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ツポレフ戦闘機。
戦闘機が10機そろったぞ。
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「これが、ツポレフか。」と、イワン司令が・・・イワノビッチ副官は、「わが国も、こんな戦闘機がつくれるのか。」と、驚愕する。
いままでは、空冷の直径が大きいエンジンだった。 まあ、不格好な戦闘機だったのだ。
それが、水冷直列12気筒エンジンだ。 横長のスマートな機体である。 そして、いままでは足が出たままだった。 つまり、日本軍の97式戦闘機と同じ、固定脚だったのだ。 それが、引き込み脚である。
武装は主翼に13ミリ機銃が2丁である。 いままでは、7,7ミリ機銃が・・・
「これは、まるで別物だぞ。」と、新型に期待を寄せるイワンとイワノビッチであった。
「しかし、司令。」「うん、なんだ。」「日本軍にヤラれた2機の補充がバレないで、よかったですな。」「ふむ、まあ、その件は忘れろ。」「ハイ。」「いいか、旧型は廃棄したのだぞ。」「わかっておりますです。」
「うむ、この新型ツポレフなら、黄色い猿の対空戦車なぞ・・・・」「そうですよ、今度こそ日本軍のエテ公をなぶり殺しにしてくれましょうぞ。」「うむ、そうだな。」「ならば、モスクワも近づきますな。」「ふむ、あまり大きい声では・・・」「はぁ。」
こうして、シベリア基地へ2機の新型が配備されて、戦闘機が10機になり、満州への侵攻が計画されるのである。
「なに、やはり新型がヤツらの飛行場に・・・」「え、え。」「馬賊くずれのヌルムチからの情報です。」「あ、あ、あの馬賊か。」「なんでも、プロペラが3枚で、先が細長いそうです。」「ううむ、いままでは、2枚のプロペラで、丸いデカイ先だったんだが。」「なら、やはりツポレフですか。」「たぶん、そうだろう。」「で、何機。」「ヌルムチは2機、置いてあったそうです。」「うむ、では撃墜された補充ということだな。」「じゃあ、ヤツらが。」「そうだな、また侵攻したくるだろうて。」「では、偵察班を。」「まて、まて、先を急ぐな。」「まだ、わが軍は、1機しか戦闘機が無いんだぞ。」「そうでした。」
「こんどは、戦闘機が、それも新型が2機、加わってということだな。」「それで、ツポレフの欧州からの情報は。」「なんでも、英国からの情報では機銃が13ミリということと、引き込み脚、それにV型12気筒の水冷エンジンだそうだ。」「・・・・」「どうした。」「それが、本当なら、勝てないですよ。」「まあ、待て待て、いま対処法を考えてるところなんだ。」「なにか、アイデアでも。」 本郷司令官と副官は、出ないアイデアを模索するしかなかった。
「ヤツらが、本当にV型12気筒の水冷エンジンを・・・」 内地のエンジン製作所では、水冷エンジンが試験段階だというのに・・・日本のエンジンは泣き所があったのだ。 漏れで、ある。 オシッコではない、オイルや冷却液の漏れである。 機械精度の問題でもあるんだが・・・戦車隊長の今野少尉も、そこまでは把握してはいないのだ。 なんせ、エンジンのオイルは漏れるモノというのが、日本軍の常識だったからである。
エンジンオイルが完全に漏れなくなってきたのは、最近の話である。
「しかし、液冷だと、ラジエターやエンジンポンプなど、複雑な装置が増えるんだが・・・」と、ソ連軍の軍事技術が、いきなりの進歩は考えられない日本人の技師連中だったのだ。
日本人技師いわく、空冷エンジンの整備に慣れている整備士へ、いきなり水冷エンジンの整備は無理があるそうだ。
かなりの訓練や学習は必要だ、ということらしい。
「そうだな、ここは馬賊のヌルムチへ新型が飛んだか確認してみるのも手だな。」と、主任技師が・・・
「もし、訓練で新型戦闘機なら、水冷エンジンが整備できるヤツがいるんだ。」「飛んでないなら、使えないということだ。」と、結論づけた。
「おい、報奨金をはずむから、馬賊へ渡りをつけろ。」「わかりやした。」と、駐屯地の雇われ馬賊が走る。
「なに、なに、また様子を見てきたら、報奨金だと。」と、パオ(馬賊のテント)でヌルムチだ。
「なんでも、新型が飛んでるか見てきてほしいそうだ。」「報奨金は?」「うむ、倍だぞうだ。」「なんだと、本当か。」「日本軍はウソはつかないからな。」「そうだな、朝鮮やシナのヤツらとは違うからな。」と、約束に関しては信用がある日本軍である。
「よし、ここはオレが直々に調べてこようぞ。」と、ヌルムチだ。
馬賊は、普段は遊牧民である。 羊を放牧して、生計を建てているのだ。
それで、いかにも遊牧民のフリで、ソ連軍の様子をうかがうのである。
遊牧民に国境はないからだ。 それに、広大なシベリアや満州に国境の垣根なんか無いのである。
シナの古代の皇帝が造らせた長城も、スキマだらけなのである。
それから、数日間にわたり遊牧民となり放牧しながらソ連軍の様子を探るが・・・爆音を聞かないのだ。
そう、飛行機が飛んでる音がしないのである。
それで、ソ連軍の前線基地付近へ・・・そこで、地上でエンジンを動かしているようなのだが・・・
なかなか、うまくいかないようである。
その事実を、知らせる馬賊のヌルムチである。
「そうか、ごくろうであった。」「報奨金は、庶務で。」「わかったぞい。」と、金袋をもらってホクホクのヌルムチである。
「で、ヤツらの動きは。」と、副官が・・・「まて、まて、あわてるな。」「なんでも、地上で動かしてるようだが、うまくいかんようだ。」「やはり、そうですか。」「あ、あ、高価な玩具らしい。」
「では、準備の時間は。」「あるようだな。」「いずれ、ヤツらも飛ばしてくるだろうが。」「それまでに、対処法の時間はあるようだ。」「わかりました、では。」と、主任技師が仲間の元へ・・・
「おい。時間はあるようだ。」「本当か。」「あ、あ、いきなり水冷エンジンだ、かなりの時間がかかるだろうて。」「なら、97式を。」「そうだ、内地から運ぶ時間ができたということだ。」
「すぐに、戦闘機の97式を追加で送ってもらおう。」「ツポレフ戦闘機に勝てますかね。」「まだ、交戦したことがないぞ。」「ここは、やってもらうしか・・・」 こうして、ソ連軍の新型戦闘機との戦いの準備は整っていくのである。
いままでは、空冷の直径が大きいエンジンだった。 まあ、不格好な戦闘機だったのだ。
それが、水冷直列12気筒エンジンだ。 横長のスマートな機体である。 そして、いままでは足が出たままだった。 つまり、日本軍の97式戦闘機と同じ、固定脚だったのだ。 それが、引き込み脚である。
武装は主翼に13ミリ機銃が2丁である。 いままでは、7,7ミリ機銃が・・・
「これは、まるで別物だぞ。」と、新型に期待を寄せるイワンとイワノビッチであった。
「しかし、司令。」「うん、なんだ。」「日本軍にヤラれた2機の補充がバレないで、よかったですな。」「ふむ、まあ、その件は忘れろ。」「ハイ。」「いいか、旧型は廃棄したのだぞ。」「わかっておりますです。」
「うむ、この新型ツポレフなら、黄色い猿の対空戦車なぞ・・・・」「そうですよ、今度こそ日本軍のエテ公をなぶり殺しにしてくれましょうぞ。」「うむ、そうだな。」「ならば、モスクワも近づきますな。」「ふむ、あまり大きい声では・・・」「はぁ。」
こうして、シベリア基地へ2機の新型が配備されて、戦闘機が10機になり、満州への侵攻が計画されるのである。
「なに、やはり新型がヤツらの飛行場に・・・」「え、え。」「馬賊くずれのヌルムチからの情報です。」「あ、あ、あの馬賊か。」「なんでも、プロペラが3枚で、先が細長いそうです。」「ううむ、いままでは、2枚のプロペラで、丸いデカイ先だったんだが。」「なら、やはりツポレフですか。」「たぶん、そうだろう。」「で、何機。」「ヌルムチは2機、置いてあったそうです。」「うむ、では撃墜された補充ということだな。」「じゃあ、ヤツらが。」「そうだな、また侵攻したくるだろうて。」「では、偵察班を。」「まて、まて、先を急ぐな。」「まだ、わが軍は、1機しか戦闘機が無いんだぞ。」「そうでした。」
「こんどは、戦闘機が、それも新型が2機、加わってということだな。」「それで、ツポレフの欧州からの情報は。」「なんでも、英国からの情報では機銃が13ミリということと、引き込み脚、それにV型12気筒の水冷エンジンだそうだ。」「・・・・」「どうした。」「それが、本当なら、勝てないですよ。」「まあ、待て待て、いま対処法を考えてるところなんだ。」「なにか、アイデアでも。」 本郷司令官と副官は、出ないアイデアを模索するしかなかった。
「ヤツらが、本当にV型12気筒の水冷エンジンを・・・」 内地のエンジン製作所では、水冷エンジンが試験段階だというのに・・・日本のエンジンは泣き所があったのだ。 漏れで、ある。 オシッコではない、オイルや冷却液の漏れである。 機械精度の問題でもあるんだが・・・戦車隊長の今野少尉も、そこまでは把握してはいないのだ。 なんせ、エンジンのオイルは漏れるモノというのが、日本軍の常識だったからである。
エンジンオイルが完全に漏れなくなってきたのは、最近の話である。
「しかし、液冷だと、ラジエターやエンジンポンプなど、複雑な装置が増えるんだが・・・」と、ソ連軍の軍事技術が、いきなりの進歩は考えられない日本人の技師連中だったのだ。
日本人技師いわく、空冷エンジンの整備に慣れている整備士へ、いきなり水冷エンジンの整備は無理があるそうだ。
かなりの訓練や学習は必要だ、ということらしい。
「そうだな、ここは馬賊のヌルムチへ新型が飛んだか確認してみるのも手だな。」と、主任技師が・・・
「もし、訓練で新型戦闘機なら、水冷エンジンが整備できるヤツがいるんだ。」「飛んでないなら、使えないということだ。」と、結論づけた。
「おい、報奨金をはずむから、馬賊へ渡りをつけろ。」「わかりやした。」と、駐屯地の雇われ馬賊が走る。
「なに、なに、また様子を見てきたら、報奨金だと。」と、パオ(馬賊のテント)でヌルムチだ。
「なんでも、新型が飛んでるか見てきてほしいそうだ。」「報奨金は?」「うむ、倍だぞうだ。」「なんだと、本当か。」「日本軍はウソはつかないからな。」「そうだな、朝鮮やシナのヤツらとは違うからな。」と、約束に関しては信用がある日本軍である。
「よし、ここはオレが直々に調べてこようぞ。」と、ヌルムチだ。
馬賊は、普段は遊牧民である。 羊を放牧して、生計を建てているのだ。
それで、いかにも遊牧民のフリで、ソ連軍の様子をうかがうのである。
遊牧民に国境はないからだ。 それに、広大なシベリアや満州に国境の垣根なんか無いのである。
シナの古代の皇帝が造らせた長城も、スキマだらけなのである。
それから、数日間にわたり遊牧民となり放牧しながらソ連軍の様子を探るが・・・爆音を聞かないのだ。
そう、飛行機が飛んでる音がしないのである。
それで、ソ連軍の前線基地付近へ・・・そこで、地上でエンジンを動かしているようなのだが・・・
なかなか、うまくいかないようである。
その事実を、知らせる馬賊のヌルムチである。
「そうか、ごくろうであった。」「報奨金は、庶務で。」「わかったぞい。」と、金袋をもらってホクホクのヌルムチである。
「で、ヤツらの動きは。」と、副官が・・・「まて、まて、あわてるな。」「なんでも、地上で動かしてるようだが、うまくいかんようだ。」「やはり、そうですか。」「あ、あ、高価な玩具らしい。」
「では、準備の時間は。」「あるようだな。」「いずれ、ヤツらも飛ばしてくるだろうが。」「それまでに、対処法の時間はあるようだ。」「わかりました、では。」と、主任技師が仲間の元へ・・・
「おい。時間はあるようだ。」「本当か。」「あ、あ、いきなり水冷エンジンだ、かなりの時間がかかるだろうて。」「なら、97式を。」「そうだ、内地から運ぶ時間ができたということだ。」
「すぐに、戦闘機の97式を追加で送ってもらおう。」「ツポレフ戦闘機に勝てますかね。」「まだ、交戦したことがないぞ。」「ここは、やってもらうしか・・・」 こうして、ソ連軍の新型戦闘機との戦いの準備は整っていくのである。
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