日本戦車を改造する。

ゆみすけ

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20ミリ対4連装7ミリ

戦闘機はアルミ金属だ。

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 「来たぞ。」と、今野少尉が叫んだ。 遠くにエンジン音が聞こえる。
「まだ、戦闘機は見えないな。」「いづれ、飛んでくるだろう。」
「いいか、対空戦車をなんとしても守り抜くのだ。」「おう。」
 でないと、いくら砂袋で防弾していても限界があるのだ。 そして、対空戦車しか戦闘機には機銃が命中しないのだ。
 戦車の主砲は上には向かない。 そして、同軸機銃(砲身と同じ軸の機銃)も無理。 砲塔に機銃はついてるが、真上は狙えない。 
対空戦車は、真上が狙えるのだ。 それも、4連装である。 そして、連日の模型飛行機を使った実戦に近い訓練である。 回収の馬賊の騎馬を増やしての努力なのである。

 「イワン司令、戦車隊から無線です。」と、副官が。
「そうか、やっとか、では戦闘機隊へ出撃指令だ。」「了解であります。」と、イワノビッチ副官は担当官へ。
担当官は、表へ走りサイレンを鳴らした。 
 それが、出撃合図である。
6機の戦闘機は、「ブル、ブル、ブル。」と、プロペラを廻しながら滑走を始める。
 ソ連軍の旧型戦闘機は胴体が太いのだ。 まあ、空冷のエンジンが大きいからである。 それで、前面の面積が大きいから速度が出ないのだ。(シベリア前線基地は旧型戦闘機が配備である。)
 しかし、このシベリア前線基地からだと、15分くらいで戦場の上である。 いくら、鈍足でも200キロから250キロは速度がでるのだ。 

 諸君は、ここで気が付いたと思う。 それは、ソ連軍の旧型戦闘機の速度が模型飛行機の速度とトントンであることを。
 そして、模型飛行機を使って機銃掃射の訓練を、我が陸軍は連日鍛錬していたのである。
そうなのだ、1両の対空戦車の恐ろしさを、ソ連軍の戦闘機隊は、その身で知ることとなるのだ。
 双方の戦車隊が会敵する、すこし前にソ連軍戦闘機隊は戦場の上へ到着した。
「いくぞ。」と、手で合図の隊長機だ。
 急降下の体制である。 しかし、急降下といっても制限速度があるのだ。 
制限速度とは、それ以上なら上昇できない速度のことだ。 地面へ激突である。
 尾翼の水平舵を引いて、上昇できる限界があるのだ。 それで、ある程度に斜めに降下するのだ。

 「きたぞ。」と、対空戦車の車長が叫んだ。
「任されよ。」と、機銃座の操作員が機銃座を廻す。
機銃の射撃員が角度を調整する。 ソ連軍戦闘機と対空戦車の機銃の角度が重なった。
 「てーーーーっ。」と、車長が合図だ。
「ダ、ダ、ダ、ダ。」「ダ、ダ、ダ、ダ。」「ダ、ダ、ダ、ダ。」と、4連装7ミリ機銃が1秒に1回の連射だ。
 つまり、1度に4発の7ミリ機銃弾が飛んでくるのだ。
突然に、風防へ穴だ。 頭を銃弾がかすめる。
 「う、うううう。」と、ソ連軍戦闘機隊の隊長は肝をつぶした。 やばい、やばいぞ。
と、思った瞬間には、7ミリ機銃弾が頭を貫いていた。 
 ソ連軍戦闘機はキリモミ状態で地面へ激突する。
一瞬のことだ。 戦場が一瞬にこわばる。 まさかの空気がソ連軍を覆う。
 我が陸軍は・・・対空戦車の威力に声も出ない・・・
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