日本戦車を改造する。

ゆみすけ

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日本軍は・・・いつ襲撃してくるんだ?

待ちくたびれた、ソ連軍だ。

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 「きょうもヤツらは、来ませんですなね。」と、副官がイワン隊長へ・・・
「くそっ、いったい、いつヤツラは来やがるんだ。」と、吐き捨てる。
 「ヤツらが奇襲してくると踏んで、網を張って・・・もう、7日ですよ。」
「下手に動けば、ヤツらの思うつぼだ、我慢しろ。」
 「でも、兵たちに与えるオナゴも・・・」
「そうだな、ババァは・・・もう、飽きたしな・・・」
 ハルピンの街を急襲して、食料とオナゴは確保したソ連軍だったが・・・
逃げ遅れた満州のババさんしか・・・確保できなかったのだ。
 そのバアさんを飽きるほど廻したんだが・・・
さすがに、もうソ連軍でもイラネーのである。
 食料庫は、カラに、なりつつある。
持ってきた、ウオッカも残りが・・・少なくなってきた。
 「もう、ウオッカが。」と、副官が・・・
「補給物資で来るはずだぞ。」と、イワン司令が・・・
 まあ、ウオッカは中抜きが・・・
シベリア基地でも数が少ない、そこから侵攻軍へは・・・さらに少なくなるのである。
 「いいか、ウオッカだけは、絶やすなよ。」と、イワン隊長だ。
「・・・・」そんなこと、言われないでも、わかってらぁという顔の副官だ。
 しかし、20両の戦車に戦車隊員が80名ほどだ。
いくら、あっても足りないのである。

 ソ連軍には、作戦があった。
それは、日本軍を殲滅したからの奉天への侵攻だ。
 イワン戦車隊は日本軍戦車隊を殲滅するのが目的なのである。
「ところで、司令。」「なんだ?」
 「そろそろ訓練を・・・」
「砲弾を使いたくない。」「それは、わかりますが。」
 「いいか、副官。」「ハァ。」
「ヤツらの弾数がわからんのだ。」
 「オレたちより多いとは思わんが、少なかったら。」
「わかりました。」
 「もし、ヤツらが52発以上だったら・・・」と、憂慮するイワン司令だ。
この時点でソ連軍は・・・負けてるんだが・・・情報が無いから・・・
 日本軍は鹵獲したT26B型で52発と、わかっていたのである。
ソ連軍は欧州での紛争でのドイツ戦車も参考にして52発積んでるのだ。
 まあ、どこの国も、そんなモノである。
燃料や食料はソ連邦からのトラック輸送で・・・なんとかなってるが・・・
 砲弾となると、その辺には、積んでおけないからだ。
暴発の危険は少ないが・・・無いことはないのだ。
 
 こちらは、日本軍戦車隊である。
「いいかっ、ソ連軍は奇襲に用心してるようだ。」
 「よって、今回は正攻法で正面突破しか無い。」
「ソ連軍と撃ちあいになる。」
 「砲手は装填手との連携の訓練を繰り返すこと。」
「おう。」と、隊員らが叫んだ。
 士気は旺盛だ。
バルチック艦隊を迎え撃つ、連合艦隊の気分なのである。
 「いいかっ、いままでの榴弾ではないからな。」
「徹甲弾は重いから、取り落さないように。」
 「了解です。」
「かならず、砲手の肩を叩いて合図を忘れるなよ。」
 「遊底が砲身から戻るから、そのことを忘れるなよ。」
戦車の砲塔内は狭いのだ。
 うかうかしてると、砲撃で戻る遊底に叩かれて・・・骨折では終わらないくらいのケガだ。
そのために、後退する範囲を金属棒で囲ってあるんだが・・・
 用心にこしたことはないからだ。
「各戦車の潜望鏡のガラスの点検も忘れるなよ。」
 「替えは1個しかないからな。」
操縦手は前面装甲のスリットから外部を覗く。
 車長は砲塔の潜望鏡を使って外部を観察する。
砲手は照準器のレンズから射撃をするのだ。
 360度の外周を観察できるのは車長くらいだ。
まだ、車内は通話装置はなかった。(無線機は車長が使うのだ。)
 たがいの連絡は肩を叩いてか、手信号だ。
なぜなら、戦闘中はエンジン音や砲撃音で互いの声なぞ聞こえないからである。
 新型の九七式改はイヤフォンとマイクで通話ができるのだが・・・

 元馬賊の斥候が・・・
「隊長さん、敵は酒盛りしてるアルヨ。」と・・・
 「見張りは、どうだ。」
「いや、ハルピンの入り口で20両連ねているアルヨ。」
 「全員が見張り兼、酒盛りかよ・・・」
ある意味、考えた作戦だ。
 満州平原は遮るモノが無い・・・
「これは、やはり正面突破しかないようだな。」と、覚悟を決めた少尉だった。

 
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