136 / 393
リモコン戦車。
アンケートからの要望?
しおりを挟む
ドイツ軍は変わった戦車を造るのが好きなようである。 種類を統一した米軍との差異がある。(同じヤツが多量にあるのだ。)
戦車で、 一番、変わってるのがリモコン戦車のゴリアテである。
無線操縦ではない。 有線のリモコンだ、敵に近づいて爆発させるのだ。
リモコン爆弾である。 しかし、日本陸軍は(この妄想陸軍だ。)リモコン戦車を爆発なんて、もったいないからデキないのである。
標的飛行機も馬賊に回収させるくらいである。 (回収する方が、人件費や馬のエサ代など、バカにならない。)
しかし、バカも馬賊も使いようなのだ。 貴重なソ連軍の動向が馬賊から伝わるのだ。
対空戦車が、一応の成果を見せつつある。 では、満州型の攻撃戦車は・・・・
もちろん、遊んでいるわけではない。
日々の鍛錬も、だが。 日本人技師による改良や改善、工夫である。
「今野少尉、これがアンケートです。」「あ、あ、集まったか。」「え、え、無記名でしたよね。」「そうだよ。」
「なら、問題ないです。」「うむ。」と、アンケート用紙を集めさせた今野少尉である。
パラパラ、と見る。 戦車隊員としての要望や、工夫している点などが書いてあるのだ。 批判も書いてあるから、無記名なのだ。
あまり、酷い悪口は、さすがにポイであるが、そんなこと書くバカはいない。
なぜなら、このアンケートが、技師連中にまじめに反映されるからである。
いい例が、操縦席のピン止めである。 簡易図面や注意事項を書き留めておくところだ。
以前は、なかったんだが・・・ 誰かが書いたら、技師が計器盤へ取り付けてくれたのだ。
いままでは、ズボンのポケットや胸のポケットから出してみていたのだが・・・
電車や機関車の左横にある時刻表と同じなのだ。
当時は、まだセロテープなどの文具は無かった時代である。
中には、愛妻や娘の写真を貼るヤツもいたんだが・・・
翌日には、アンケートは満州国の日本陸軍戦車工場へ搬送されたのだ。
もちろん、馬賊が配達である。 馬賊も、最近は通信使替わりである。(軍事機密ではないヤツだ。)
なかなか、便利な速達なのだ。 まあ、馬以外に取り柄がない連中でもある。 満州国は道路整備は、まだまだである。 非舗装路は馬がモノをいうのだ。
「これが、今月分のアンケートか。」「そうだよ。」「どれ、見せてみろ。」と、斎藤主任がペラペラとめくる。
「ん、これは・・・」と、見入る斎藤主任である。
1枚のアンケート用紙を、読む主任だ。
「なになに、戦車に後ろを見る鏡をつけてくれ。」「つまり、トラックのサイドミラーのことだな。」「なるほど、考えていなかったな。」
戦車は、装甲が薄いところが弱点である。 特に、上面と後ろである。
背後から攻撃されたら、エンジンをヤラれて・・・
「ふむ、なるほどだな。」「ん、なんだ、これは・・・」と、絶句の主任だ。
「自動装填の機銃弾装置を、戦車砲にも・・・・」「考えてはいるが、将来的な展望の段階なんだが・・・」
対空戦車の自動油圧装填装置の戦車砲への応用である。 考えてはいるが、機銃弾は軽い、戦車砲の砲弾は重いのだ。
「なかなか、今回のアンケートは骨があるヤツが多いぞ。」と、読んでいて楽しくなる主任技師の斎藤君である。
やっと、腹蔵なくアンケートに書いてくれる。 やはり、無記名は効果が大きいのである。
「よし、後方確認のサイドミラーは考えてみよう。 前方ヘッドライトの後ろにでもミラーは付きそうだな。」と、すでに考えている主任である。
こうして、陸軍の戦車は使える戦車へ進化するのである。
現場の声は、聴く価値はあるのだ。 まあ、文句は別なのだが・・・・
戦車で、 一番、変わってるのがリモコン戦車のゴリアテである。
無線操縦ではない。 有線のリモコンだ、敵に近づいて爆発させるのだ。
リモコン爆弾である。 しかし、日本陸軍は(この妄想陸軍だ。)リモコン戦車を爆発なんて、もったいないからデキないのである。
標的飛行機も馬賊に回収させるくらいである。 (回収する方が、人件費や馬のエサ代など、バカにならない。)
しかし、バカも馬賊も使いようなのだ。 貴重なソ連軍の動向が馬賊から伝わるのだ。
対空戦車が、一応の成果を見せつつある。 では、満州型の攻撃戦車は・・・・
もちろん、遊んでいるわけではない。
日々の鍛錬も、だが。 日本人技師による改良や改善、工夫である。
「今野少尉、これがアンケートです。」「あ、あ、集まったか。」「え、え、無記名でしたよね。」「そうだよ。」
「なら、問題ないです。」「うむ。」と、アンケート用紙を集めさせた今野少尉である。
パラパラ、と見る。 戦車隊員としての要望や、工夫している点などが書いてあるのだ。 批判も書いてあるから、無記名なのだ。
あまり、酷い悪口は、さすがにポイであるが、そんなこと書くバカはいない。
なぜなら、このアンケートが、技師連中にまじめに反映されるからである。
いい例が、操縦席のピン止めである。 簡易図面や注意事項を書き留めておくところだ。
以前は、なかったんだが・・・ 誰かが書いたら、技師が計器盤へ取り付けてくれたのだ。
いままでは、ズボンのポケットや胸のポケットから出してみていたのだが・・・
電車や機関車の左横にある時刻表と同じなのだ。
当時は、まだセロテープなどの文具は無かった時代である。
中には、愛妻や娘の写真を貼るヤツもいたんだが・・・
翌日には、アンケートは満州国の日本陸軍戦車工場へ搬送されたのだ。
もちろん、馬賊が配達である。 馬賊も、最近は通信使替わりである。(軍事機密ではないヤツだ。)
なかなか、便利な速達なのだ。 まあ、馬以外に取り柄がない連中でもある。 満州国は道路整備は、まだまだである。 非舗装路は馬がモノをいうのだ。
「これが、今月分のアンケートか。」「そうだよ。」「どれ、見せてみろ。」と、斎藤主任がペラペラとめくる。
「ん、これは・・・」と、見入る斎藤主任である。
1枚のアンケート用紙を、読む主任だ。
「なになに、戦車に後ろを見る鏡をつけてくれ。」「つまり、トラックのサイドミラーのことだな。」「なるほど、考えていなかったな。」
戦車は、装甲が薄いところが弱点である。 特に、上面と後ろである。
背後から攻撃されたら、エンジンをヤラれて・・・
「ふむ、なるほどだな。」「ん、なんだ、これは・・・」と、絶句の主任だ。
「自動装填の機銃弾装置を、戦車砲にも・・・・」「考えてはいるが、将来的な展望の段階なんだが・・・」
対空戦車の自動油圧装填装置の戦車砲への応用である。 考えてはいるが、機銃弾は軽い、戦車砲の砲弾は重いのだ。
「なかなか、今回のアンケートは骨があるヤツが多いぞ。」と、読んでいて楽しくなる主任技師の斎藤君である。
やっと、腹蔵なくアンケートに書いてくれる。 やはり、無記名は効果が大きいのである。
「よし、後方確認のサイドミラーは考えてみよう。 前方ヘッドライトの後ろにでもミラーは付きそうだな。」と、すでに考えている主任である。
こうして、陸軍の戦車は使える戦車へ進化するのである。
現場の声は、聴く価値はあるのだ。 まあ、文句は別なのだが・・・・
1
お気に入りに追加
97
あなたにおすすめの小説
小さなことから〜露出〜えみ〜
サイコロ
恋愛
私の露出…
毎日更新していこうと思います
よろしくおねがいします
感想等お待ちしております
取り入れて欲しい内容なども
書いてくださいね
よりみなさんにお近く
考えやすく
満州国馬賊討伐飛行隊
ゆみすけ
歴史・時代
満州国は、日本が作った対ソ連の干渉となる国であった。 未開の不毛の地であった。 無法の馬賊どもが闊歩する草原が広がる地だ。 そこに、農業開発開墾団が入植してくる。 とうぜん、馬賊と激しい勢力争いとなる。 馬賊は機動性を武器に、なかなか殲滅できなかった。 それで、入植者保護のため満州政府が宗主国である日本国へ馬賊討伐を要請したのである。 それに答えたのが馬賊専門の討伐飛行隊である。
16世紀のオデュッセイア
尾方佐羽
歴史・時代
【第12章を週1回程度更新します】世界の海が人と船で結ばれていく16世紀の遥かな旅の物語です。
12章では16世紀後半のヨーロッパが舞台になります。
※このお話は史実を参考にしたフィクションです。
不屈の葵
ヌマサン
歴史・時代
戦国乱世、不屈の魂が未来を掴む!
これは三河の弱小国主から天下人へ、不屈の精神で戦国を駆け抜けた男の壮大な物語。
幾多の戦乱を生き抜き、不屈の精神で三河の弱小国衆から天下統一を成し遂げた男、徳川家康。
本作は家康の幼少期から晩年までを壮大なスケールで描き、戦国時代の激動と一人の男の成長物語を鮮やかに描く。
家康の苦悩、決断、そして成功と失敗。様々な人間ドラマを通して、人生とは何かを問いかける。
今川義元、織田信長、羽柴秀吉、武田信玄――家康の波乱万丈な人生を彩る個性豊かな名将たちも続々と登場。
家康との関わりを通して、彼らの生き様も鮮やかに描かれる。
笑いあり、涙ありの壮大なスケールで描く、単なる英雄譚ではなく、一人の人間として苦悩し、成長していく家康の姿を描いた壮大な歴史小説。
戦国時代の風雲児たちの活躍、人間ドラマ、そして家康の不屈の精神が、読者を戦国時代に誘う。
愛、友情、そして裏切り…戦国時代に渦巻く人間ドラマにも要注目!
歴史ファン必読の感動と興奮が止まらない歴史小説『不屈の葵』
ぜひ、手に取って、戦国時代の熱き息吹を感じてください!
サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。
トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。
いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。
考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。
赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。
言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。
たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。
転生一九三六〜戦いたくない八人の若者たち〜
紫 和春
SF
二〇二〇年の現代から、一九三六年の世界に転生した八人の若者たち。彼らはスマートフォンでつながっている。
第二次世界大戦直前の緊張感が高まった世界で、彼ら彼女らはどのように歴史を改変していくのか。
大日本帝国、アラスカを購入して無双する
雨宮 徹
歴史・時代
1853年、ロシア帝国はクリミア戦争で敗戦し、財政難に悩んでいた。友好国アメリカにアラスカ購入を打診するも、失敗に終わる。1867年、すでに大日本帝国へと生まれ変わっていた日本がアラスカを購入すると金鉱や油田が発見されて……。
大日本帝国VS全世界、ここに開幕!
※架空の日本史・世界史です。
※分かりやすくするように、領土や登場人物など世界情勢を大きく変えています。
※ツッコミどころ満載ですが、ご勘弁を。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる