日本戦車を改造する。

ゆみすけ

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ソ連軍を追撃する。

チチハルを廻り込むのだ。

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 「敵はハルピンに侵攻している。」「つまり、ソ連軍はハバロフスクから侵攻したんでしょうな。」と、軍曹が加える。 
 「そうだな、ハバロフスクには港があるからな。」
「やはり、戦車は船で運んだんですな。」
 「うむ、オレはそう踏んでいる。」 
シベリア鉄道は、まだ完全ではなかった。 
 つまり、線路が重量制限があるのだ。 
橋も、あまり重い戦車を貨車は載せられない。 
 まして、10両以上の戦車を曳く蒸気機関車は・・・最低でも100トンは必要であるのだ。 
「なら、我が軍はチチハルから廻り込んで、背後から攻め込むのは?」と、軍曹が進言した。
 「うむ、それは・・・いい案だな。」と、思考する加藤中尉だ。
「大連港から奉天へ・・・そして、吉林を廻って万宝山へ。」「うむ。」
 「そして、興安で補給するんです。」
「なかなか、うむ、それで行こう。」
 簡易の図面を拡げて中尉は決断した。

 戦車の行軍には燃料や兵站が欠かせない。
進軍速度が40キロとしても、連続はエンジンに負担なのだ。
 どうしても、無理をするとエンジンのピストンに隙間ができやすいのだ。
そして、馬力が落ちてしまうのだ。
 120馬力はあるエンジンがソ連軍と会敵したときは・・・80馬力に・・・
それでは、勝てないのである。
 「補給は。」と、中尉が工兵部隊へ・・・
「トラック3台で、燃料は輸送します。」
 「兵站は満州国軍が。」「兵站は中華ですから、問題なく食せると。」
「あ、あ、了解している。」「生水はダメだぞ。」
 「え、え、伝染病もありますからな。」
「日清戦争での苦労は忘れてはいないぞ。」と、軍曹が・・・
 当時の陸軍は疫病で倒れる兵が・・・戦いで戦死より・・・
しかし、病死では・・・遺族が・・・それで、戦死へ改ざんしたのである。

 「それで、組み立て式の舟艇は、何隻あるんだ。」
「え、え、と、9隻あります。」「なら、3両分だな。」
 「河を渡るときですね。」「そうだ。」
「大陸の河は、マジでやばいからな。」
 「対岸が見えないとか・・・」「マジですか。」
「そうだ、内地の川なぞ、小川だな。」「・・・・」
 「それで、渡河訓練は?」「そうだった。」
「一度、3隻の舟艇で戦車の渡河訓練をやっておかないと。」
 「でも、ソ連軍は待ってはくれませんよ。」
「うむ、仕方がない進軍がてらの訓練だな。」と、中尉は決心した。
 なんせ、3隻の舟艇を結んで戦車を載せての渡河だ。 
「2隻では?」「2隻では浸水するらしい。」
 「まあ、15トンはありますからな。」
「それで、船外機を付けると、5ノットで進めると聞いたのですが。」と、軍曹だ。
 「え、え、内地での試験ですね。」と、工兵が答える。
「ヒトが歩く速さだな。」「まあ、そうですね。」
 「敵前では無理だな。」「まだ、死にたくはありませんからな。」
誰も、満州の僻地ではイヤである。
 日本を守るためになら、爆弾を抱えて突撃も辞さない連中だが・・・
満州国のためには死にたくはないからだ。
 「しかし、ロシアは日露戦争で、負けたくせに。」「その、仕返しだろ・・・」
「・・・・」 言い返せない、軍曹である。

 「よし、時間も切迫している。」「では、進撃開始だ。」と、加藤隊長が砲塔から合図だ。
「ガ、ガ、ガ、ガ。」と、八九式のエンジンが吠える。
 15両の日本陸軍の加藤戦車隊は、補給の部隊より先に進軍を開始したのである。
「目指すは、奉天だ。」 先頭の馬賊の案内人が先行する。
 馬が戦車よりは速いからだ。
史実では、八九式は時速25キロ程度だが・・・わが、ラノベは日本軍が無双なのだ。
 25キロなんて・・・時速は40キロで進軍する加藤戦車隊なのである。
加藤は、加藤隼戦闘隊にあやかったのだ。
 史実では、西住戦車隊長が有名だが・・・(ガルパンの西住が、そうだ。)



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