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加藤中尉からの引継ぎ・・・
満州なんぞで、死んでたまるか❕
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話は戻って、ソ連軍が国境の向こう側へ戻り・・・紛争は終わった満州国だ。
晴れてソ連軍を押し戻した加藤戦車隊員らは、奉天城での送別の儀の主役だった。
大連の港には戦車隊を迎えに、あきつ丸が投錨して・・・戦車を待っていた・・・
そして、あきつ丸は交代の今野戦車隊員と戦車を降ろしている最中だった。
そう、隊長は晴れて少尉へ任官した今野君である。
本来なら、コネも戦歴も無い今野卒業生が・・・いきなり少尉なぞ・・・
まあ、そこは満州国への正式派遣という重責が少尉任官をカバーしてるのである。
富士機甲学校の戦車隊員課程を終了した陸軍の新卒者も・・・ウロウロしている。
総勢21名の戦車隊員である。
まだ、整備兵や開発技師は・・・後日らしい・・・
「今野少尉、加藤中尉が・・・」「そうか、お通ししろっ。」 部下の伍長がドアを開ける。
「やあ、あなたが今野少尉ですか。」「これは、加藤隊長殿。」「やっと、送別の儀が終わって肩の荷がおりましたよ。」「ごくろうさんでした。」「いや、いや、貴殿も大変ですな。」「・・・・・」
同じ下士官でも、かたや加藤中尉は歴戦の勇士だ。
今野少尉は、ほやほやの出来立て少尉だ。
ガキと総理大臣ほどの差があるのだ。
しかし、偉ぶることもない加藤中尉だ。
マジな歴戦の勇士は勇猛さなぞ、表面には表さないのだ。
「ため口で、失礼しますよ。」と、加藤中尉だ。
「もう、儀式ばったことは・・・懲りましたので。」と、体面が大切な満州国の式典に・・・二度と出たくないようである。
「こちらこそ、そうお願いします。」と、今野少尉だ。
「では、引継ぎですが・・・今野君は米国の外交官のラルフ・タウンゼント氏の著書を読んだことは?」
「いえ、ありませんが。」「では、この本をお貸ししましょう。」と、1冊の本を渡される。
「英語ですか。」「まだ、日本語訳は出ておりません。」「しかし、読めば満州国で生きていけますよ。」
「わかりました、少しは英語もかじりましたので、辞書片手にやってみます。」
「内容はシナ人とは、どういう民族か描いてありますよ。」
「悪口ではなくて、真実の事が描いてあります。」
「相手はソ連軍ですが・・・」と、今野少尉が・・・
「え、え、そうですが、シナ人が理解できないと満州では生きていけませんから。」
「シナ人は約束は守らない、裏切る、ヒトは騙す、犬や猫以下ですからね。」
「犬は三日飼ったら恩は忘れないのですが、シナ人や鮮人は恩どころか、仇で返しますからね。」
「シナ人や鮮人を、日本人と同類には絶対に見ないことですよ。」
と、加藤中尉は、さらっと言ってのけるのだ。
「ヤツらはヒトの皮を被った畜生以下ですからね。」とも、付け加える。
「絶対に信用しては、いけません。」「これが、シナや満州での鉄則です。」
今野少尉は・・・内地へ帰ろうかと・・・いまさら、無理だ・・・
「まあ、脅すような話で・・・まあ、対処法はありますから・・・」と、慰める加藤中尉だった。
「まあ、シナ人よりは満州国の国民の方がマシですから。」と、慰める加藤君だ。
「満州国の国民は、ロシア人の脅威を肌でしってますからな。」とも、加える加藤君だ。
「それなら、少しは希望もありますかね。」と、今野少尉が・・・
「まあ、そのうち理解できますよ。」と、話を切り上げる加藤中尉であった。
「ところで、新型戦車は?」と、使い勝手を聞く加藤中尉だ。
「え、え、速度が安定して40キロはでますし、戦車砲も長砲身で威力があがってますから。」と、今野少尉がいう。
「それは、たのしみですね。」「ソ連のT26が相手でしたが、欧州ではソ連軍も新型らしいですから。」
「あ、あ、T34ですか。」
「そうです、ドイツ軍が逃げ出したともウワサもありますから。」
「なんと、戦車王国のドイツが、ですか。」と、今野少尉が驚いた。
「え、え、これはソ連軍の捕虜が自慢げに話していたことですよ。」
「今度はT34で日本軍なぞ殲滅だ、と言ってましたからね。」
「それで、捕虜は?」「え、え、その情報と交換でソ連へ返しましたよ。」
「なんせ、満州国へ渡せば、殺されるのがオチですから。」「捕虜を殺しては、陛下に申し訳ありませんので。」
「では、ソ連はT34を出してくるかも・・・」「それは、わかりません。」「でも、新型戦車ですから。」と、慰める加藤中尉だ。
「まだ、新型の九七式が負けると、わかりませんからね。」
「そう、願いたいですが。」と、締めくくる今野少尉だった。
晴れてソ連軍を押し戻した加藤戦車隊員らは、奉天城での送別の儀の主役だった。
大連の港には戦車隊を迎えに、あきつ丸が投錨して・・・戦車を待っていた・・・
そして、あきつ丸は交代の今野戦車隊員と戦車を降ろしている最中だった。
そう、隊長は晴れて少尉へ任官した今野君である。
本来なら、コネも戦歴も無い今野卒業生が・・・いきなり少尉なぞ・・・
まあ、そこは満州国への正式派遣という重責が少尉任官をカバーしてるのである。
富士機甲学校の戦車隊員課程を終了した陸軍の新卒者も・・・ウロウロしている。
総勢21名の戦車隊員である。
まだ、整備兵や開発技師は・・・後日らしい・・・
「今野少尉、加藤中尉が・・・」「そうか、お通ししろっ。」 部下の伍長がドアを開ける。
「やあ、あなたが今野少尉ですか。」「これは、加藤隊長殿。」「やっと、送別の儀が終わって肩の荷がおりましたよ。」「ごくろうさんでした。」「いや、いや、貴殿も大変ですな。」「・・・・・」
同じ下士官でも、かたや加藤中尉は歴戦の勇士だ。
今野少尉は、ほやほやの出来立て少尉だ。
ガキと総理大臣ほどの差があるのだ。
しかし、偉ぶることもない加藤中尉だ。
マジな歴戦の勇士は勇猛さなぞ、表面には表さないのだ。
「ため口で、失礼しますよ。」と、加藤中尉だ。
「もう、儀式ばったことは・・・懲りましたので。」と、体面が大切な満州国の式典に・・・二度と出たくないようである。
「こちらこそ、そうお願いします。」と、今野少尉だ。
「では、引継ぎですが・・・今野君は米国の外交官のラルフ・タウンゼント氏の著書を読んだことは?」
「いえ、ありませんが。」「では、この本をお貸ししましょう。」と、1冊の本を渡される。
「英語ですか。」「まだ、日本語訳は出ておりません。」「しかし、読めば満州国で生きていけますよ。」
「わかりました、少しは英語もかじりましたので、辞書片手にやってみます。」
「内容はシナ人とは、どういう民族か描いてありますよ。」
「悪口ではなくて、真実の事が描いてあります。」
「相手はソ連軍ですが・・・」と、今野少尉が・・・
「え、え、そうですが、シナ人が理解できないと満州では生きていけませんから。」
「シナ人は約束は守らない、裏切る、ヒトは騙す、犬や猫以下ですからね。」
「犬は三日飼ったら恩は忘れないのですが、シナ人や鮮人は恩どころか、仇で返しますからね。」
「シナ人や鮮人を、日本人と同類には絶対に見ないことですよ。」
と、加藤中尉は、さらっと言ってのけるのだ。
「ヤツらはヒトの皮を被った畜生以下ですからね。」とも、付け加える。
「絶対に信用しては、いけません。」「これが、シナや満州での鉄則です。」
今野少尉は・・・内地へ帰ろうかと・・・いまさら、無理だ・・・
「まあ、脅すような話で・・・まあ、対処法はありますから・・・」と、慰める加藤中尉だった。
「まあ、シナ人よりは満州国の国民の方がマシですから。」と、慰める加藤君だ。
「満州国の国民は、ロシア人の脅威を肌でしってますからな。」とも、加える加藤君だ。
「それなら、少しは希望もありますかね。」と、今野少尉が・・・
「まあ、そのうち理解できますよ。」と、話を切り上げる加藤中尉であった。
「ところで、新型戦車は?」と、使い勝手を聞く加藤中尉だ。
「え、え、速度が安定して40キロはでますし、戦車砲も長砲身で威力があがってますから。」と、今野少尉がいう。
「それは、たのしみですね。」「ソ連のT26が相手でしたが、欧州ではソ連軍も新型らしいですから。」
「あ、あ、T34ですか。」
「そうです、ドイツ軍が逃げ出したともウワサもありますから。」
「なんと、戦車王国のドイツが、ですか。」と、今野少尉が驚いた。
「え、え、これはソ連軍の捕虜が自慢げに話していたことですよ。」
「今度はT34で日本軍なぞ殲滅だ、と言ってましたからね。」
「それで、捕虜は?」「え、え、その情報と交換でソ連へ返しましたよ。」
「なんせ、満州国へ渡せば、殺されるのがオチですから。」「捕虜を殺しては、陛下に申し訳ありませんので。」
「では、ソ連はT34を出してくるかも・・・」「それは、わかりません。」「でも、新型戦車ですから。」と、慰める加藤中尉だ。
「まだ、新型の九七式が負けると、わかりませんからね。」
「そう、願いたいですが。」と、締めくくる今野少尉だった。
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