日本戦車を改造する。

ゆみすけ

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ツポレフVS対空戦車。

20ミリVS7ミリ

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 ツポレフ戦闘機は戦車の上部装甲を抜けるように20ミリ機関砲である。 
20ミリは、弾頭がでかいのだ。 それで、150発しか弾数はない。
 対空戦車の4連装対空機銃は7ミリである。 自動装填の弾数は1500発だ。 
もちろん、補給のトラックから給弾すれば・・・銃身が寿命がくるまで撃てそうだ。
 銃身は薬莢の爆発で熱を持ち、限界を越えると熱で銃身が狂うのだ。
それで、水冷にしたり放射熱で冷やしたりするんだが・・・
 我が軍の対空戦車の銃身は水冷だ。 水冷といっても水ではない。 加工したオイルで冷やすのだ。
それで、オイルだからサビないのである。 自動装填装置がオイル駆動だ。 その技術で完成したオイル冷却装置が機銃を冷やすのである。
 それで、銃身が寿命がくるまで撃てるんだ。
もちろん、対空機関銃である。 銃身が長いヤツなのである。
 銃身が長いと射程が伸びるのだ。 なんせ、空(うえ)を飛んでる戦闘機を狙うのである。 
重力に逆らって射撃するのだ。 長い銃身で、薬莢の火薬量も多いのである。
 それで、射程距離が3000メートルもあるのである。
水平撃ちなら5キロは有効射程だ。 それで、気圧計と風速計が機銃座に備えられてる。
 その数値を計算機に打ち込んで、射撃角度などを決めるのだ。
砲手は、だから暗算のソロバンが得意なヤツばかりだ。
 最悪、計算機が故障しても射撃線を暗算で演算できるからだ。
そして、模型飛行機の標的機の訓練が有効であり、初弾から外さないとまで・・・

 「隊長。」「おう、来てくれたのか。」「え、え、戦闘機は予想されてましたから。」と、対空戦車の車長だ。
待機していた場所から、自己の的確な判断で攻撃戦車隊と時間内に合流できたのだ。
 これは、このメリットは大きいのだ。 
「よし、攻撃戦車隊は2班に分かれて、対空戦車への敵からの攻撃を分散しろっ。」「おう。」
 5両づつに分かれて対空戦車の前後周囲に防護壁をつくる。
なんせ、T34が追ってきてるからだ。
 「戦闘機には対空戦車で、T34には攻撃型で防護壁をつくるぞ。」「あとは、予備戦車隊がくるまで、持ちこたえるんだ。」と、今野少尉の的確な指示が飛ぶ。
 これが、日本陸軍の強さなのである。 
現場、現場に対応した的確な指示が即、発せられるのである。
 軍隊は、軍人は命令で行動するのだ。 個人の力なぞ、知れている。
しかし、集団のまとまった力こそが軍隊の強さであるのだ。
 
 そのころ、奉天の飛行場では、やっと97式戦闘機が離陸するところであった。
「敵、戦闘機はツポレフが6機だ。」「場所は国境の河を越えたようだから、C地点上空だろう。」
 「いいか、空の狙撃兵の名前を汚すなよ。」「おう。」3機の97式戦闘機は奉天飛行場を軽々ととびたった。
まだ、キー101は燃料を給油中である。
 ソ連軍の侵攻で、出撃するのだ。 どうしても、遅れるのである。
間に合うのか、キー101。 
 
 「来たぞ。」と、今野少尉が双眼鏡を覗く。 14両に減ったが、まだ多い敵のT34である。
当方は10両だが、対空戦車の防備に割かれるから、どうしても劣勢なのだ。
 そこで、対空戦車を中にして幌馬車隊ではないが、円陣を組むのだ。
そして、弱い後部を敵にさらさないようにするのである。
 砂袋の加重装甲で、少しは時間かせぎができるだろう・・・・
と、同時に、「ツポレフだ。」と、上を見る。
 「いかん、敵の攻撃が重なったぞ。」と、イヤな予感だ。
これでは、最悪は全滅になりかねない・・・どうする、今野小隊長・・・
 「対空戦車は弾幕を張ってくれ。」「それで、戦闘機を寄せつけるな。」「おう。」
「攻撃型は無線で狙う相手を選別して攻撃だ。」「予備隊がくるまで、持ちこたえろ。」と、指示を出す。

 ルイチェンコ中尉は、「いけーっ、エテ公を血祭だ。」「T34の恐ろしさを見せつけるんだ。」
「黄色い猿に砲撃を喰らわすのだ。」と、激を飛ばしまくる。
 ここは、数が多い内に敵を攻撃して圧倒するしかない、と踏んだのだ。
まあ、正論である。 戦闘機を連携して押しまくるしか、無いのだ。
 なぜなら、敵は守りの体制だからである。
円陣を組んで、インディアンから幌馬車隊が守りの体制だからである。
 騎兵隊が応援に駆け付けるまで、幌馬車隊は他に対抗手段がなかったのだ。
騎兵隊が遅れれば、幌馬車隊は全滅である。 
 インディアンの失敗は部族間の争いが・・・それで、そこを白人に突かれたのだ。
統一したインディアンの国がなかったからだ。
 
 「来たぞ、各個撃破だ。」と、無線で指示を出す。 敵のT34も距離を置いて砲撃を・・・
「やつら、近づいてこないな。」「くそっ、戦闘機が狙いやすいようにだな。」と、解析する少尉だ。
 上から見れば、T34か日本軍なのか判別はカンタンだ。 
なんせ、T34には十字の赤い印が大きく描いてあるからだ。
 これは、欧州戦線での戦訓を応用したものである。
ドイツ軍が鹵獲戦車のT34で攻撃して混乱したからだ。
 円陣を組んで、守りに入った日本軍と、周りから攻撃するソ連軍と、主砲の撃ちあいとなってしまったのだ。
もちろん、日本軍の戦車の前部装甲は砂袋があり、十分にT34の主砲を防ぐことができたのだ。
 それは、敵のT34にも言えることである。 日本軍の主砲では、なかなかT34の前部の斜め装甲は抜けないのだ。 
 「くそっ、これではラチがあかんではないか。」と、ルイチェンコ中尉は焦る。
なぜなら、戦闘機のツポレフがなかなか上から銃撃で攻撃しないからだ。
 「どうしたんだ、いまがチャンスなんだぞ。」と、空(うえ)を見上げるルイチェンコ中尉である。
どうして、ツポレフ戦闘機が戦車を攻撃できないのか・・・・
 それは・・・・



 
 
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