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砲身のサスペンションだ。
前線からの声。
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「これが、砲手らからの要望ですか。」と、技師がレポートを観る。
満州で越境したソ連兵との撃ち合いをした砲手からのアンケートだ。
陸軍は、前線の兵らへのアンケートを欠かさないのだ。(これは、ラノベだ。)
陸軍大将である、石原カンジの意向らしいが。
机の上で戦争はできない、というのが信条らしい。
だから、軍令部を嫌って創らなかったのだ。 そこが、海軍との差である。
「ソ連兵は待ち伏せが得意らしいな。」 「え、え、越境して、地面にタコツボを掘り、そこから狙撃するらしいです。」
「確かに、これでは・・」 「え、え、それで野砲ですが、運んでる途中を狙われるとか。」
「あわてて、砲を向けるんですが、時すでのお寿司らしいです。」
「やはり、戦車しかないな。」 「そして、前線からは、停止して即、撃てるようにとの声が。」
「しかし、車台が安定するまで、10秒はかかるぞ。」 「とても待てないそうです。」
「うむ。」 「なら、停止までに、狙いをさだめて、停止即砲撃しかないな。」
「急ブレーキでも、安定して狙えて撃てないと。」 「なら、砲身安定装置しかない。」
「しかし、あれは研究段階だぞ。」 「満州で完成させよう。」
こうして、研究段階の砲身安定装置が3両の戦闘用戦車に取り付けられたのだ。
もちろん、試作で、3両とも違う装置である。 ある意味、モルモットである。
「何を、悩んでる。」と今野少尉が隊員へ。
「いやあ、隊長、このレポートですが文才が無いもので・・」
「なんとか、簡単なヤツになりませんかね。」 と、つまり簡単にしてくれと・・・
見ると、砲撃や無限軌道の減り具合や、燃費まで細かい書き込むが・・・
「まあ、そう言うなよ、確か要望は聞いてくれるとか・・・」
「本当ですか。」と、隊員が迫る。
イチ兵卒の言葉なぞ、聞いてくれるとは思っていない隊員らである。
「なんでも、石原大将が前線の兵卒の言を、おろそかにすべからずとのことだとか。」と今野少尉だ。
「なら、まじめに描くことにするか。」と隊員らである。
技師は前線で戦うことはない。 それで、前線での経験がない。
前線の経験がレポートで手に取るようにわかるのは、非常に役立ったのだ。
例えば、「砲撃のたびに戻る砲身に、砲身が動く範囲にカバーが欲しい。」とか、「照準器の接眼部に眼が当たると痛いので、ゴム製の保護カバーが欲しい。」などである。
それらの装備により、砲撃の間隔時間が短くなったのだ。
いままで、1分で1発が2分で3発撃てるのだ。 5割時間短縮なのだ。
これは、大きいのである。 さらに訓練で1分、1発にするべく改良が加えられたのである。
動いてる敵に向かって進み、停止して照準を決めて、撃つまでの時間である。
ソ連が3両以上の戦車を出して来たら、こちらは速射しか対処できないからだ。
「なんとか、ソ連の戦車がでてくるまでに、1分2発にしたいが。」 が、今野の目標であったのだ。
それには戦車乗員4名の、息のあった訓練しか無い・・・
満州で越境したソ連兵との撃ち合いをした砲手からのアンケートだ。
陸軍は、前線の兵らへのアンケートを欠かさないのだ。(これは、ラノベだ。)
陸軍大将である、石原カンジの意向らしいが。
机の上で戦争はできない、というのが信条らしい。
だから、軍令部を嫌って創らなかったのだ。 そこが、海軍との差である。
「ソ連兵は待ち伏せが得意らしいな。」 「え、え、越境して、地面にタコツボを掘り、そこから狙撃するらしいです。」
「確かに、これでは・・」 「え、え、それで野砲ですが、運んでる途中を狙われるとか。」
「あわてて、砲を向けるんですが、時すでのお寿司らしいです。」
「やはり、戦車しかないな。」 「そして、前線からは、停止して即、撃てるようにとの声が。」
「しかし、車台が安定するまで、10秒はかかるぞ。」 「とても待てないそうです。」
「うむ。」 「なら、停止までに、狙いをさだめて、停止即砲撃しかないな。」
「急ブレーキでも、安定して狙えて撃てないと。」 「なら、砲身安定装置しかない。」
「しかし、あれは研究段階だぞ。」 「満州で完成させよう。」
こうして、研究段階の砲身安定装置が3両の戦闘用戦車に取り付けられたのだ。
もちろん、試作で、3両とも違う装置である。 ある意味、モルモットである。
「何を、悩んでる。」と今野少尉が隊員へ。
「いやあ、隊長、このレポートですが文才が無いもので・・」
「なんとか、簡単なヤツになりませんかね。」 と、つまり簡単にしてくれと・・・
見ると、砲撃や無限軌道の減り具合や、燃費まで細かい書き込むが・・・
「まあ、そう言うなよ、確か要望は聞いてくれるとか・・・」
「本当ですか。」と、隊員が迫る。
イチ兵卒の言葉なぞ、聞いてくれるとは思っていない隊員らである。
「なんでも、石原大将が前線の兵卒の言を、おろそかにすべからずとのことだとか。」と今野少尉だ。
「なら、まじめに描くことにするか。」と隊員らである。
技師は前線で戦うことはない。 それで、前線での経験がない。
前線の経験がレポートで手に取るようにわかるのは、非常に役立ったのだ。
例えば、「砲撃のたびに戻る砲身に、砲身が動く範囲にカバーが欲しい。」とか、「照準器の接眼部に眼が当たると痛いので、ゴム製の保護カバーが欲しい。」などである。
それらの装備により、砲撃の間隔時間が短くなったのだ。
いままで、1分で1発が2分で3発撃てるのだ。 5割時間短縮なのだ。
これは、大きいのである。 さらに訓練で1分、1発にするべく改良が加えられたのである。
動いてる敵に向かって進み、停止して照準を決めて、撃つまでの時間である。
ソ連が3両以上の戦車を出して来たら、こちらは速射しか対処できないからだ。
「なんとか、ソ連の戦車がでてくるまでに、1分2発にしたいが。」 が、今野の目標であったのだ。
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