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対戦車砲の使い方。
ヤツらは、どう使うか。
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「ふむ、対戦車砲が6門か。」と、隊長は腕を組む。 「どうしたんですか?」 と、車長が聞いた。 「うむ、ヤツら、戦車より砲が多いと思ってな。」 つまり、対戦車砲はトラックで曳く武器なのだ。 馬で曳いてもいいんだが、それなりの口径のヤツは重いから無理だ。 なんせ、6トンから8トンあるんだから。 大砲とは、重たいモノなのだ。 日本軍は機関銃でも3人で運んだのだ。 それも、本体だけでだ。 あと、指揮官と弾運びで計5人である。 それが、大砲となると更に人員が必要である。 それも、砲手という専門の兵が数人必要なのだ。 「つまり、歩兵はそんなに多くないと。」「そうだ、ヤツらは、この前の仕返しだろうな。」と、隊長は判断したのだ。 なんせ、敗走したのだ。 予想もしなかった夜襲に、あわてて混乱すれば逃げるしかできない。 「つまり、待ち伏せですか。」「オレは、そう踏んでいる。」「ヤツらの隠れる技は中々のモノだ、覚えていないとヤラれるぞ。」と、注意喚起だ。 「戦車はオトリだろう、ヤツらを追ってからが、危ないと思うんだ。」「必ず、待ち伏せ地点へ誘導すると。」 「つまり、敗走を追えば、そこのワナがあると・・」「そうだ。」「では、今回は。」「うむ、対戦車砲は水平撃ちだろう。」「ですね。」「だから、隠れるところがある場所に対戦車砲が隠してあるはずだ。」 「そうですね、草原では、隠せないですから。」「それで、河のココいら辺が岩場と林があったろう。」「う~ん、そうだったですか。」「おまえ、ちゃんと下見が足らんぞ。」「すいません。」「まあ、生き残ればいいんだ。」「ヤツらの河を渡った地点がここだ。」「ハァ。」「それで、作戦は2つある。」「それで、露スケの出方で替えるから無線を聞き逃すなよ。」「了解です。」 「では、搭乗だ。」「ハイ。」 各戦車兵らは、己の戦車へ・・・ 「前進。」の命令一下、日本軍は無限軌道の音も高らかに前進だ。 ゴジラマーチが高らかに鳴るところである。・・・ そのころ、ソ連軍は。「いいか、ここと、ここだ、そしてお前らはここだ。」 なんやら指示である。 そして、ソ連軍の新たな指揮官であるスハルトビッチが、確認する。「おい、お前ら枝が動いたぞ。」「絶対に悟られるなよ。」「ここで、ヤツらは全滅だ。」と、高笑いである。 どうやら、今野隊長の読みは当たったようだ。 しかし、うまく隠れたモノである。 対戦車砲は、それなりの大きさがあるのだ。 それが、全くわからないのである。 さすが、というか、うまいというか・・・ まるで、ベトコン並みの隠匿術である。 (ベトコンへゲリラ戦を教えたのは、帝国陸軍の日本兵だが。) まあ、ソ連軍も死にたくはない、それで必死に隠匿するのである。 そこは、どこの軍隊も同じであろう。 「日本軍は、この前の戦闘で調子に乗ってるから、この誘いに乗り全滅だ。」と確信するスハルトビッチだった。
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