日本戦車を改造する。

ゆみすけ

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九五式は小型の軽戦車なのだ。

重さ7トンは伊達じゃないぞ。

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 九五式軽戦車は長さが4.3メートル。 幅が2メートル。 高さが2,2メートルだ。 (正確ではないが、こんなものだ。)
 つまり、タウンエースかボンゴくらいなのだ。 それに、6気筒デーゼルエンジンの120馬力だ。 速度、40キロは出る。 当時としては十分の速度だ。
 ソ連軍のT26は30キロ(正確には26キロらしい。)が、せいぜいだ。 重いからだ。 9,4トンもある。
日本は、7トンだ。 2,4トンも軽いのだ。
 それで、T26相手に、ちょこまかと逃げることができたのである。
逃げるのもゲリラ戦では重要なのである。 逃げずに負ければ、そこで終了なのだ。 
 再度アタックには、逃げて再起を掛けるしかない。
今回の九五式の作戦は敵を釣るのが目的だ。 
 逃げ切っては、ダメなのだ。 もう、少しで捕まるというところを示しながら、逃げねばならない。
これが、なかなかむつかしいのだ。 敵に釣りだと、感づかれないようにである。
 そして、頭に血がのぼっているソ連軍のT26が九五式を追いかけて・・・・ワナへ、日本軍が待ち伏せを仕掛けたワナに・・・まんまと引っかかったのだ。
 「いまだ、テーーーッ。」と、加藤中尉だ。
「ドウン。」「ドウン。」「ドウン。」・・・7発の砲撃音だ。
 「しまった、待ち伏せだ。」「いかん、車軸へ当たったぞ。」「動かん。」「ヤラれたぞ。」「待ち伏せとは卑怯なエテ公だ。」 「どこだ、どこから撃ってるんだ。」「あの、ブッシュだ。」「草原だ。」
 動ごける13両のT26が草原をめがけて砲撃するが・・・そのころには、九七式は混乱に乗じて逃げた後である。 
 ソ連軍のウラジミール中尉は、迷う。 
普通なら7両が動けなくなった、その時点で撤退するのが常識なのである。

 「どうしたものか。」と、迷うウラジミールだ。
今回は、満州国への偵察任務である。 だから、歩兵はいないのだ。
 敵の戦車の実力を探ったり、満州国の国境の防備の下見である。
それで、敵の日本軍の戦車はショボイことが判明したのだ。 
 なぜなら、まともに敵がむかってこないからだ。
勝てるなら、平然と向かってくるだろう。 しかし、姿を現しては逃げてばかりだ。
 「戦車の性能で勝てないから、姑息な手段へ出るんだろう。」と、解析したのだ。
そして、そう解析したんだが・・・ついつい、乗せられてしまったウラジミール中尉だ。
 「まさか、あそこまで運動性が・・・」、ある意味、感心するほどである。
「まあ、その分装甲が薄いと思うんだが。」と、正確な解析を・・・

 そのころ、我が日本軍の戦車隊は体制を立て直しつつあったのだ。
待ち伏せ攻撃で敵の足を止めることができたのでる。
 とりあえず、足止めは成功したのである。
九五式3両と九七式の7両と合流して、隊列を組む、我が戦車隊である。
 この満州国にある、すべての戦車が、この10両の戦車なのである。
装甲車は対シナの軍閥用にシナとの国境である、奉天の南方に配備してあるのだ。
 加藤中尉は、10両の戦車を1両も敵に破壊されないようにソ連軍を撤退させねばならない。
でないと、満州国はカンタンにソ連軍に蹂躙されるだろう。 騎馬隊しかない、満州国軍だからだ。
 「露スケは、おそらく様子見だろう。」と、解析する中尉だ。
歩兵がソ連軍にいないからだ。 輸送トラックも見ていない。
 そして、たいていソ連軍は戦車の背後に歩兵がいるんだ。
それは、欧州のドイツとの紛争であきらかなのだ。
 T26の背後には、誰もいなかったのだ。
30キロで侵攻する戦車には歩兵は疲れて、附いてはこれないからだ。
 徒歩でも、銃は重いのだ。 どうしても徒歩なら5キロがギリだ。 
それで、戦車の上に歩兵が乗ったりしてるんだが・・・T26には歩兵はいなかったのだ。
 「なら、もう一押しでソ連軍を追い払えるだろう。」と、考える加藤中尉だ。
そのころ、ソ連軍は・・・
 「まだ、修理は終わらないのか。」「え、え、切れた履帯を繋ぐのは、3時間はかかります。」
「日本軍が追撃してこないか見張りを怠るなよ。」「了解です。」
 そうなのだ、T26はシベリア基地でも数は20両がギリなのである。
ここで、放置するほどソ連軍も甘くなかったのである。
 時間はかかるが、切れた履帯は現場で修理ができるからである。
これが、エンジンなら修理は現場では無理なのである。
 戦車兵には、そこまで知識がないからだ。
それに、履帯は切れることも少なくない、それで修理の訓練は戦車兵は受けてるのである。
 それに、T26は重さが9、4トンだ。 履帯も、それなりの重さだ。
それで、簡単な工具で修理ができるのだ。 
 


 
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