日本戦車を改造する。

ゆみすけ

文字の大きさ
上 下
205 / 393
まずは、オレだ。

3両がオトリで、7両が攻撃隊だ。

しおりを挟む
 「まずは、オレだ。」と、加藤中尉だ。 「あと、2両は欲しい。」と、9両の車長を見る。
ところが、全員が手をあげている。 「これでは、決まらんぞ。」「うむ、7両はガマンしてくれないか。」
「いや、隊長だけにオトリをやらせられません。」「そう、いうな。」「作戦が終わって帰隊したら、酒保でおごるから。」「そうですか、ならジャンケンしかないな。」と、渋々・・・・
 挺身隊とは、オトリとなり敵を引き付けて、味方の有利な攻撃ができるように、身を挺する役なのだ。
マジで、かっこいいのだ。 勝てば、英雄は間違いないのだ。 負ければ戦死だが・・・
 そこかわりに、敵にヤラれる危険が・・・・
なんとか2両がきまったようだ。

 地図を広げる。 この地図には加藤中尉なりの書き込みがあるのだ。 
ここへ先遣隊として到着して、まず最初にやってことが地図の作成だ。
 なんせ、シナ人の地図は使い物にはならないからである。
江戸時代の絵地図じゃないんだ。 戦争の道具なのだ。
 カンタンなメモ描き程度の地図では、役には立たない。
それで、地質から高低から戦車が通過できるか、詳細に作ったのだ。
 ドイツの戦車隊長のオットー・カリウスも、事前に地質などを下調べしていたとか・・・
戦車は、どこでも通過できるわけではないのだ。 
 戦車は重量があるから、泥炭地は埋まってしまうのだ。
ソ連軍のKV型なぞ重いから、ドロにハマって動かなくなった話が少なくない。
 まあ、九五式は軽い(それでも7トンだ。)から、余程のところでも走破できるんだが・・・
事前の調査は必須なのだ。 

 戦車用に描き込んだ地図を前に検討する隊長と車長らだ。
「敵は、おそらく位置はここだろう。」と、先ほどの混戦の場所付近をしめす。
 「いま、偵察にいってるから、それ次第だが。」
「そして、ここが泥炭地帯だ。」「ここは、ヤツらのT26でも走破できまい。」
 「それで、ここにおびき寄せるんだ。」と、泥炭地帯の先を示す。
「そのためには、ここでオトリの3両が敵に姿を見せるんだ。」「なるほど。」
 「それまで、草木で戦車を隠しておくのだ。」
「そして、残りの7両は、ここで待機だ。」と、大岩の後ろを示す。
 「ここなら、敵に気づかれんらろう。」「そうですね。」
「ここらあたりは砂利道だから、進軍には注意しろよ。」「了解です。」
「では、時計を合わせる。」「わかりました。」
 全員が時計を合わせる。 なぜなら、当時はゼンマイ式の腕時計だ。
それも、日に2~3分も狂うのだ。 それで、作戦の前には時計合わせが・・・

 「では、諸君の武勲を❕」「おう。」と、隊員らが、おのれの戦車へ駆け寄る。
「トラック隊は退避。」と、加藤中尉だ。
 燃料を運んできたトラックが前線から離脱する。
それを見送り、「いざ、出撃だ。」と、指示が飛んだ。
 3両と7両に別れて、日本軍戦車隊はソ連軍殲滅のために動き出したのだ。
敵はソ連軍のT26だ。 ガチで戦えば九七式戦車も・・・・だから、ゲリラ戦なのだ。
 兵器の欠点は作戦でカバーする日本軍である。
そこは、精神論は無いのだ。 なぜなら、竹やりでB26は墜ちないのだ。
 戦後にパヨクが戦時中を揶揄するための言動なのである。
パヨクは愛国者ではない。 ヤツらはシナの工作員になってるのだ。
 まあ、バカなヤツラなのである。
なにかと、精神論を振りかざしたと、宣伝して日本軍人を貶めるパヨクである。
 シナ人や鮮人も脅威だが、左翼思想に汚された日本人も少なくないのだ。

 「偵察隊より、加藤隊。」「こちら、加藤だ。」「隊長ですか、敵の位置を送ります。」
「おう、待ってたぞ。」「位置は、大岩の北から1キロです。」「了解だ、危なくなったら離脱しろよ。」「了解です。」 無線を戻す加藤中尉だ。
 「なかなか、聞こえるじゃないか。」と、感心する加藤中尉だ。 なんせ、隼戦闘機の無線機を載せてるのだ。
満州へ戦車を運ぶときに、無理をいって載せてもらったのである。
 初の海外派兵である。 それも、虎の子の戦車隊だ。 1両も欠けてはならないのだ。
それで、ゴリ押しで無線機を、それも最新の隼戦闘機のヤツだ。
 満州平原は山が少ないから、遠くまで無線が届くのだ。
情報こそ武器なのだ。 そして、遅れては情報もパーなのだ。
 そこで、無線機である。 T26に九七式が優位なのは無線機があるからであるのだ。

 
 
しおりを挟む
感想 3

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

大東亜戦争を有利に

ゆみすけ
歴史・時代
 日本は大東亜戦争に負けた、完敗であった。 そこから架空戦記なるものが増殖する。 しかしおもしろくない、つまらない。 であるから自分なりに無双日本軍を架空戦記に参戦させました。 主観満載のラノベ戦記ですから、ご感弁を

四代目 豊臣秀勝

克全
歴史・時代
アルファポリス第5回歴史時代小説大賞参加作です。 読者賞を狙っていますので、アルファポリスで投票とお気に入り登録してくださると助かります。 史実で三木城合戦前後で夭折した木下与一郎が生き延びた。 秀吉の最年長の甥であり、秀長の嫡男・与一郎が生き延びた豊臣家が辿る歴史はどう言うモノになるのか。 小牧長久手で秀吉は勝てるのか? 朝日姫は徳川家康の嫁ぐのか? 朝鮮征伐は行われるのか? 秀頼は生まれるのか。 秀次が後継者に指名され切腹させられるのか?

友達の母親が俺の目の前で下着姿に…

じゅ〜ん
エッセイ・ノンフィクション
とあるオッサンの青春実話です

ママと中学生の僕

キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。

旧式戦艦はつせ

古井論理
歴史・時代
真珠湾攻撃を行う前に機動艦隊が発見されてしまい、結果的に太平洋戦争を回避した日本であったが軍備は軍縮条約によって制限され、日本国に国名を変更し民主政治を取り入れたあとも締め付けが厳しい日々が続いている世界。東南アジアの元列強植民地が独立した大国・マカスネシア連邦と同盟を結んだ日本だが、果たして復権の日は来るのであろうか。ロマンと知略のIF戦記。

織田信長IF… 天下統一再び!!

華瑠羅
歴史・時代
日本の歴史上最も有名な『本能寺の変』の当日から物語は足早に流れて行く展開です。 この作品は「もし」という概念で物語が進行していきます。 主人公【織田信長】が死んで、若返って蘇り再び活躍するという作品です。 ※この物語はフィクションです。

生残の秀吉

Dr. CUTE
歴史・時代
秀吉が本能寺の変の知らせを受ける。秀吉は身の危険を感じ、急ぎ光秀を討つことを決意する。

処理中です...