日本戦車を改造する。

ゆみすけ

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満州型の試運転。

いきなりかよ❕

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 「まあ、説明より実際に動かしてみましょうか。」と、主任だ。
「わかりました。」「おい、オレの組を集めろ。」と、少尉が戦車仲間を集める。
 つまり、車長が今野少尉で、砲手や操縦手、装填手の計4名で試験的に運用してみようと・・・
「じゃあ、実際の様に砲弾と燃料を・・・」と、整備隊員へ指示をする平井主任だ。
 「いつ、ヤツら(露スケ)が侵攻してくるやもだからな。」と、砲塔の上で今野少尉だ。
「では、誰か途中でエンコすると、いけない1両付随を頼むぞ。」「では、3号車が。」と、伍長が付随することとなったのだ。
 2両の戦車は駐屯地を出て、満州平原へ試運転へ・・・

 そのころ、こちらは満州国とソ連邦の国境の河川の岸に建てられた見張り小屋だ。 (ソ連側)
「おい、イワンスキー。」「なんだ。」「シベリア基地から偵察隊とのことだ。」「えっ、じゃあ満州国への。」
「そのようだな。」「それで、対岸の様子を知らせろとのことなんだ。」「そうか、最近は満州の日本軍も油断してるのか見てないぞ。」「そうだな、偵察も最近は少なくなったからな。」「じゃあ、そう連絡しておくぞ。」「うむ。」
 「なになに、最近の日本軍は油断だと。」「好都合だぞ。」「これは、偵察に2両は少ないな。」「そうだな、ウマくいけば侵攻できそうだな。」「なら、T26を6両の2小隊だな。」「いいのか、モスクワの許可を取ってないぞ。」「勝てば官軍だ。」
 こうして、シベリア基地から6両のT26が偵察という名目の侵攻へ・・・出撃したのである。
知らぬは日本軍と満州国軍である・・・・

 「以外に使えようだな。」と、今野少尉だ。
先ほどから、九七式が満州型という試作戦車に遅れ気味だからだ。
 そりゃあ、6気筒のエンジンを3基無理して積んだんだ。 旧型である九七式と同等では割に合わないのである。
「そうだ、連絡がてら無線機の調子を見てみようか。」と、少尉だ。
 「こちら、今野だ。」「駐屯地です、どうぞ。」「よく聞こえるぞ。」「こちらも、よく聞こえます、どうぞ。」
「うむ、なんか以前より、無線機が聞きやすいぞ。」と、感想を述べる今野少尉だ。
 「あ、あ、それは、無線機を3球式から5球式に替えたからですよ。」と、主任技師だ。
「えっ、真空管が増えたのか。」「そうです、米国で発明された5球スーパーというヤツですよ。」と、主任技師が種あかしだ。
 「いままでは、もごもごの音声だったんだが・・・別物だぞ。」と、感想を述べる少尉だ。
走行性能といい無線機の性能といい、文句がつけようがないのだ。
 「これは、ソ連軍のT26を圧倒できるやも知れんぞ。」と、期待が膨らむのだ。
兵器の性能が良ければ、それに伴い兵士の士気も高揚するのだ。 
 ショボイ兵器では、兵士らもヤル気がでないのは当然だ。
「よし、この調子で戦車の性能を計るぞ。」と、意気揚々になる今野少尉だ。
 そして、見張り所の近辺の河が浅い河底を渡河する、ソ連軍偵察隊の6両のT26である。
こうして、満州平原でのソ連軍と日本軍のイタチごっこが始まったのである。
 そうなのだ、このまま進めば、両軍が鉢合わせるのが、間違いないのである。


 
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