223 / 393
満州型の誕生。
これが、満州の気候に合わせた戦車だ。
しおりを挟む
素人修理の戦車を点検した平井主任は、思うところがあったのだ。
内地の戦車では満州平原は戦えない・・・との結論が・・・
「そこで、独自の満州型の戦車に改造したいのですが・・・」と、平井主任が・・・
本性を現した戦車整備隊である。
会社で魔改造をやりすぎて・・・追い出された連中だったのだ。
予算を度外視した改造や、あまりに特化した魔改造だったからだ。
そう、キチガイ組と揶揄されていたのだ。(現在と違いパワハラやセクハラは日常だったのだ。)
いまなら、究極のオタクとして意味が違ってるだろうが・・・
「おい、隊長の許可は盗ったぞ。」と、主任が仲間へ・・・
「そうか、いよいよ好き放題の改造が、できるな。」「しかし、予算が・・・」「いいや、満州国が出すらしいぞ。」「それは、本当なのか。」「あ、あ、ソ連の脅威は満州国が本家だからな。」「それに、戦車隊は他にないからな。」「あ、あ、好き放題の改造が・・・」と、主任以下、眼の輝きが・・・恐ろしいのである。
「各員へ1両の戦車をあずける。」「おう。」「それで、思う存分やってほしい。」「お、お~う。」
いちいち上司の許可なぞ取らなくていいし、予算もとりあえずはあるのだ。
「いいか、いつソ連の熊が攻めて来るやもしれん。」「勝てるヤツを作り上げるぞ。」
その日から、そう時間がもったいないのだ。 飯を食うノモ忘れて、オタクどもは、動き出したのだ。
九七式がどうなるか・・・もちろん、基本形態は変わらないだろうが・・・各人が考えて考え抜いた工夫が盛り込まれた戦車が・・・
溶接火花が消えない戦車の車庫である。
なんと、戦闘機のエンジンで発電機が・・・そして、電気溶接を・・・
つまり、アーク溶接である。 戦闘機のエンジン(500馬力)の発電機だ。
大電力で分厚い鋼鉄の切断も可能なのだ。 欠点は五月蠅いのだ。 耳栓なしでは、作業ができないことだ。
つまり、九七式はリベット留めの車台なのである。
それで、砲弾がリベットに当たるとリベットが車内へ銃弾のごとく撥ねて戦車隊員を貫くのだ。
それを防ぐための溶接なのである。
金と時間を度外視した戦車が・・・とりあえず、5両は出来つつあった。
「なんと、1両が整備が終わったと。」と、今野少尉だ。
「え、え、それで見せようと・・・」「うむ、では・・・」と、今野少尉が戦車の車庫へ・・・
車庫には整備中の戦車が溶接の火花を散らして・・・数量が整備中だ。
そして、眼の前には1両の整備が終わったヤツが鎮座していた。
「これが、え、え、と、なんと言ったらいいんか・・・」と、少尉だ。
確か、九七式は砲塔に主砲と機銃が前後にあったのだが・・・後部銃座が無い。
そして、前が斜め装甲に替わっていてハッチが、操縦士用のハッチが無い。
機銃は主砲の横へ付いてるようだ。
「砲塔が狭くなるから、後部銃座は外しました。」「そして、砲身へ同軸機銃を。」「そして、斜め装甲で前部をカバーして、耐弾性を高めました。」と、説明する主任だ。
「最大の改造がエンジンです。」「いままでの12気筒を6気筒の3連エンジンで計240馬力ですよ。」
つまり、九五式の6気筒エンジンを3個詰め込んだのである。
6気筒エンジンは整備がカンタン(12気筒より)なのだ。
「その240馬力で40キロ巡行も可能になります。」と、主任が・・・
それで、後部エンジンカバーが膨らんでるのか・・・納得の少尉だ。
「では、最高戦闘速度は。」と、聞く。
「そうですね、たぶん60はいけそうですね。」と、こぼす主任だ。
なんと、速度60キロ毎時かよ・・・掛け値無しかな・・・
「もちろん、掛け値は無しです。」と、太鼓判の主任だ。
「欠点は重量が重くなり、船で輸送ができないことですね。」
「なんせ、波止場のクレーンは15トンですが、これは25トンもありますからね。」
「では、ここではなんですから。」「練兵場で動かしてみましょうか。」と・・・・
内地の戦車では満州平原は戦えない・・・との結論が・・・
「そこで、独自の満州型の戦車に改造したいのですが・・・」と、平井主任が・・・
本性を現した戦車整備隊である。
会社で魔改造をやりすぎて・・・追い出された連中だったのだ。
予算を度外視した改造や、あまりに特化した魔改造だったからだ。
そう、キチガイ組と揶揄されていたのだ。(現在と違いパワハラやセクハラは日常だったのだ。)
いまなら、究極のオタクとして意味が違ってるだろうが・・・
「おい、隊長の許可は盗ったぞ。」と、主任が仲間へ・・・
「そうか、いよいよ好き放題の改造が、できるな。」「しかし、予算が・・・」「いいや、満州国が出すらしいぞ。」「それは、本当なのか。」「あ、あ、ソ連の脅威は満州国が本家だからな。」「それに、戦車隊は他にないからな。」「あ、あ、好き放題の改造が・・・」と、主任以下、眼の輝きが・・・恐ろしいのである。
「各員へ1両の戦車をあずける。」「おう。」「それで、思う存分やってほしい。」「お、お~う。」
いちいち上司の許可なぞ取らなくていいし、予算もとりあえずはあるのだ。
「いいか、いつソ連の熊が攻めて来るやもしれん。」「勝てるヤツを作り上げるぞ。」
その日から、そう時間がもったいないのだ。 飯を食うノモ忘れて、オタクどもは、動き出したのだ。
九七式がどうなるか・・・もちろん、基本形態は変わらないだろうが・・・各人が考えて考え抜いた工夫が盛り込まれた戦車が・・・
溶接火花が消えない戦車の車庫である。
なんと、戦闘機のエンジンで発電機が・・・そして、電気溶接を・・・
つまり、アーク溶接である。 戦闘機のエンジン(500馬力)の発電機だ。
大電力で分厚い鋼鉄の切断も可能なのだ。 欠点は五月蠅いのだ。 耳栓なしでは、作業ができないことだ。
つまり、九七式はリベット留めの車台なのである。
それで、砲弾がリベットに当たるとリベットが車内へ銃弾のごとく撥ねて戦車隊員を貫くのだ。
それを防ぐための溶接なのである。
金と時間を度外視した戦車が・・・とりあえず、5両は出来つつあった。
「なんと、1両が整備が終わったと。」と、今野少尉だ。
「え、え、それで見せようと・・・」「うむ、では・・・」と、今野少尉が戦車の車庫へ・・・
車庫には整備中の戦車が溶接の火花を散らして・・・数量が整備中だ。
そして、眼の前には1両の整備が終わったヤツが鎮座していた。
「これが、え、え、と、なんと言ったらいいんか・・・」と、少尉だ。
確か、九七式は砲塔に主砲と機銃が前後にあったのだが・・・後部銃座が無い。
そして、前が斜め装甲に替わっていてハッチが、操縦士用のハッチが無い。
機銃は主砲の横へ付いてるようだ。
「砲塔が狭くなるから、後部銃座は外しました。」「そして、砲身へ同軸機銃を。」「そして、斜め装甲で前部をカバーして、耐弾性を高めました。」と、説明する主任だ。
「最大の改造がエンジンです。」「いままでの12気筒を6気筒の3連エンジンで計240馬力ですよ。」
つまり、九五式の6気筒エンジンを3個詰め込んだのである。
6気筒エンジンは整備がカンタン(12気筒より)なのだ。
「その240馬力で40キロ巡行も可能になります。」と、主任が・・・
それで、後部エンジンカバーが膨らんでるのか・・・納得の少尉だ。
「では、最高戦闘速度は。」と、聞く。
「そうですね、たぶん60はいけそうですね。」と、こぼす主任だ。
なんと、速度60キロ毎時かよ・・・掛け値無しかな・・・
「もちろん、掛け値は無しです。」と、太鼓判の主任だ。
「欠点は重量が重くなり、船で輸送ができないことですね。」
「なんせ、波止場のクレーンは15トンですが、これは25トンもありますからね。」
「では、ここではなんですから。」「練兵場で動かしてみましょうか。」と・・・・
1
お気に入りに追加
98
あなたにおすすめの小説
小さなことから〜露出〜えみ〜
サイコロ
恋愛
私の露出…
毎日更新していこうと思います
よろしくおねがいします
感想等お待ちしております
取り入れて欲しい内容なども
書いてくださいね
よりみなさんにお近く
考えやすく
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
クラスメイトの美少女と無人島に流された件
桜井正宗
青春
修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。
高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。
どうやら、漂流して流されていたようだった。
帰ろうにも島は『無人島』。
しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。
男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。
トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。
いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。
考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。
赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。
言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。
たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。
病気になって芸能界から消えたアイドル。退院し、復学先の高校には昔の仕事仲間が居たけれど、彼女は俺だと気付かない
月島日向
ライト文芸
俺、日生遼、本名、竹中祐は2年前に病に倒れた。
人気絶頂だった『Cherry’s』のリーダーをやめた。
2年間の闘病生活に一区切りし、久しぶりに高校に通うことになった。けど、誰も俺の事を元アイドルだとは思わない。薬で細くなった手足。そんな細身の体にアンバランスなムーンフェイス(薬の副作用で顔だけが大きくなる事)
。
誰も俺に気付いてはくれない。そう。
2年間、連絡をくれ続け、俺が無視してきた彼女さえも。
もう、全部どうでもよく感じた。
ママと中学生の僕
キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。
零式輸送機、満州の空を飛ぶ。
ゆみすけ
歴史・時代
ダクラスDC-3輸送機を米国からライセンスを買って製造した大日本帝国。 ソ連の侵攻を防ぐ防壁として建国した満州国。 しかし、南はシナの軍閥が・・・ソ連の脅威は深まるばかりだ。 開拓村も馬賊に襲われて・・・東北出身の開拓団は風前の灯だった・・・
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる