日本戦車を改造する。

ゆみすけ

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偵察からの追加が・・・

5両だけではなかった。

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 さて、「ここが、例の場所か。」と今野隊長だ。 
「うむ、隠れることは、できそうだな。」と、あたりを見廻す。 
そこへ無線機の声が・・・ 「こちら偵察だ、今野隊どうぞ。」 「こちら・・」 と繰り返す。 
かなり、あわてているようだ。 
「ん、こちら今野だ。」「偵察隊どうぞ。」 
「ヤツらは、歩兵や装甲部隊も・・かなり、いるぞ。」「5両だけではないのか?」 
「うむ、そうだ、気になって様子をみてたら後続がやってきたようだ。」
「詳しい数が、わかれば送る。」「了解した。」 無線が切れた。 「・・・・・」 隊長を見る、11人の眼がである。 
いったん、出直すか・・・とも思ったが、3両しかない戦闘型だ。 追加生産は、数ヶ月かかる。 
露スケは待ってはくれない。 「
隊長、歩兵がいるとなると、ヤツらは占領地を造るつもりでは?」
「そうだな、占領には歩兵がいるからな。」 
「この状況は司令部も把握してるだろう。」「そうですね。」
「なら、待ちという判断もできるが。」「なら。」「いいや、ここは殲滅だ。」「えっ。」
「戦車が満州平原では王者だと、司令部にわからせるためにもだ。」
「我らが、ヤツらを殲滅するば、戦車の効用が本土幹部にも知れるだろう。」 「ハア。」
「しかし、単なる待ち伏せ攻撃では、殲滅は無理だ。」と隊長だ。 
納得の部下である。 ここは一時、撤退か・・・ 
しかし、「夜襲しかない。」と隊長が・・
 露スケは、夜目がオレ達より効かないらしい、そこを突くんだ。」 
相手が多勢にぶせいのとき、日本軍は夜襲を賭ける。 そう、賭けるのだ。 
元寇で、沖の蒙古軍船へ小舟で夜襲を懸けて、蒙古はフネを固めた。 そこへ、台風だ。 
2度目の元寇のときだ。 フネで熟睡していた蒙古兵は、闇夜に切り込む鎌倉武士でパニックだったとか・・・
そう、夜襲は蒙古軍が想定外だったのだ。 
 日本軍は夜襲はオハコなのだ。 
なんせ、幼年兵のときから夜襲訓練はあるからだ。 
それも、突然である。 事前連絡なぞ無い。 
まあ、先輩が、そろそろありそうだというと大抵、夜襲訓練が・・ 
偵察からソ連軍の野営位置は報告があった。
 どうやら、待ち伏せする場所の手前のようだ。 
「なら、このコースで夜襲を懸けるぞ。」と、図面を示す今野だ。 
「オレが真ん中だ、2号は右端、3号は左だ。」 「周りは、全員がソ連だ、遠慮なく銃弾を叩き込め。」 
「おう。」と全員で気勢をあげる。 
「隊長、なんやら雲行きが・・」 「うむ、これは好機だ。」 
「嵐でもくれば最高だぞ。」「戦車の音を消してくれるからな。」 
「全員、風防メガネを忘れるな。」「了解です。」 
つまり、嵐なら雨が酷い、眼が雨で見えにくいのだ。 
それで、ゴーグルを忘れるなということだ。 
「20時に出撃とする。」「それまで、休んでおけ。」見張りを残して横になる。
 風が湿ってくる。 どうやら、悪天候になりそうだ。
 戦車は悪路を走破しなければならない。 それで、防水は十分に対処してある。 
本土には、排気筒と吸気筒をつけて河を渡る装置もあるらしいが・・・まあ、休憩だな・・・
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