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シベリア基地。
75ミリ砲が抜けないだと・・・
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「なんだと、それはマコトかっ。」と、イワン司令が・・・
「え、え、抜けませんでした。」「して、距離は・・・」「え、え、100ほどですか。」
「ううむ、では情報部の話は・・・」「そうです、嘘だったんですよ。」
「ううむ、これでは全面的に見直さねばならんぞ。」「そうです。」
「わかった、今回の敗退は君のせいではない。」「ありがとうございます。」 敬礼して、答礼を受けて退出するイワノビッチである。
「ふう、助かった。」「しかし、エテ公(日本軍へのあだ名だ。)のヤツらめ、とんでもない戦車を造りやがった。」 と、驚くイワノビッチだ。
なんせ、東部戦線(ドイツ対ソ連軍)では、我がソ連戦車がなかなかの戦いと聞いているのだ。
それが、同じだが、少し旧型ではあるが、シベリア戦線では・・・・なのだ。
ここは、最果てのシベリアではない。 ロシアの華(はな)モスクワだ。
クレムリンのコミンテルン(共産党本部)だ。 そこの悪名高い、情報部である・
「これは、本当なのか。」「まさか。」「黄色い猿が、わが戦車の砲撃に耐えたと・・・」「辺境のシベリア基地からの機密文書だが。」「これが、ドイツ側へ渡ると・・・」「悪い冗談も、ほどいほどだな。」「臨時監察の仕返しか。」「我が、赤軍の75ミリ砲は無敵だぞ。」「わが、同士の造る無敵の鉄槌なのだ。」
ドイツ軍の侵攻をソ連軍戦車のT75型は、完全に防いでいたのだ。
その、T75型の75ミリ砲が抜けなかったなどど・・・・
認められんのだ。 決して、みとめられないのである。
「よほど、イワンのヤツめ、モスコーへ・・・」「なるほど、それが原因でしょうな。」「臨時監察を乗り切ったので、帰りたいんでしょうな。」「いや、なら交代を送れねばならんが・・・」「いまのところは、誰も・・・」「そうだな、おまえが行きたくはないだろう。」「・・・・・・」
「そうだな、とりあえずイワンに軍事物資の追加でも・・・」「了解であります、我が同士。」
こうして、新たな戦車と戦闘機の追加が・・・戦闘機の操縦士は・・・後ほどらしい・・・
「イワン司令。」「どうした、モスコーからか。」「いえ、電信で、戦車と戦闘機を送ると・・・」「・・・・」
「司令。」「あ、あ、聞いてる。」
「やはりか、末端の意見なぞ、情報部が潰しやがったな・・・」
「イワン司令。」「ん、なんだ副官。」「操縦士の派遣は・・・」「あると、思うか。」「いえ、しかし。」
「ドイツとの紛争で操縦士も余剰はないそうだ。」「これから、季節は春だ。」「当分、弾除けの蒙古兵で、ガマンだな。」「しかし、ヤツらは・・・わかりました。」と、敬礼で下がる副官である。
そこへ、運が悪いヤツが、シベリア基地へ左遷となったのだ。 ドイツ軍の新型戦闘機(メッサー型)にソ連軍の新型ツポレフ戦闘機が・・・そして、ドイツ軍からの捕虜交換で帰還した数名が・・・シベリア送りと・・・
どこの軍隊でも、そうだが・・・弱いヤツがなる運命というか・・・
見せしめは必要なソ連軍である。
そして、対ドイツでは、勝てない戦闘機がシベリア送りで、捕虜交換で帰還した操縦士込みで送られてきたのだ。
イワン司令にとり朗報であるのである。
なんせ、シベリア基地にとり、新型ツポレフ戦闘機だ。
「これで、モスコーへの・・・」「これなら、対空戦車なぞ・・・」 と、喜ぶイワン司令とイワノビッチ副官であった。
半月ほどで、戦闘機を戦車や人員が鉄道で送られてきた。
貨車からの積み下ろしは、蒙古兵の役である。
「おい、これは機械だから慎重に運べ、落としたら弾除けだぞ。」と、ロシア人の兵が脅す。
基本、言葉が通じない蒙古兵は荷役作業か弾除けか、人夫がわりである。 つまり、馬か牛の扱いなのだ。
白人にとり黄色人種の伝統的な扱いである。
荷は、木箱に入っている。 その木箱に貼ってある荷札を・・・破り、手に入れた蒙古兵が・・・
その荷札は、別の蒙古兵から、さらに別の・・そして、日本軍の駐屯地で働く、模型飛行機回収の馬賊へ・・・
まあ、荷札だ。 ロシア兵も気にもしなかったのだ・・・
「それで君、なんとロシア語で・・・」「え、え、ツポレフの部品と。」「なんだと。」「これは、英国からの情報ではソ連軍の最新型らしいです。」「ううむ、どうしたものか・・・」
日英同盟が当時はあった。 それで、日露戦争も有利に戦えたのだが・・・
「では、本郷司令、ヤツらは。」「そうだ、今度は上(そら)からだろう。」
「それも、新型だそうだ。」「・・・・」
「我が軍の対空戦車は・・・」「なんらかの、対策が・・」
「そうですね、せっかくの情報ですからね。」「うむ、さっそく対策を戦車製造工場へ。」
「え、え、ところで我が軍の戦闘機隊は、いつ。」「ふむ、話は通してあるんだが・・・」
「できれば、97式を。」「狙撃戦闘機か。」「え、え、それに、機関砲でソ連戦車を・・」
「まあ、さすがにそこまでは、無理なんじゃないか。」と、本郷司令だ。
妄想は無限に広がるのである。
「え、え、抜けませんでした。」「して、距離は・・・」「え、え、100ほどですか。」
「ううむ、では情報部の話は・・・」「そうです、嘘だったんですよ。」
「ううむ、これでは全面的に見直さねばならんぞ。」「そうです。」
「わかった、今回の敗退は君のせいではない。」「ありがとうございます。」 敬礼して、答礼を受けて退出するイワノビッチである。
「ふう、助かった。」「しかし、エテ公(日本軍へのあだ名だ。)のヤツらめ、とんでもない戦車を造りやがった。」 と、驚くイワノビッチだ。
なんせ、東部戦線(ドイツ対ソ連軍)では、我がソ連戦車がなかなかの戦いと聞いているのだ。
それが、同じだが、少し旧型ではあるが、シベリア戦線では・・・・なのだ。
ここは、最果てのシベリアではない。 ロシアの華(はな)モスクワだ。
クレムリンのコミンテルン(共産党本部)だ。 そこの悪名高い、情報部である・
「これは、本当なのか。」「まさか。」「黄色い猿が、わが戦車の砲撃に耐えたと・・・」「辺境のシベリア基地からの機密文書だが。」「これが、ドイツ側へ渡ると・・・」「悪い冗談も、ほどいほどだな。」「臨時監察の仕返しか。」「我が、赤軍の75ミリ砲は無敵だぞ。」「わが、同士の造る無敵の鉄槌なのだ。」
ドイツ軍の侵攻をソ連軍戦車のT75型は、完全に防いでいたのだ。
その、T75型の75ミリ砲が抜けなかったなどど・・・・
認められんのだ。 決して、みとめられないのである。
「よほど、イワンのヤツめ、モスコーへ・・・」「なるほど、それが原因でしょうな。」「臨時監察を乗り切ったので、帰りたいんでしょうな。」「いや、なら交代を送れねばならんが・・・」「いまのところは、誰も・・・」「そうだな、おまえが行きたくはないだろう。」「・・・・・・」
「そうだな、とりあえずイワンに軍事物資の追加でも・・・」「了解であります、我が同士。」
こうして、新たな戦車と戦闘機の追加が・・・戦闘機の操縦士は・・・後ほどらしい・・・
「イワン司令。」「どうした、モスコーからか。」「いえ、電信で、戦車と戦闘機を送ると・・・」「・・・・」
「司令。」「あ、あ、聞いてる。」
「やはりか、末端の意見なぞ、情報部が潰しやがったな・・・」
「イワン司令。」「ん、なんだ副官。」「操縦士の派遣は・・・」「あると、思うか。」「いえ、しかし。」
「ドイツとの紛争で操縦士も余剰はないそうだ。」「これから、季節は春だ。」「当分、弾除けの蒙古兵で、ガマンだな。」「しかし、ヤツらは・・・わかりました。」と、敬礼で下がる副官である。
そこへ、運が悪いヤツが、シベリア基地へ左遷となったのだ。 ドイツ軍の新型戦闘機(メッサー型)にソ連軍の新型ツポレフ戦闘機が・・・そして、ドイツ軍からの捕虜交換で帰還した数名が・・・シベリア送りと・・・
どこの軍隊でも、そうだが・・・弱いヤツがなる運命というか・・・
見せしめは必要なソ連軍である。
そして、対ドイツでは、勝てない戦闘機がシベリア送りで、捕虜交換で帰還した操縦士込みで送られてきたのだ。
イワン司令にとり朗報であるのである。
なんせ、シベリア基地にとり、新型ツポレフ戦闘機だ。
「これで、モスコーへの・・・」「これなら、対空戦車なぞ・・・」 と、喜ぶイワン司令とイワノビッチ副官であった。
半月ほどで、戦闘機を戦車や人員が鉄道で送られてきた。
貨車からの積み下ろしは、蒙古兵の役である。
「おい、これは機械だから慎重に運べ、落としたら弾除けだぞ。」と、ロシア人の兵が脅す。
基本、言葉が通じない蒙古兵は荷役作業か弾除けか、人夫がわりである。 つまり、馬か牛の扱いなのだ。
白人にとり黄色人種の伝統的な扱いである。
荷は、木箱に入っている。 その木箱に貼ってある荷札を・・・破り、手に入れた蒙古兵が・・・
その荷札は、別の蒙古兵から、さらに別の・・そして、日本軍の駐屯地で働く、模型飛行機回収の馬賊へ・・・
まあ、荷札だ。 ロシア兵も気にもしなかったのだ・・・
「それで君、なんとロシア語で・・・」「え、え、ツポレフの部品と。」「なんだと。」「これは、英国からの情報ではソ連軍の最新型らしいです。」「ううむ、どうしたものか・・・」
日英同盟が当時はあった。 それで、日露戦争も有利に戦えたのだが・・・
「では、本郷司令、ヤツらは。」「そうだ、今度は上(そら)からだろう。」
「それも、新型だそうだ。」「・・・・」
「我が軍の対空戦車は・・・」「なんらかの、対策が・・」
「そうですね、せっかくの情報ですからね。」「うむ、さっそく対策を戦車製造工場へ。」
「え、え、ところで我が軍の戦闘機隊は、いつ。」「ふむ、話は通してあるんだが・・・」
「できれば、97式を。」「狙撃戦闘機か。」「え、え、それに、機関砲でソ連戦車を・・」
「まあ、さすがにそこまでは、無理なんじゃないか。」と、本郷司令だ。
妄想は無限に広がるのである。
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