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4センチ、プラス1センチ。
これは、正式採用だな。
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やがて、噴煙が晴れる。 「隊長は、隊長車は・・」 「あるぞ、無事だぞ。」 と、我が軍から歓声があがる。 「ヤツら、逃げてるぞ。」 みると、蒙古兵が、スタコラサッサと逃げている。 我さきというやつだ。 露スケは? はるか先を・・・ つまり、戦車が1両だけだ、と思ったが。 砲撃が違う方から多数あったので、逃げ出したのだ。 「まあ、予想外からの攻撃は露スケには効果大だな。」と、奇襲や夜襲が効果大なのと同じなようだ。 「ふう、さすがに今回は死ぬかとおもったよ。」と、マジな感想を述べる今野だ。 やっと、下士官(少尉)になれたのだ。 まだ、死にたくはないのだ。 「しかし、この増加装甲は、かなりの効果がありますね。」と、感心しきりの副官である。 (実際のところ、大東亜のフィリピン戦で、鹵獲した軽戦車のスチアートの増加装甲を、我がチハ中戦車に取りつけて、かなりの効果があったらしい) 「これは、開発部の技師連中に土産ができたぞ。」 と、喜ぶ今野少尉であった。・・・ ソ連軍、敗退の大戦果を掲げて凱旋した戦車隊だ。 そして、土産の、装甲車の装甲板を技師らに見せた。 「これが、装甲板か。」と、ボコボコの鉄板を見る。 「ふむ、厚さ1センチか。」 まあ、装甲車だ、そんなものだ。 「つまり、4センチに1センチ足したのだな。」 「それが、ヤツらの砲撃20発に耐えたのか。」「そうだ、一度試して見るか。」「そうだな、砲手の訓練もできるしな。」と、結論だ。 つまり、どれだけの砲撃に耐えられるかである。 それは、机上では判明しないのだ。 やはり、実験である。 「だいたい、距離は200だな。」 「そして、4センチと1センチの鋼板を重ねて置いたぞ。」 「うむ、動かないように固定したか。」 「あ、あ、大丈夫だ。」 「では、退避壕へ。」と、観察員は避難した。 そして、ソ連軍の鹵獲戦車で実験である。 砲弾は、余っていたソ連軍のヤツだ。 装填手が、砲弾を砲身へ放り込む。 そして、お尻を締める。 そして、砲身から退避して、砲手の肩を叩く。 それが、準備よしの合図だ。 すると、砲手は狙いが定まっていたら、引き金を引くのだ。 すると、砲撃音が轟いて砲身がバックするのだ。 砲身の、真後ろだと、衝撃で死んでしまうだろう。 少なくとも、肋骨がバラバラだ。 「おい、これは、見当する価値ありだぞ。」と、技師のひとりが言う。 装甲板だが、組み合わせで、かなりの耐砲撃効果に違いがあるようだ。 つまり、鋼板も成分やら、炭素の率で、違いがあるのだが、組み合わせでも違いがでるようだ。 いままでは、厚さで造っていた装甲だが、質の違う装甲を重ねることで、同じ厚さでも耐久に差がでるようだ。 複合装甲の考え方である。 とうとう、日本の技師は複合装甲の考えが浮かんだのだ。 「これは、色々試してみる価値は大だぞ。」と、技師連中は実験を重ねるのであった・・・・
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