日本戦車を改造する。

ゆみすけ

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T34の技術には、驚きしかない。

ドイツ軍がパクるのも、わかるのだ。

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 「これは、なんかな?」と、陸軍の高官が整備隊員へ聞いている。 T34の履帯と戦車の車台の間に、凸型の金具がついてるのだ。 
 「これですか、はじめは不明だったんですが。」「ふむ。」「検証してるうちに判明したんですよ。」「ほう。」「履帯はピンでつなげてありますよね。」「そうだな。」「その、つないでるピンが動いてる内にズレてくるんですよ。」「うむ。」「それで、いままでは帰ったら、わざわざトンカチで叩いてピンを戻していたんですよ。」
「それは、知ってる。」「ところが、この凸型が履帯のピンを押さえるんですよ。」「あ、あ、そうか。」
 「ピンが抜け出てこなくなるんだな。」「いいアイデアと思いました。」
「うむ、ソ連もなかなか考えるんだな。」
 そうなのだ、ドイツ軍も、そのアイデアを即パクったんだ。 もちろん、我が戦車隊も同様だ。
ソ連軍は熊だが、なかなか実用的なアイデアを兵器へ採用してるのだ。 

 「それで、ソ連軍の戦車の長所ですが。」と、技官が説明する。
「戦車の操縦というか、運転というか、カンタンなんですよ。」と、ハッチを開いて、座席を見せる。
 「ほう、レバーが2本だけか。」「え、え、造りは精度は大したことはないんですが。」「肝心なところは、それなりの精度でつくってあるんですよ。」
 「つまり、手を抜けることろは、抜いているということなのか。」「そうです。」
「欠点は、あるのか。」「照準器が使えません。」と、砲塔の内部を示す。 
 「光学技術はドイツ軍には及ばないようです。」
陸軍の高官は照準器を覗いて・・・・「空気の泡が見えるぞ。」と、驚いていた。
 「わが国が、まだマシだな。」と、欠点があり、安心した顔だ。
「光学兵器のガラスはそれなりに経験とカンというますか、いろいろあるんですが。」
 「つまり、パクれないんだな。」と、高官だ。
「え、え、ガラスはガラスでも、特別な鉱石が入ってますから、そこまでは真似ができないんですよ。」と、技官が説明する。
 「そして、最大の長所が、斜め装甲の鋳造した車台と砲塔ですね。」「これは、我が国では、まだまだです。」
「そうか。」と、残念そうな高官だ。
 「わが国は、リベット止めの砲塔や車台ですからね。」と、技官が残念そうだ。
「薄い鋳造ならいいんですが、薄くては戦車には使えませんから。」と、納得の答えだ。
 ロシア時代からの鋳造技術はバカにできないのである。

 そして、その陸軍が得たT34の情報は・・・1両の実物と共に、海を渡り英国へ(日英同盟の取引である。)
英国は戦車を初めて造った国だ。 
 それが、今はフランスやドイツに先を越されて、とうとうソ連軍にまで・・・
そりゃあ、焦るわな・・・
 どうしても、英国は海洋国家だから、大陸国家との戦車戦には後背を期すのである。
大陸国家とは、ドイツやソ連邦である。 フランスも、そうだ。 陸軍国家なのである。
 例外は米国である。 米国は陸軍国ではない、海軍が強い国家だ。 
なぜなら、英国の影響が色濃くあるからだ。 女王が居る英国が、うらやましくてたまらないのである。
 
 しかし、ソ連軍も虎の子のT34の情報が、まさか満州から抜けるとは思ってもみなかったのである。 これは、ラノベだ、ウソや妄想の物語である。
 「それで、ソ連軍のT34から、我が軍が学ぶことはあったんですか。」と、今野少尉だ。
本郷主任が、「そうだな、エンジンは同じデーセルだ。」「はあ。」「そして、斜め装甲も同じだな。」「え、え。」「それに、鋳造技術は時間がかかるから。」「ハァ。」「無線機や照準器は、こちらが上だ。」「え、え。」
「それで、結論は。」「話のネタ程度かな。」「・・・・・」 「一番の問題は金だよ、資源だよ。」「技術はあるんだよ。」と、主任が駄弁ったのだ。 
 「ソ連は共産主義だ。」「独裁政権だ。」「日本は建国以来、合議つまり話し合いで成り立ってきた国だ。」
「無理な軍事費は無いんだよ。」 戦前は日本は酷い軍事国家だとは、マスゴミやパヨクのウソである。 
 大東亜戦争末期は酷かったんだが・・・山本五十六の無謀な海軍の作戦で、日本は亡国の憂き目に・・・
戦死したヒトを悪くいうつもりはないんだが・・・米国人から、真珠湾のだまし討ちと、いまだに言われるのは、米国の日本大使館のバカ野郎(宣戦布告が遅れた。)と山本五十六の真珠湾攻撃が、いい加減だったからだ。 
 いい加減な(空母や燃料タンクを逃した。)攻撃なら、やらない方がマシである。 
戦争をやらないためには、戦争の準備を怠らないことである。 
 地震への備えと同じである。 いつ、地震がきても準備があれば、被害がおさえられるのだ。
それと、同じで戦争の準備ができていれば、敵が攻めてくるリスクは減るのだ。
 準備が万全であり、いつでも戦える国には、攻め込めないものなのだ。

 

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