194 / 393
履帯の修理方法。
日本式の修理方法マニュアル。
しおりを挟む
時間を戻そう。 そう、まだ満州平原で日本軍が訓練してる頃だ。
「今日は、履帯の修理の実演だ。」と、今野少尉が指示を出す。
戦場で履帯が切れれば、それは動かないということである。
動かない敵へ砲弾を当たるのは、たやすいことである。 つまり、履帯が切れる=死へつながるのである。
「いまから、履帯の修理の解説を主任技師から説明があるからな。」「はい。」
「え、え~っと、技術部の遠藤です。」「敬礼。」・・・答礼する遠藤君だ。
「皆さんも知ってるように、履帯はピンで繋がっています。」「普段は切れないですが、敵の砲撃で切れることも、ままあります。」「それで、修理用に履帯を加工したヤツの説明です。」
「これは、修理が戦場でもできるように考えられた履帯です。」
「まずは、片方が切れる場合が多いですから、片方の修理方法を説明します。」
と、遠藤君は片手で履帯を見せる。 まさか、重い履帯を片手で持てるのか・・・なんて馬鹿力なんだ。
「この履帯は修理用に軽量な履帯です。」「なんだ、そうだったのか。」
「そして、これがピンです。」と、U字型の金具を見せる。
「履帯は1本のピンで繋がってますが、修理用は両方からU字金具で止めるのです。」
「このU字金具は外れないように履帯へ留めることができます。」
「それで、3分で、慣れたら1分で修理ができます。」「お、お。」「問題は、外れた履帯を持ち上げることができれば、なのですが。」 履帯は重い、なんせ鉄のカタマリだからだ。 修理用は軽量なジュラルミンなのだ。
しかし、高価なので修理用を作るのが軍事費からギリなのだ。
「それで、外れた履帯を鎖でつないで、動輪へ掛けて、エンジンの動力で履帯を転輪へ引き上げるのです。」
「これには、コツがあるので、練習が必要です。」「エンジンで切れた履帯の動輪だけを、ゆっくり動かすのです。」「それを、車外と車内で連携して・・・」 なかなか、難しいのである。
ちなみに、修理は臨時なので帰隊したあとに、修理工場で修理用を外して、元へ戻さねばならないが・・・
「では、練習をはじめよう。」「まずは、1号車の隊員からだ。」と、壊れた履帯をつけた練習用に用意した車台で訓練がはじまったのだ。
まずは、車長が砲塔から壊れた箇所を把握する。
そして、修理金具を持って壊れた箇所へ・・・砲手と装填手が鎖を壊れた履帯の端へかけて・・・
「いまだ、動輪をゆっくりだ。」「了解だ。」「あと、ちょいだ。」「停止。」
「よし、金具をつけるぞ。」「鎖を回収だ。」「戻るぞ。」
「終了しました。」「うむ、5分か、まだまだだな。」「よし、次ぎは2号車だ。」
「最低でも3分で動けるようにするんだ。」「でないと、喰われるぞ。」
「修理中は、他の戦車で防護するんだ。」「無線での連携を忘れるなよ。」と、教官が・・・
こうして、訓練を重ねた結果が迅速な修理へとつながるのである。
「へっ、まさか、もう治ってるぞ。」と、驚愕するルイチェンコだ。
1両、確実に喰えると踏んだが・・・まさか、戦闘中に履帯を繋ぎなおすなんて・・・信じられない・・・
「やつらは、魔法でも使えるんかい。」と、「また、撤退になるそうだな。」と、はやくも撤退の用意を・・・
形勢が危うくなれば、シベリアくんだりでは戦死なぞしたくないルイチェンコ中尉である。
司令官のイワン中佐からは了解ずみなのだ。 なんせ、欧州戦線が主なのであるからだ。
ドイツ相手の欧州戦線だ。 できたての満州国とは、訳が違うのである。
満州国は防衛が精いっぱいで、侵攻はしてこないからだ。
ドイツはソ連を盗るき満々なのだ。 最悪、シベリアが首府へなりかねないのだ。
モスクワをドイツへ渡してなるものか、なのだ。
それで、満州国への侵攻をやめればいいんだが・・・ソ連の覇権政策は止まらない。
独裁国家で共産党独裁のソ連なのだ。 国民の目を内政から反らすためでもあるのだ。
韓国が、反日を繰り返すのと同じである。
対空戦車の機銃による弾幕は切れ目なしである。
なかなか、ツポレフ戦闘機は戦車へ攻撃ができないのである。
そして、T34と日本軍の攻撃型とは、主砲の撃ちあいが・・・
「くそっ、これでは、日本軍の戦闘機が・・・」と、もしものことを考えるルイチェンコ中尉である。
「おお、なんとか間に合ったぞい。」と、97式戦闘機(空の狙撃兵)3機が戦場の空(うえ。)へ・・・
「おお、97式だ。」と、砲塔の上の空を見上げる今野少尉だ。
6機のツポレフ戦闘機と3機の97式の空中戦が・・・
「今日は、履帯の修理の実演だ。」と、今野少尉が指示を出す。
戦場で履帯が切れれば、それは動かないということである。
動かない敵へ砲弾を当たるのは、たやすいことである。 つまり、履帯が切れる=死へつながるのである。
「いまから、履帯の修理の解説を主任技師から説明があるからな。」「はい。」
「え、え~っと、技術部の遠藤です。」「敬礼。」・・・答礼する遠藤君だ。
「皆さんも知ってるように、履帯はピンで繋がっています。」「普段は切れないですが、敵の砲撃で切れることも、ままあります。」「それで、修理用に履帯を加工したヤツの説明です。」
「これは、修理が戦場でもできるように考えられた履帯です。」
「まずは、片方が切れる場合が多いですから、片方の修理方法を説明します。」
と、遠藤君は片手で履帯を見せる。 まさか、重い履帯を片手で持てるのか・・・なんて馬鹿力なんだ。
「この履帯は修理用に軽量な履帯です。」「なんだ、そうだったのか。」
「そして、これがピンです。」と、U字型の金具を見せる。
「履帯は1本のピンで繋がってますが、修理用は両方からU字金具で止めるのです。」
「このU字金具は外れないように履帯へ留めることができます。」
「それで、3分で、慣れたら1分で修理ができます。」「お、お。」「問題は、外れた履帯を持ち上げることができれば、なのですが。」 履帯は重い、なんせ鉄のカタマリだからだ。 修理用は軽量なジュラルミンなのだ。
しかし、高価なので修理用を作るのが軍事費からギリなのだ。
「それで、外れた履帯を鎖でつないで、動輪へ掛けて、エンジンの動力で履帯を転輪へ引き上げるのです。」
「これには、コツがあるので、練習が必要です。」「エンジンで切れた履帯の動輪だけを、ゆっくり動かすのです。」「それを、車外と車内で連携して・・・」 なかなか、難しいのである。
ちなみに、修理は臨時なので帰隊したあとに、修理工場で修理用を外して、元へ戻さねばならないが・・・
「では、練習をはじめよう。」「まずは、1号車の隊員からだ。」と、壊れた履帯をつけた練習用に用意した車台で訓練がはじまったのだ。
まずは、車長が砲塔から壊れた箇所を把握する。
そして、修理金具を持って壊れた箇所へ・・・砲手と装填手が鎖を壊れた履帯の端へかけて・・・
「いまだ、動輪をゆっくりだ。」「了解だ。」「あと、ちょいだ。」「停止。」
「よし、金具をつけるぞ。」「鎖を回収だ。」「戻るぞ。」
「終了しました。」「うむ、5分か、まだまだだな。」「よし、次ぎは2号車だ。」
「最低でも3分で動けるようにするんだ。」「でないと、喰われるぞ。」
「修理中は、他の戦車で防護するんだ。」「無線での連携を忘れるなよ。」と、教官が・・・
こうして、訓練を重ねた結果が迅速な修理へとつながるのである。
「へっ、まさか、もう治ってるぞ。」と、驚愕するルイチェンコだ。
1両、確実に喰えると踏んだが・・・まさか、戦闘中に履帯を繋ぎなおすなんて・・・信じられない・・・
「やつらは、魔法でも使えるんかい。」と、「また、撤退になるそうだな。」と、はやくも撤退の用意を・・・
形勢が危うくなれば、シベリアくんだりでは戦死なぞしたくないルイチェンコ中尉である。
司令官のイワン中佐からは了解ずみなのだ。 なんせ、欧州戦線が主なのであるからだ。
ドイツ相手の欧州戦線だ。 できたての満州国とは、訳が違うのである。
満州国は防衛が精いっぱいで、侵攻はしてこないからだ。
ドイツはソ連を盗るき満々なのだ。 最悪、シベリアが首府へなりかねないのだ。
モスクワをドイツへ渡してなるものか、なのだ。
それで、満州国への侵攻をやめればいいんだが・・・ソ連の覇権政策は止まらない。
独裁国家で共産党独裁のソ連なのだ。 国民の目を内政から反らすためでもあるのだ。
韓国が、反日を繰り返すのと同じである。
対空戦車の機銃による弾幕は切れ目なしである。
なかなか、ツポレフ戦闘機は戦車へ攻撃ができないのである。
そして、T34と日本軍の攻撃型とは、主砲の撃ちあいが・・・
「くそっ、これでは、日本軍の戦闘機が・・・」と、もしものことを考えるルイチェンコ中尉である。
「おお、なんとか間に合ったぞい。」と、97式戦闘機(空の狙撃兵)3機が戦場の空(うえ。)へ・・・
「おお、97式だ。」と、砲塔の上の空を見上げる今野少尉だ。
6機のツポレフ戦闘機と3機の97式の空中戦が・・・
1
お気に入りに追加
97
あなたにおすすめの小説
小さなことから〜露出〜えみ〜
サイコロ
恋愛
私の露出…
毎日更新していこうと思います
よろしくおねがいします
感想等お待ちしております
取り入れて欲しい内容なども
書いてくださいね
よりみなさんにお近く
考えやすく
転生一九三六〜戦いたくない八人の若者たち〜
紫 和春
SF
二〇二〇年の現代から、一九三六年の世界に転生した八人の若者たち。彼らはスマートフォンでつながっている。
第二次世界大戦直前の緊張感が高まった世界で、彼ら彼女らはどのように歴史を改変していくのか。
西涼女侠伝
水城洋臣
歴史・時代
無敵の剣術を会得した男装の女剣士。立ち塞がるは三国志に名を刻む猛将馬超
舞台は三國志のハイライトとも言える時代、建安年間。曹操に敗れ関中を追われた馬超率いる反乱軍が涼州を襲う。正史に残る涼州動乱を、官位無き在野の侠客たちの視点で描く武侠譚。
役人の娘でありながら剣の道を選んだ男装の麗人・趙英。
家族の仇を追っている騎馬民族の少年・呼狐澹。
ふらりと現れた目的の分からぬ胡散臭い道士・緑風子。
荒野で出会った在野の流れ者たちの視点から描く、錦馬超の実態とは……。
主に正史を参考としていますが、随所で意図的に演義要素も残しており、また武侠小説としてのテイストも強く、一見重そうに見えて雰囲気は割とライトです。
三國志好きな人ならニヤニヤ出来る要素は散らしてますが、世界観説明のノリで注釈も多めなので、知らなくても楽しめるかと思います(多分)
涼州動乱と言えば馬超と王異ですが、ゲームやサブカル系でこの2人が好きな人はご注意。何せ基本正史ベースだもんで、2人とも現代人の感覚としちゃアレでして……。
下田物語 -幕末の風景-
夢酔藤山
歴史・時代
幕末、下田。
どこよりも真っ先に海外に接した場所。少女・きちや、のちの通辞・村山滝蔵と西川助蔵に写真家・下岡蓮杖など、若い力が芽吹いた場所。そして、幕末の世相に翻弄された彼女たちの涙と笑いの染みた場所。
いざ。下田から、ニッポンが始まる。
狩野岑信 元禄二刀流絵巻
仁獅寺永雪
歴史・時代
狩野岑信は、江戸中期の幕府御用絵師である。竹川町狩野家の次男に生まれながら、特に分家を許された上、父や兄を差し置いて江戸画壇の頂点となる狩野派総上席の地位を与えられた。さらに、狩野派最初の奥絵師ともなった。
特筆すべき代表作もないことから、従来、時の将軍に気に入られて出世しただけの男と見られてきた。
しかし、彼は、主君が将軍になったその年に死んでいるのである。これはどういうことなのか。
彼の特異な点は、「松本友盛」という主君から賜った別名(むしろ本名)があったことだ。この名前で、土圭之間詰め番士という武官職をも務めていた。
舞台は、赤穂事件のあった元禄時代、生類憐れみの令に支配された江戸の町。主人公は、様々な歴史上の事件や人物とも関りながら成長して行く。
これは、絵師と武士、二つの名前と二つの役職を持ち、張り巡らされた陰謀から主君を守り、遂に六代将軍に押し上げた謎の男・狩野岑信の一生を読み解く物語である。
投稿二作目、最後までお楽しみいただければ幸いです。
俺だけ毎日チュートリアルで報酬無双だけどもしかしたら世界の敵になったかもしれない
亮亮
ファンタジー
朝起きたら『チュートリアル 起床』という謎の画面が出現。怪訝に思いながらもチュートリアルをクリアしていき、報酬を貰う。そして近い未来、世界が一新する出来事が起こり、主人公・花房 萌(はなぶさ はじめ)の人生の歯車が狂いだす。
不意に開かれるダンジョンへのゲート。その奥には常人では決して踏破できない存在が待ち受け、萌の体は凶刃によって裂かれた。
そしてチュートリアルが発動し、復活。殺される。復活。殺される。気が狂いそうになる輪廻の果て、萌は光明を見出し、存在を継承する事になった。
帰還した後、急速に馴染んでいく新世界。新しい学園への編入。試験。新たなダンジョン。
そして邂逅する謎の組織。
萌の物語が始まる。
甲斐ノ副将、八幡原ニテ散……ラズ
朽縄咲良
歴史・時代
【第8回歴史時代小説大賞奨励賞受賞作品】
戦国の雄武田信玄の次弟にして、“稀代の副将”として、同時代の戦国武将たちはもちろん、後代の歴史家の間でも評価の高い武将、武田典厩信繁。
永禄四年、武田信玄と強敵上杉輝虎とが雌雄を決する“第四次川中島合戦”に於いて討ち死にするはずだった彼は、家臣の必死の奮闘により、その命を拾う。
信繁の生存によって、甲斐武田家と日本が辿るべき歴史の流れは徐々にずれてゆく――。
この作品は、武田信繁というひとりの武将の生存によって、史実とは異なっていく戦国時代を書いた、大河if戦記である。
*ノベルアッププラス・小説家になろうにも、同内容の作品を掲載しております(一部差異あり)。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる