日本戦車を改造する。

ゆみすけ

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ソ連の再度の侵攻。

また、露スケが来やがったか。

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 「どうも、ソ連陣地が動きがあるようだ。」との偵察隊の報告である。 「5両のソ連戦車を確認しております。」「うむ、ごくろう。」 司令の答礼で下がる偵察隊だ。 司令部テントを出てきた偵察隊々長へ、「ヤツら、また5両ですか。」と聞いた。 「あ、あ、蒙古兵のスパイからの話では、鉄道の都合らしいぞ。」 「そうですか、戦車は重いですからね。」 「まあ、敵さんも、ドイツに対処せねばならんから、そう極東へは運べんだろう。」と、偵察隊々長の弁だ。 「では、こちらも5両ですから、互角ですかね。」 「そうだな、もう夜襲は敵も用心するだろうから、次はどうするかだ。」と、腕を組んで思案の今野隊長である。 「まあ、敵が出てくるまで、ソ連からの鹵獲戦車相手に訓練しかないな。」と、激を飛ばす今野であった。・・・「ところで、その蒙古兵のスパイは信用はできるのか?」と、司令が。「え、え、まあそれはなんとも。」「しかし、弾避けがイヤで反抗する気になったとか。」「そうか、少しは話ができそうだな。」「そうですね、しかし弾避けですから、様子くらいしか聞けませんがね。」と、偵察隊の蒙古兵のつなぎ役が言う。 蒙古兵は小柄な馬を使う。 まあ、ポニーである。 それでは、ロシア兵(でかいヤツが多い。)は重すぎる。 それで、弾避けしか蒙古兵は使えないのだ。 弾避けの若い者をソ連が強制徴用するから、蒙古族に不満が・・らしい。 部族は年寄りとガキばかりが、残ったとか。 しかし、ソ連の戦車には勝てない蒙古族である。 従うしか生きる道がないのだろう。 「日本は、そうなりたくないな。」と、今野がつぶやく。 「ここで、ソ連を食い止めなければ。」と、思う今野である。 日本軍の露営地には、戦車5両、そして軽戦車が1両、あとはトラックなどが数台だけだ。 「これが、日本防衛の最前線か。」と、これでは少なすぎる。 「まだ、満州の工場では戦車生産ができないんですか。」と、露営地の技師へ今野が聞くが、「うむ、しかし急げば、いい戦車はできんぞ。」と、技師がいう。 「それは、わかるんですが、ソ連は待ってはくれませんからね。」と、繰り返す今野だった。 ・・・「無線機は輸入する目処がたったんだな。」 「え、え、なんとか。」「では、あとはエンジンだけだ。」 「海軍から長砲身は届いてるか?」 「今のところ、10本はあります。」 「なら、統制エンジン部品がそろえば、10両は造れる。」 「うむ、満州製の戦車が完成は近いぞ。」 「前線野営地に、なんとか届けるぞ。」と、製造ラインは活気づいてきたのである。 戦闘型が15両ともなれば、戦車中隊である。 いままでは、小隊だったのだ。 中隊としての作戦行動ができるのだ。 30両あれば、大隊だ。 90両で師団だ。 夢の戦車師団が・・・ いずれは、旅団も・・ 夢は膨らむのである。 
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