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二回戦だ。
突撃あるのみ、だ。
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「突撃だ。」「進め、スロット全開だ。」と、叫ぶ隊長だ。 相手は、横1列のソ連戦車隊である。 ただ、並んでるわけではない。 こちらへ向かって砲撃を、「ドカ~ン。」としてくるのだ。 露スケも死にたくは無いからね。 日本軍は縦1列である。 それで、隊長の指揮戦車が先頭である。 つまり、ソ連軍の砲撃が集中するのである。 しかし、ここは隊長自らが突撃しなければならない。 でないと、誰もついてこないのだ。 自分は壕の中で安全であり、部下に壕を出て突撃といっても、銃弾飛び交う戦場へ飛び出す勇気なんかでないのだ。 そこは、やって見せねばならないのだ。 それが、上官としての務めである。 「しかし、オレも死にたくはないからな。」「できるだけ生きて、御国のためにつくさねばならん。」 それが、隊長の口癖だ。 つまり、死にたくない理由をつけるのだ。 それで、「ヤツは臆病だ。」を防いでいるのである。 「ひとりでも多くの露スケを血祭にあげねばならんのだ。」 と、結論つけるのだ。 まさに、正論である。 それで、「死んで、御国のために。」とは、この戦車隊では誰もいわないのだ。 普通、「死にたくない。」といえば、「この臆病者。」と揶揄されるが、正論で乗り切る戦車隊である。 まあ、機甲部隊は機械に詳しいヤツばかりだ。 つまり、工業科ばかりである。 脳筋の精神論の歩兵科ではないのだ。 しかし、ソ連軍に穴を開けるのは、突撃しかないのだ。 それで、苦肉の策となったのである。 そして、ソ連軍の砲撃は隊長戦車へ集中する。 「ガウン、ガウン、ガウン。」と、叩かれる釣り鐘の中にいるようだ。 無線用の耳当てのおがげで、耳に衝撃音が直にこないので、ありがたい。 なんせ、満州は極寒の地だ。 無線機の耳当ても毛皮でおおわれているのだ。 突然、静かになる。 そうなのだ、抜けたのだ。 ソ連戦車の列を寸断できたのである。 もちろん、当方も我慢していた訳ではない。 ここぞとばかりに正面のヤツの真ん中へ砲撃だ。 穴が開いて、数秒後に、「ドカ~ン。」と爆音とともに砲塔が空にあがったのだ。 思うはず、「タマヤ~。」と、花火の掛け声がでる。 そして、後ろの部下の戦車が、その横のヤツへ砲撃である。 近接戦闘だ。 前面装甲を抜く。 そして、「タマヤ~。」である。 爆発して、砲塔が高々と上空へ舞い上がるのだ。 あの、重い砲塔がである。 もちろん、爆風で露スケは粉々である。 ミンチである。 いや、ミンチどころか、粉である。 2両のソ連戦車を破壊して、日本軍はソ連戦車の列を抜けたのである。 増加装甲のおかげで、生き残った今野であった。 前回は夜襲での奇襲だ。 そして、今回は正攻法での突撃をかましての勝利である。 まさに、増加装甲様様である。 ・・・・日本側からは見えないのだが、ソ連戦車兵は・・・ 「なんで、抜けないんだ~っ。」「ヤツらの戦車は化け物か!」「いくら、撃っても跳ね返るだけだ。」と叫んでいたとか、いなかったとか・・・2両もヤラれて混乱するソ連戦車隊を置いてけぼりにして、戦場から離脱した日本軍戦車隊であった。 「よし、この調子で6門の対戦車砲をヤルぞ。」と、今野隊長は激を飛ばした。 日本軍は乗っているのだ。 上がり調子なのだ。 ここは、行くしか無いのだ。 「我に続け~。」と叫ぶ今野へ、「おうーっ。」と返す部下連である。
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