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8両の鹵獲戦車。
これでは、ソ連軍だな・・・
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4両の鹵獲戦車が増えた。 開発部へ、「まだソ連戦車は必要か。」と聞いたら。 「もう、十分だ。」との返事だった。 「隊長、これでは、まるでソ連軍の戦車隊ですな。」と、冷やかされた今野少尉だ。 「いや~ぁ、そうだな。」と、頭をかきかき悩む今野だ。 「しかし、せっかくロハで手に入ったのですぞ。」「戦車は落ちてないからな。」 確かに、落とし物ではない。 命のやり取りで、手に入れた戦利品である。 (ロシアの戦車博物館に、当時鹵獲された日本戦車が展示されている。それと同じだ。) 「とにかく、整備して日の丸を描いといてくれ。」「あ、あ、敵と間違えられるとかなわんからな。」 「それで、隊のマークは?」 「マーク?」 「え、え、本土じゃあ流行ってるらしいですよ。」「なんでも、かっこういい形の印だそうですよ。」「そうか、そうだな~」「確か、おまえは絵心があったよな。」「えっ!」「ここは、隊長としての指示だ。」 しまった、変なこといわなきゃあ・・・ もう、遅いのだ。 絵心のある、装填手の木田上等兵は・・・悩んだあげく、富士山に稲妻を描いて今野に見せる。 「おう、富士山か。」と、気に入った今野少尉だ。 やはり、日本人は富士山だな。 しかし、整備兵らが、「オレ達では、うまく描けない。」と・・・ 木田君は、4両のソ連戦車を日本軍へ編入させるべく奮闘するのであった。 ・・・・ そのころ、シベリア前線基地では・・・ ソ連軍の司令官が、「なんだと、また逃げ帰ってきたと・・」絶句だ。 これで、3回目である。 さすがに、ヒラの兵隊は粛清はしない。 なぜなら、戦いにいくヤツがいなくなるからだ。 弾避けはモンゴルの遊牧民で、いいんだが。 戦車の運転はロシア人でないとできないからだ。 モンゴル人は、馬にしか乗れないヤツらである。(言葉も通じない。) しかし、しかしだ。 「前任の司令官は更迭されたが、オレはモスクワへ戻るんだ。」と、窓の氷を見るボスコー司令官だ。 「イワ~ンを粛清するのは、カンタンだが・・」 変わりが居ないのだ。 なんせ、イワ~ンが粛清された隊長の代わりなのだからだ。 そう、カンタンに幹部の余分はいないのだ。 「イワ~ンを呼べ。」と、伝令に告げる。 しばらくして、ビクビクのイワ~ンが、「いきなりの攻撃で、ヤツらの、不意打ちに、なんとも。」と、言い訳の山だ。 それを、手で制して、「いいか、今回だけだ、1回目は、失敗もあるだろう。」「しかしだ、2回目は無いとおもえよ!」と、厳命である。 思わず、感激のイワ~ン少尉だ。 「ハイ、必ず黄色い猿共を殲滅いたします。」と、敬礼である。 答礼を受けて、司令部から隊舎へ帰ったイワ~ンだ。 そこには、逃げ帰った部下が・・・ 「いいか、お前たち、司令官は寛大なお方だ。」「それでは・・」「うむ、黄色い猿の卑怯な待ち伏せを司令は理解してくれたのだ。」「では・・」「うむ、戦車が補充されるまで、待機とのことだ。」 日本軍から命からがら逃げ出して、ビクビクの隊員らは司令を説得したイワ~ンへ感謝の嵐である。
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