日本戦車を改造する。

ゆみすけ

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野砲VSソ連戦車。

大砲は、なかなか当たらないものなのだ。

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 「大臣。」「なんだ。」「着ましたぞ。」「お、お、待っておったぞ。」
「さっそく、組み立てます。」「うむ。」
 なんとか、全滅前に間に合ったようだ。
「いそいで、組み立てろ。」と、5名の砲兵へ・・・
 まずは、車輪を並べて、大砲の足を組み立てる。
そして、木製の柱で三脚を建てる。(クレーンとして使うのだ。)
 そして、何本ものロープで砲身を大砲の足へ・・・
やっと、形が整ったのだ。 
 その間、約15分だ。 日本陸軍の砲兵といい勝負である。
それほど、必死だったということだ。 なんせ、ソ連軍は目の前だからだ。

 そして、砲身の後ろのフタを開いて砲弾(弾と薬莢だ。)を込める。
フタを閉じて、ロックする。
 そして、発射するための紐を・・・
「大臣、準備できましたぞ。」「お、お、待っておったぞ。」「これさえ、あれば。」
 「いか、よく狙え。」「弾は数がないからな。」
そうなのだ、弾数は残り少ないのだ。 なんせ、日本軍が破棄した大砲だからだ。
 満州国は建国して日が浅い。 まだ、まだ、外国から大砲を買えるほど税収もないのだ。
皇帝の財宝が・・・清王朝が滅んで逃げてきたのだ。 
 財宝なんて、夢のまた夢だ。

 「よし、騎馬隊を退却させろ。」と、大臣が指示する。 もう、隊長は戦死して・・・幹部は大臣だけだ。
騎馬隊が引く・・・
 「おい、馬がいなくなったぞ。」「やつら、逃げ出したか。」と、ソ連の戦車兵が覗き穴から外を見る。
煙幕も晴れたころあいだ。
 「ん、なんだ。」と、戦車長が・・・「あれは、野砲だぞ。」「満州にも、あったのかっ。」
「おい、注意だ。」「ヤツら、大砲を出してきやがったぞ。」と、ソ連軍に警戒の色が濃くなる。
 「1門か、他には無いな。」「背後の歩兵に大砲のことを警告しろ。」「ハイ。」
ソ連軍も満州国がショボイとバカにしていたが・・・野砲が出てきたのだ、当然警戒するのである。
 戦車にとり、警戒するのは敵の戦車である。 
そして、敵の野砲だ。 馬で搬送することができる野砲は戦車にとり脅威である。
 もちろん、砲弾が命中すればであるが・・・まあ、よほどの名手でないと・・・まず、命中なんて無い。
「まあ、満州の馬賊軍だ、当たることは無いと思うが。」と、車長も警戒する程度である。
 しかし、ソ連軍が野砲を見てから侵攻が止まったのは事実だった。
「見ろ、ヤツら進むのをやめたぞ。」「大砲をお見舞いしてくれるぞ。」
 と、砲兵が慎重に狙いをつける。
もちろん、水平撃ちだ。
 アフリカ戦線で英軍へむけて、88口径の対空砲の水平撃ちをドイツ軍がかました。
その発射音が英軍兵士にトラウマになったとか・・・
 英軍将校が、「ドイツ軍は卑怯だ。」 「対空砲の水平撃ちは法外だ。」と、抗議だ。
ところが、ドイツ軍の将校が、「対空砲の水平撃ちでないと、相手にできない戦車で攻めてくる方が法外だ。」と、言い返したとか・・・
 
 「よし、ここだ、いいぞ。」と、照準をつけた砲兵が合図だ。
「よし。」と、発射紐を引く射手だ。
 「ドワワン。」と、野砲が砲弾を発射して反動で後ろへ下がる。
同時に、ソ連軍の戦車T26の砲塔へ・・・「バウウウウンンン。」と、爆発と噴煙が立ち昇る。
 「やったかっ。」と、大臣が・・・
 
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