日本戦車を改造する。

ゆみすけ

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後編だ。

積層装甲の開発。

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 重ねる力だ、ヤンマージーゼル~~という、コマソングがあるが・・・
後編の積層装甲の開発の物語である。
 「八九式の前面装甲は、17ミリの炭素鋼で形になったが・・・」
「もちろん、技師としての満足はなかったんだ。」
 「・・・・」そうだろうと思ったが、余計な一言は言わない今野君だ。
「そこころだったかな、装甲車が英国から輸入されたんだ。」
 「あ、あ、あの・・・」 ビッカース社の四輪装甲車のことだ。
車輪はゴムだけのパンクしないヤツだ。
 しかし、サスが硬くて乗り心地は戦車のほうが・・・まだ、マシというヤツだ。
「その装甲は1センチだったかな。」
 「それで、シナ軍のモーゼルには対抗できない問題が・・・」
「それで、技師の誰だったかな・・・板を装甲車の車体へかぶせたんだ。」
 「たしか、数ミリの厚さだったと思うんだが・・・」
「それでも、1センチよりはマシということだったんだが・・・」
 「なんと、シナ軍のモーゼルに十分に耐えたのだ。」
「現地の部隊員が喜びの報告があったくらいだ。」
 「わずか、数ミリの装甲板なんだが。」
「そこで、主任として閃いたのだ。」「これは、戦車にも使えるんじゃないかなとだ。」
 まあ、普通そうなるわな・・・

 「そこで、戦車用に数枚の板を重ねてみたんだよ。」
「それが、なんと野砲が抜けなかったんだ。」
 「あの、分解して運ぶ山砲ですか。」「そうだよ。」
確か、馬で搬送できないところでも使える野砲を山砲と陸軍では呼んでるのだ。
 まさか、山の上から砲撃なぞ・・・と、シナ軍は逃げ惑うしかなかったんだ。
「その装甲が、確か10枚ほど重ねたヤツだったかな。」
 「それが、九七式改に採用された積層装甲だよ。」と、ドヤ顔の主任だ。
「でも、九七式改の次があるんですよね。」と、水を向ける今野君だ。
 「ほう、なかなか知ってるじゃないか、君は。」と、感心する斎藤主任だ。
「え、え、その積層装甲は鹵獲した魔改造戦車で、知ってますから。」と、今野君が加える。
 「ところが、積層装甲は鉄板を重なるだけでは、これが終わりではないんだな。」と、主任技師がドヤ顔だ。
「75ミリ野砲にも耐える装甲の完成だ。」と、胸を張る斎藤主任技官殿である。
 「えっ、75ミリ砲にですかっ。」と、驚く今野君だ。
なんせ、陸軍の野砲では、最大口径のヤツが75ミリ野砲なのだ。
 これで破壊できない戦車はないぞ・・・と、日本陸軍が豪語するのだから・・・
「その、装甲が・・・この九七式改Ⅱ型だ。」と、迷彩塗装の装甲板を示す。
 「えっ、Ⅱ型ですか?」・・・・・まだ、魔改造は終わらないようだ。
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