が・・・やがて、未舗装の道へ・・・
 「次は、〇×村、〇×村前です。」と、バス・ガールが声高に・・・
バスが停まる。 2人は降りる・・・
 「・・・・」 内心、赤玉(凛子)は、満州の故郷と差があまりないかな・・・と、安心する。
そう、山と川の田舎だからだ。
 曲がりくねった道を、少尉の三歩後ろから・・・トコトコと、ついていく凛子である。
やがて、垣根が見えてきた。 垣根伝いに歩く。
 かなり、垣根を歩く・・・やがて、門が・・・まさか、ここなんですの!と、凛子だ。
表札がある。 
 今野、と描かれている。 そう、ここが少尉の、いや夫の実家なのだ。
ガクブルの凛子だ。 とうとう、最大の難関だからである。
 この関門を突破すれば、未来は約束されるのだ。
日本陸軍幹部の妻、第1号となれるのだ。(隊員の妻は、すでに多々いるのである。)
 天国か地獄かの、瀬戸際なのだ。
門は開いていたので、そのまま入る。 庭を通り・・・
 やがて、彼方の玄関らしき・・・「着いたよ。」と、今野君が振り返る。
なんも、言えない凛子だ。 (ここは、淑女モードしかない。)
 慎み深いナオンを演じるのだ。 猫をかぶるのは得意な、赤玉(凛子)である。
「ガラ、ガラ、ガラ。」と、玄関扉を開ける少尉殿だ。
 「ただいま、戻りました。」と、声をあげる。
やがて、「兄様~~~っ。」と、黄色い声がコダマする・・・なんか、走ってくるような・・・
 派手な和服の小柄な少女が・・・少尉へダイブする。
いきなり、少尉殿へ抱き付いた小柄な和服だ。
 
 「もう、遅いんだから・・・」と、少尉へ顔をあげる。
背後にいる凛子には、まったく気が付かない・・・(そう、気附かないフリだ。)
 当然、事前の手紙で知ってるのである。
「もう、バス停で、だいぶ待ちましたわ。」「ごめん、ごめん。」と、少尉だ。
 「でも、まあいいですわ。」と、小柄な和服が・・・抱き付いたまま、離れないようだが・・・
「では、オヤジへ・・・」と、少尉がいう。
 「お父様は・・・・」と、少尉へ内緒話だ。
「そうだ、おい凛子。」と、振り向く少尉殿である。
 第一関門が・・・
「はじめまして、凛子といいますわ。」と、訛りがでないように・・・気を付けて、しゃべる赤玉(凛子)だ。
 ところが、まったくの無視を決めつける小柄な和服である。
「ねえ、今日は暇でしょ。」「行きたいところが・・・」と、余計な話で・・・これは、手ごわいのである。
 シカとされた、赤玉だ。
奉天女学校で、散々やられた経験があるのだ。
 あんた、なんか、眼に入んないわよ!である。
少尉殿の妹御と赤玉(凛子)の勝負開始のゴングが鳴ったのである。
 

 


 
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