日本戦車を改造する。

ゆみすけ

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ソ連軍戦闘機VS4連装対空戦車。

もう、逃がさないぞ。

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 「今野少尉。」と、主任が。「あ、あ、なんだ。」と、答える。
「4連装が完成したので、2連装と交換したいんだが。」「おう、待ってたよ。」 二人で、戦車庫へ向かう。
整備隊員が数人、点検している。 いつも、どこか点検の戦車である。
 「2連装の対空戦車は?」と、主任が整備員へ聞く。 「あ、あ、あれですか。」「じつは、エンジンオイルが漏れるんで、コルクを交換してるんですが。」と、整備隊員がいう。
エンジンの接合部は、分解点検するために、ボルトで止めてある。 その金属の間からエンジンオイルが漏れないようにコルクの薄い板がかましてあるのだ。 高温に耐える合成ゴムや樹脂が作れなかった頃は、コルクを薄く切って使っていたのだ。 しかし、コルクは長持ちはしない。 それで、オイル漏れが・・・

 「じゃあ、整備が終わったら2連装機銃を4連装へ乗せ換えるから。」と、主任がいう。
「わかりました、それで4連装は完成したんですか。」「あ、あ、表にあるぞ。」 それを聞いた整備の連中は、全員が・・・ まあ、見たいのは当然である。
「これか。」「マジ、4丁あるな。」「自動装填は真ん中にあるのか。」「ふむ、同時に4発の装填か。」「じゃあ、装填速度が・・・」「そうだな、秒間1発くらいかな。」と、なかなか整備員らは鋭い意見だ。
「しかし自動装填は、我が国独自の技術だぞ。」「給弾員が要らないからな。」「それで、銃座が2座なのか。」
「そうだな、機銃の方向操作と機銃手だな。」
 
 主任は、「君たち、解析はそれくらいに、いいか軍事機密だからな。」「ハイ、了解であります。」
「ふう、釘を刺しておかんと、万が一漏れでもしたら・・・」と、主任がこぼす。
「最近も満州馬賊が出入りしてますから、用心しないと。」と、主任だ。
そうなのだ、標的の模型飛行機の回収の馬賊らが増えたのだ。 なんせ、対空戦車の訓練をしないと、敵戦闘機に銃弾があたらないからだ。 敵戦闘機を狙うのではなく、その敵戦闘機の進む予測位置へ銃弾を撃ち込むのだ。 
 つまり、なんもない空を撃つのだ。 ところが、やはり敵を狙ってしまうのだ。 そこは、訓練しかできないことである。 机上では、なんともならないのである。 いままで、地上の敵戦車や敵の装甲車相手だったのだ。
 それで、模型飛行機に吹き流しをつけて、訓練しているのである。
もちろん、無線操縦は無理である。 それで、飛ばしっぱなしなのだ。 その飛行機は回収しないと、機銃の射撃の成績がわからない。 それで、回収するための馬賊を雇ってるのだ。

 その馬賊の仲間が、なかなかのソ連軍の情報を持ってきてくれたりするのだ。
馬賊は、どうやら露スケとはウマが合わないようである。 上から目線が酷いらしいのだ・
 黄色い馬と呼ばれるらしいのだ。 日本人が黄色い猿だから、ドイツコイドッコイだな。
それに、馬を徴収するんだが、馬の代金を踏み倒すらしい。 まあ、黄色い馬には、露スケは金は払わんだろう・・・
 とにかく、なんやかんやで、4連装対空戦車は実戦配備が完了したのだ。 1両しかないが・・・
2両めは、戦車工場で2連装を4連装へ改造しつつあるのである。

 

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