日本戦車を改造する。

ゆみすけ

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墜落した標的機。

使える部品は、エンジンだけか・・・

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 こうして、機体の内部に舵取りカムとエンジンスロットのカムを組み込むことで、標的機は有効な訓練ができたのだが・・・
 「これは、墜落したのか・・」と、馬賊が回収してきた機体を見て、係官は・・・
木材のバラバラの破片とエンジンを拾ってきた馬賊へ言う・・・
 「いったあるよ、見に。」「うむ。」「墜ちてた、飛行機があるよ。」「うむ。」 文法が馬賊の満州語と日本語が違うから、言い回しが逆なのだが、飛んでった方向へ、見に行ったら墜ちてたということだ。
 「どうしたんだ。」「あ、あ、副官。」「うむ。」「これで、3機目ですよ。」「墜落してたのか?」「え、え、どうしたものかと・・・」「技師らからは、自動操縦だから、しゃあない、と言われたんだが。」 
 しかし、墜ちた破片を拾ってくる馬賊は、いいとしても。 標的機の係は、やるせないのだ。
「なんとか、できんもんですかね。」と、副官へ詰め寄る。 
 「いや、それは、なんとも、そうだな。」と、副官だ。

 最近になり、墜落する標的機が・・・それで、製作に忙しい、模型飛行機製作所である。
輸出もしてるから、生産が追い付かないのだ。 残業も増えた。 しかし、手当は同じである。
 満州国に残業手当などの近代的考えなぞ、無いのだ。
「また、派遣軍用の追加だと。」「どんだけ墜とせばいいんだよ。」と、製作所の日本人技師がぼやく。
 「そういうな、軍事訓練だ。」「それは、知ってるが、せっかく苦労して造ってるんだ。」
「うむ、なんかないかな。」「なにが?」「おそらく、方向カムとエンジンのカムの問題とは思うんだ。」
 「それは、わかるが。」「なんか・・・いい考えが浮かばないものかな。」と、散歩に出る、技師である。
 
 飛行機は、まっすぐに飛ぶものである。 それを、舵により、無理に方向を変えてるのだ。 速度も落ちる。
速度が落ちれば、揚力が減るから高度が落ちる。 そこで、エンジンを吹かすのである。
 それを、無理にカムでやるから、動作が不安定になり堕ちるのだ。
「なにか、安定する装置を、ヤジロベイでも、いや場所がない。」 ヤジロベイは持ってる手を動かしてもバランスを保つからだ。
 満州国の路地を散策する技師である。 中華風だが、シナよりは日本の影響が強いから、それなりの都市である。
人口も増えた、ガキ(子供)も増えた。 
 「そうだ、3個目のカムだ。」と、技師の脳裏に閃きだ。
「方向カムは舵取りのカムだが。」「エンジンのカムは、調整カムだ。」「その調整がマズいから堕ちるのだ。」
「だから、遅延カムをつけて、バランスを取るんだ。」と、著者には・・・なんだが。

 そして、3個のカムをつけた装置をつくり、ゴム動力で動かす。 ゴム紐は増やした。 なぜなら、3個のカムを動かすからである。
 仕組みは、エンジンのカムに遅延装置としてのカムを嚙ませたのである。
方向を変えたのち、すこし間をおいてエンジンのカムを動かすのである。
 まあ、ジャイロコンパスを付ければ解決なんだが、ジャイロコンパスは重いので模型飛行機には無理である。
現在になり、ラジコンヘリへの搭載ができるようになったほどである。
 ちなみに、標的飛行機は吹き流しを曳きながら、飛んで。 そして、燃料がなくなると、エンジンが止まる。 
そのころには、カムを動かすゴム動力も無くなるのである。 それで、滑空して自然に降りるのだ。
 ただし、降りる場所は運しだいである。 テイよく馬賊が見つければカンタンだが・・・
まあ、広大な満州平原だ。 追いかければ、いつかは見つかるのである。
 
 そして、改良型の標的機が完成してからは、墜落機体が減ったのだ。 まあ、月に1機ほどである。
それは、なぜかと言えば機銃手が、つい・・やる気を出してしまい、吹き流しではなく、模型飛行機へ機銃弾を当ててしまうからである。 まあ、誰にも間違いはあるものだ。
 
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