日本戦車を改造する。

ゆみすけ

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6機の戦闘機。

6機VS1両

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 「なに、露スケが戦闘機を増やしただと・・」と、副官が・・・ ここは、日本陸軍の満州国派遣前線駐屯地である。 そこへ、雇ってる馬賊の連れが・・・ まあ、小遣いかせぎである。
「数は、どれだけと言ってるんだ。」と、通訳へ。
 馬賊は、指を3本立てる。 つまり、3機増えたのだ。
「ううむ、いつの間に。」と、歯ぎしりする副官だ。 馬賊は、庶務係から褒美をもらい、ホクホクして帰っていった。

 「招集だ。」と、副官が叫んだ。 前線駐屯地にサイレンが鳴る。
「なんだ、なんだ。」「どうしたのだ。」「これで、何度目だ。」「今日の休暇はパーだな。」と、ざわざわと隊員らが指揮所の前に集まった。
 やがて、本郷司令官がお立ち台に・・・副官が、「敬礼。」と、全員が敬礼して司令が答礼である。
「ウオッホン、あ~あ~っ。」「集まってもらったのは、他でもない。」と、定番の始まりだ。
「ソ連軍(司令は露スケとは言わないのだ。)が、3機の戦闘機を増やしたらしい。」「つまり、6機の戦闘機がソ連軍のシベリア基地にあるらしいのだ。」「そして、機銃も威力が以前よりは増していると予想される。」と、司令が続ける。
 隊員らは、複雑な顔だ。 つまり、強敵ソ連軍ということだ。
「おそらく、近日中にソ連軍は行動するであろう。」と、司令官だ。 まあ、当然の話だ。
「わが軍も、砂袋で戦闘機対策はあるのだが、本日から即応体制に切り替える。」 司令が手で副官へ合図だ。
 「敬礼。」と、副官だ。 やがて、司令は答礼して指揮所から・・・
「車長は対策会議だ、各員は待機だ。」と、副官が指示である。 「整備隊員は、戦車の点検だ。」と、副官が追加の指示だ。 いつでも、出撃できる体制がとられたのである。
 「6機の戦闘機だ、ということは。」「そうだよ、1両に1機となるのだ。」 全員が不安な顔だ。
「砂袋での走行試験はどうだ。」と、副官が主任技師へ。
「整地なら40キロ、悪路なら30キロがギリですね。」と、調査結果だ。
 
 「ふむ、それで砂袋の防弾効果は?」と、副官だ。
こんどは、今野少尉が、「3メートルの近接射撃でも抜けませんでした。」と、報告だ。
それは、対空戦車の4連装7ミリ機関銃での試験である。
 「そうか、4連装の7ミリで抜けないなら、露スケの戦闘機は1丁だ、たとえ20ミリのすごいヤツでもいけそうだな。」と、副官が・・・
「しかし、20ミリで、試してません。」と、今野少尉だ。
つまり、この駐屯地には20ミリ機銃が無いのだ。 それで、試験ができないのである。
「うむ、なんとも言えないが、無い袖は振れんからな。」と、苦しい言い訳の副官である。

 「それで、まだ追加の対空戦車は完成しないのですか。」と、今野少尉だ。
主任技師が、「まだ、機銃の調整が・・・しかし、相手が6機の戦闘機だ。」「なるべく早く仕上げるようにしょう。」と、主任が苦しい言い訳である。 
 つまり、2連装対空戦車を4連装へ改造中なのだ。 それが、完成すれば2両の対空戦車がそろうのだ。
つまり、3両が1小隊だ。 2小隊へ対空戦車が配備されるのである。 
「そうなれば、6機のソ連軍戦闘機なぞ。」と、主任が期待を込めるのである。

 ここは、満州国の戦車工場である。
「いいか、今日中に仕上げろ。」「なにが、なんでもだ。」と、工場主任が激をとばす。
工員は満州人と日本人の混合である。 つまり、日本の工員が満州人に附いて指導してるのだ。
「いいか、ここの溶接は、金具を2度に溶接するんだ。」と、日本の工員が。
「1度では、いけないアルカ。」「そうだ。」「なんでアルカ。」「いちいち、聞くな。」「怒るなアルカ。」
「もう、言ったとうりにしろアルカ。」「くそっ、アルカが移ったじゃないアルカ。」と、混乱する現場である。
  こうして、パットしない満州人の工員も鍛えられて、使えるヤツになるのだが・・・

 「偵察隊から、前線基地。」「こちら、前線基地だ。」「ヤツらが、越えた。」「発見されないうちに退避する。」「了解。」と、偵察隊から無線が入ったのだ。
日本陸軍派遣の満州国前線駐屯地にサイレンが響いた・・・・・・
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