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宣誓文を苦労して暗記する凛子だ。
満州国だが・・・負けはしないわ。
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夕方、やっと事務手続きが終わり・・・ホテルへ・・・
「おかえりなさいませ。」と、迎える凛子だ。
16歳の少女には・・・日本はつらいかな・・・
「宣誓を頼めるか。」と、さりがなく言う今野君だ。
「え、え、文は?」と、凛子だ。
「これだが・・・」 と、読めるのかと聞こうとして、やめた少尉だ。
失礼なことは、言えないからだ。
赤玉は、日本語を選考していたからである。
マジなら、マジで学習してれば読めるはずだ。
「万一危急の大事が起ったならば、日本臣民として勇気をふるい、一身を捧げて我が国家の為に尽すことを誓いましまする。」
と、一気に読み上げたのだ。
それも、流ちょうな日本語で、である。
満州訛りは微塵もない・・・
お国訛りが、少しは出る今野君は・・・恥ずかしかったほどである。
下手なアナウンサーと同格と言っても・・・いいくらいである。
「・・・・」何もいえない少尉殿だ。
ここまで、苦労させたのかよ・・・オレは、
反省しかり、だな・・・
それに、シナ人特有のアルヨとの語尾が凛子は、なぜか?最初からなかったのだ。
シナ人の匂いもしないし・・・かといって・・・馬賊の草原の匂いもしないのだ。
不思議な娘なのである。
凛子の両親は普通というか、ごく一般の満州国民だ。
家庭も、特に金持ちでもなく、かと言って、生活が困窮してるとも思えないのだ。
それなりの援助が少尉の給金ならできるのだが・・・
まさか、その家庭が・・・満州国が関わってるなんて・・・まあ、今野少尉は知らなくてもイイ話である。
凛子の家族はシナのスパイではないからである。
凛子は養子なのだ。
シナや満州では、子が産まれない家庭では、ごく普通のことなのだ。
残留日本人孤児を多数、育ててくれたのは現地の満州国民だったのだ。
シナ人や半島人は他国では嫌われるが・・・日本人は控えめだからか・・・あまり、そういう話は聞かない。
「さて、そろそろ出るか?」「え、え。」と、ホテルから諸々の手続きへ陸軍省へ向かう二人である。
ここで、諸君は不思議に思わないか?
これは、出来すぎでは無いかと・・・
まるで、計算して造ったような雰囲気なのだ。
凛子が、である。 普通の満州娘とは、別物なのだ。
大和撫子とも勝負できそうなくらいにである。
その辺のところに、トロイのか今野先生は気が付いていないのだ。
ぶりっ子言葉にも不快感も無く、むしろ喜んでるくらいな少尉殿なのだ。
傍から見たら、攻略された敗軍の将に見えるのである。
そうなのだ、計算された裏があったのである。
話は、数年前の満州国の対ソ連軍の作戦本部から始まったのだ・・・
「なんだと!」「全滅だと・・・」「まさか!」
「本当だと・・・」「袁紹将軍の騎馬隊も・・・」
「なんだと、切り札ではないかっ。」「もう、奉天城は・・・堕ちるか・・・」
ソ連軍の戦車隊のT26型は騎馬の満州軍には手も足も出なかったのだった。
なんせ、機関銃と25口径の主砲が騎馬隊を寄せ付けないのだ。
騎馬隊は日本から買った小銃が最新の武器だったのだ。
小銃と大砲では・・・月とスッポンである。
「では、侵攻を防ぐには戦車しかないではないか。」「我が、満州軍には無理だぞ。」
「陸軍大臣殿。」「なんだ?」「戦車が近くにありまする。」と、作戦参謀(軍師。)がささやく。
「どこじゃ、まさかシナではあるまいな。」「シナは敵じゃぞ。」と、大臣が騒いだ。
「いいへ、海の向こうです。」「倭国か。」満州では、日本を古代からの呼び名である倭国と・・・
「え、え、かの国には戦車があるとか。」「では、金を積んで買ってまいれ。」
「すでに断られました。」「なんだと・・・」憤慨する陸軍大臣だ。
「我が国は、裏で建国に倭国が参加してるのだぞ。」「倭国は仲間ではなかったのか?」と、憤慨する面々だ。
「最新の軍事兵器ですから、売れないと。」「・・・・」まあ、納得する面々だが・・・
「それで、戦車部隊なら派遣してもと・・・」「なんだと、それを早く言え。」「もう、亡国かと思ったぞい。」
そして、数日で加藤戦車部隊が大連港から陸揚げだ。
そして、数日でソ連軍を駆逐したのである。
しかし、しかしだ。 派遣軍であるからして、紛争が終結して・・・しばらくして帰還してしまう派遣軍だ。
「なんとしても、戦車隊を止め置くことはできんじゃろうか。」と、陸軍大臣がぼやいた。
誰もが、そう思うのだ。
そこで、作戦参謀(軍師)の登場である。
多大の給金の軍師だ、たまには役立たないと首だからだ。
「大臣殿。」「なにか、案はあるか?」「娘をあてがえばいいのです。」
「それは、そうじゃが・・・わしには娘はおらん。」「いいえ、大臣殿。」「養子を取ればいいのでは。」「そうか、そうじゃな。」「誰か、見繕ってくれ。」と、単純な大臣である。
まあ、日本でもポエムが大臣ができるのだ、単純な大臣だが・・・満州国では十分なようだ。
そして、新たに女子の学校が開校したと聞いた作戦参謀は学校へオナゴをさがしにいったのだ。
女子学校は義務教育の6年を過ぎた13歳からの高等教育なのである。
普通の子女は義務教育で終了である。
それで、まあまあの家庭の子女なのだ。 つまり、満州国でも、育ちがイイ子女の集まりなのだ。
そこへ、作戦参謀が・・・
「おかえりなさいませ。」と、迎える凛子だ。
16歳の少女には・・・日本はつらいかな・・・
「宣誓を頼めるか。」と、さりがなく言う今野君だ。
「え、え、文は?」と、凛子だ。
「これだが・・・」 と、読めるのかと聞こうとして、やめた少尉だ。
失礼なことは、言えないからだ。
赤玉は、日本語を選考していたからである。
マジなら、マジで学習してれば読めるはずだ。
「万一危急の大事が起ったならば、日本臣民として勇気をふるい、一身を捧げて我が国家の為に尽すことを誓いましまする。」
と、一気に読み上げたのだ。
それも、流ちょうな日本語で、である。
満州訛りは微塵もない・・・
お国訛りが、少しは出る今野君は・・・恥ずかしかったほどである。
下手なアナウンサーと同格と言っても・・・いいくらいである。
「・・・・」何もいえない少尉殿だ。
ここまで、苦労させたのかよ・・・オレは、
反省しかり、だな・・・
それに、シナ人特有のアルヨとの語尾が凛子は、なぜか?最初からなかったのだ。
シナ人の匂いもしないし・・・かといって・・・馬賊の草原の匂いもしないのだ。
不思議な娘なのである。
凛子の両親は普通というか、ごく一般の満州国民だ。
家庭も、特に金持ちでもなく、かと言って、生活が困窮してるとも思えないのだ。
それなりの援助が少尉の給金ならできるのだが・・・
まさか、その家庭が・・・満州国が関わってるなんて・・・まあ、今野少尉は知らなくてもイイ話である。
凛子の家族はシナのスパイではないからである。
凛子は養子なのだ。
シナや満州では、子が産まれない家庭では、ごく普通のことなのだ。
残留日本人孤児を多数、育ててくれたのは現地の満州国民だったのだ。
シナ人や半島人は他国では嫌われるが・・・日本人は控えめだからか・・・あまり、そういう話は聞かない。
「さて、そろそろ出るか?」「え、え。」と、ホテルから諸々の手続きへ陸軍省へ向かう二人である。
ここで、諸君は不思議に思わないか?
これは、出来すぎでは無いかと・・・
まるで、計算して造ったような雰囲気なのだ。
凛子が、である。 普通の満州娘とは、別物なのだ。
大和撫子とも勝負できそうなくらいにである。
その辺のところに、トロイのか今野先生は気が付いていないのだ。
ぶりっ子言葉にも不快感も無く、むしろ喜んでるくらいな少尉殿なのだ。
傍から見たら、攻略された敗軍の将に見えるのである。
そうなのだ、計算された裏があったのである。
話は、数年前の満州国の対ソ連軍の作戦本部から始まったのだ・・・
「なんだと!」「全滅だと・・・」「まさか!」
「本当だと・・・」「袁紹将軍の騎馬隊も・・・」
「なんだと、切り札ではないかっ。」「もう、奉天城は・・・堕ちるか・・・」
ソ連軍の戦車隊のT26型は騎馬の満州軍には手も足も出なかったのだった。
なんせ、機関銃と25口径の主砲が騎馬隊を寄せ付けないのだ。
騎馬隊は日本から買った小銃が最新の武器だったのだ。
小銃と大砲では・・・月とスッポンである。
「では、侵攻を防ぐには戦車しかないではないか。」「我が、満州軍には無理だぞ。」
「陸軍大臣殿。」「なんだ?」「戦車が近くにありまする。」と、作戦参謀(軍師。)がささやく。
「どこじゃ、まさかシナではあるまいな。」「シナは敵じゃぞ。」と、大臣が騒いだ。
「いいへ、海の向こうです。」「倭国か。」満州では、日本を古代からの呼び名である倭国と・・・
「え、え、かの国には戦車があるとか。」「では、金を積んで買ってまいれ。」
「すでに断られました。」「なんだと・・・」憤慨する陸軍大臣だ。
「我が国は、裏で建国に倭国が参加してるのだぞ。」「倭国は仲間ではなかったのか?」と、憤慨する面々だ。
「最新の軍事兵器ですから、売れないと。」「・・・・」まあ、納得する面々だが・・・
「それで、戦車部隊なら派遣してもと・・・」「なんだと、それを早く言え。」「もう、亡国かと思ったぞい。」
そして、数日で加藤戦車部隊が大連港から陸揚げだ。
そして、数日でソ連軍を駆逐したのである。
しかし、しかしだ。 派遣軍であるからして、紛争が終結して・・・しばらくして帰還してしまう派遣軍だ。
「なんとしても、戦車隊を止め置くことはできんじゃろうか。」と、陸軍大臣がぼやいた。
誰もが、そう思うのだ。
そこで、作戦参謀(軍師)の登場である。
多大の給金の軍師だ、たまには役立たないと首だからだ。
「大臣殿。」「なにか、案はあるか?」「娘をあてがえばいいのです。」
「それは、そうじゃが・・・わしには娘はおらん。」「いいえ、大臣殿。」「養子を取ればいいのでは。」「そうか、そうじゃな。」「誰か、見繕ってくれ。」と、単純な大臣である。
まあ、日本でもポエムが大臣ができるのだ、単純な大臣だが・・・満州国では十分なようだ。
そして、新たに女子の学校が開校したと聞いた作戦参謀は学校へオナゴをさがしにいったのだ。
女子学校は義務教育の6年を過ぎた13歳からの高等教育なのである。
普通の子女は義務教育で終了である。
それで、まあまあの家庭の子女なのだ。 つまり、満州国でも、育ちがイイ子女の集まりなのだ。
そこへ、作戦参謀が・・・
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