16 / 393
潜望鏡が・・・
まるで、地上の潜水艦だ。
しおりを挟む
潜望鏡は潜水艦だけでない。
戦車は、現在はテレビカメラも発達して外部をまんべんなく見られるが。
当時は視界は最悪で、潜望鏡を通して進む潜水艦と同じであった。
砲塔に潜望鏡を仕込んで、そこから車長が見る。
そして、操縦手は、細いスリットごしに見える風景をカンを頼りに動かしていたのである。
それで、火炎瓶や爆薬を隠し持った歩兵に、視界が無い後部などから攻撃を受けたりしたのである。
それは、あのドイツのティーガーも同様で、操縦手は、分厚いスリットの隙間から、前方視界を得ていたのだ。
だから、戦闘以外の行軍などは、操縦席から頭をだして運転している。
それは、現在の陸上自衛隊も同様である。
ある意味、戦車は地上の潜水艦なのである。 まあ、ソナーは戦車には無いが。
それで、細かい走行の指示は砲塔の車長から受けるのである。
砲塔は視界が高く、ハッチから顔を出せば、四方が把握できるのである。
注意することは、敵の狙撃である。 いくら鉄カブトでも、機銃弾は抜けてしまうのだ。
なぜなら、鉄カブトなぞ、厚さが数ミリだ。
せいぜい、歩兵のライフルなら防げるが、口径や威力がある機関銃、対戦車ライフルからは頭部は守れない。
しかし、ドイツ戦車乗りの雄、オットー・カリウスいわく、必ず裸眼で確かめよ!との戦訓があるのだ。
四方の観察が生き残るには大切ということだ。
ソ連軍は、戦車砲や狙撃兵を隠すのがうまいからである。
それで、カリウス氏は必ず事前に下見をかかさなかったのだ。
「おや?」と思う風景、つまり下見と違うと思うと、伏兵が隠れていたりするからだ。
そして、戦車の履帯も万能ではない。 無理をすると、「ブチン。」と切れてしまうからだ。
履帯は現場で修理できるが、戦闘中では無理である。
それに、履帯の修理は訓練が必要だ。 タイヤ交換ではないからだ。
今野少尉は部下の車長へ戦車用の潜望鏡を配る。
「銃撃されたら、ガラスが割れるから、予備も忘れないように。」と、数個渡す。
部下が、「こんな、狭いガラスに銃撃なんてありですか。」と聞く。
「ソ連兵は狙撃兵を必ず隠しておくらしい、それに戦車は動作が遅いから、狙われやすい。」
「砲塔内に予備の潜望鏡を入れるところがあるから。」と、渡す。
「潜望鏡はガラスにカビが生えるから、点検をわすれるなよ。」と追加である。
カメラのレンズと同じである。 そのままに締まっておくと、忘れたころにカビが生えて、視界が悪くなるのだ。 そうなると、カビを取るのが大変である。
カメラのレンズなどはゴミに成り果てるのだ。(カビ取りは、ウンマン掛かるのだ。)
「そうだ、装填手の訓練は進んでるか。」と今野が聞いた。
「砲弾は重さが10キロ以上あるからな。」「実際の砲塔内での訓練だし、撃つたびに砲身がバックするからな。」 「え、え、砲手は装填手が合図しないと撃たないことになってますが。」 「1分で何発できそうだ?」
「えっ。」と詰まる車長らだ。
つまり、1分では1発も撃てない・・・ 数分かかるようでは、ソ連にヤラれてしまう。
「でも、戦車が停止してから撃ちます、それで停止して安定するまで時間が・・」と、戦車の所為と・・・やはり、砲身のスタビライザーは必要だな・・・ まだ、試作なのだが・・・ そのころ、である。 整備ができたシベリア鉄道を幌をかぶせた無蓋貨車が・・・・・
戦車は、現在はテレビカメラも発達して外部をまんべんなく見られるが。
当時は視界は最悪で、潜望鏡を通して進む潜水艦と同じであった。
砲塔に潜望鏡を仕込んで、そこから車長が見る。
そして、操縦手は、細いスリットごしに見える風景をカンを頼りに動かしていたのである。
それで、火炎瓶や爆薬を隠し持った歩兵に、視界が無い後部などから攻撃を受けたりしたのである。
それは、あのドイツのティーガーも同様で、操縦手は、分厚いスリットの隙間から、前方視界を得ていたのだ。
だから、戦闘以外の行軍などは、操縦席から頭をだして運転している。
それは、現在の陸上自衛隊も同様である。
ある意味、戦車は地上の潜水艦なのである。 まあ、ソナーは戦車には無いが。
それで、細かい走行の指示は砲塔の車長から受けるのである。
砲塔は視界が高く、ハッチから顔を出せば、四方が把握できるのである。
注意することは、敵の狙撃である。 いくら鉄カブトでも、機銃弾は抜けてしまうのだ。
なぜなら、鉄カブトなぞ、厚さが数ミリだ。
せいぜい、歩兵のライフルなら防げるが、口径や威力がある機関銃、対戦車ライフルからは頭部は守れない。
しかし、ドイツ戦車乗りの雄、オットー・カリウスいわく、必ず裸眼で確かめよ!との戦訓があるのだ。
四方の観察が生き残るには大切ということだ。
ソ連軍は、戦車砲や狙撃兵を隠すのがうまいからである。
それで、カリウス氏は必ず事前に下見をかかさなかったのだ。
「おや?」と思う風景、つまり下見と違うと思うと、伏兵が隠れていたりするからだ。
そして、戦車の履帯も万能ではない。 無理をすると、「ブチン。」と切れてしまうからだ。
履帯は現場で修理できるが、戦闘中では無理である。
それに、履帯の修理は訓練が必要だ。 タイヤ交換ではないからだ。
今野少尉は部下の車長へ戦車用の潜望鏡を配る。
「銃撃されたら、ガラスが割れるから、予備も忘れないように。」と、数個渡す。
部下が、「こんな、狭いガラスに銃撃なんてありですか。」と聞く。
「ソ連兵は狙撃兵を必ず隠しておくらしい、それに戦車は動作が遅いから、狙われやすい。」
「砲塔内に予備の潜望鏡を入れるところがあるから。」と、渡す。
「潜望鏡はガラスにカビが生えるから、点検をわすれるなよ。」と追加である。
カメラのレンズと同じである。 そのままに締まっておくと、忘れたころにカビが生えて、視界が悪くなるのだ。 そうなると、カビを取るのが大変である。
カメラのレンズなどはゴミに成り果てるのだ。(カビ取りは、ウンマン掛かるのだ。)
「そうだ、装填手の訓練は進んでるか。」と今野が聞いた。
「砲弾は重さが10キロ以上あるからな。」「実際の砲塔内での訓練だし、撃つたびに砲身がバックするからな。」 「え、え、砲手は装填手が合図しないと撃たないことになってますが。」 「1分で何発できそうだ?」
「えっ。」と詰まる車長らだ。
つまり、1分では1発も撃てない・・・ 数分かかるようでは、ソ連にヤラれてしまう。
「でも、戦車が停止してから撃ちます、それで停止して安定するまで時間が・・」と、戦車の所為と・・・やはり、砲身のスタビライザーは必要だな・・・ まだ、試作なのだが・・・ そのころ、である。 整備ができたシベリア鉄道を幌をかぶせた無蓋貨車が・・・・・
1
お気に入りに追加
97
あなたにおすすめの小説
小さなことから〜露出〜えみ〜
サイコロ
恋愛
私の露出…
毎日更新していこうと思います
よろしくおねがいします
感想等お待ちしております
取り入れて欲しい内容なども
書いてくださいね
よりみなさんにお近く
考えやすく
満州国馬賊討伐飛行隊
ゆみすけ
歴史・時代
満州国は、日本が作った対ソ連の干渉となる国であった。 未開の不毛の地であった。 無法の馬賊どもが闊歩する草原が広がる地だ。 そこに、農業開発開墾団が入植してくる。 とうぜん、馬賊と激しい勢力争いとなる。 馬賊は機動性を武器に、なかなか殲滅できなかった。 それで、入植者保護のため満州政府が宗主国である日本国へ馬賊討伐を要請したのである。 それに答えたのが馬賊専門の討伐飛行隊である。
16世紀のオデュッセイア
尾方佐羽
歴史・時代
【第12章を週1回程度更新します】世界の海が人と船で結ばれていく16世紀の遥かな旅の物語です。
12章では16世紀後半のヨーロッパが舞台になります。
※このお話は史実を参考にしたフィクションです。
不屈の葵
ヌマサン
歴史・時代
戦国乱世、不屈の魂が未来を掴む!
これは三河の弱小国主から天下人へ、不屈の精神で戦国を駆け抜けた男の壮大な物語。
幾多の戦乱を生き抜き、不屈の精神で三河の弱小国衆から天下統一を成し遂げた男、徳川家康。
本作は家康の幼少期から晩年までを壮大なスケールで描き、戦国時代の激動と一人の男の成長物語を鮮やかに描く。
家康の苦悩、決断、そして成功と失敗。様々な人間ドラマを通して、人生とは何かを問いかける。
今川義元、織田信長、羽柴秀吉、武田信玄――家康の波乱万丈な人生を彩る個性豊かな名将たちも続々と登場。
家康との関わりを通して、彼らの生き様も鮮やかに描かれる。
笑いあり、涙ありの壮大なスケールで描く、単なる英雄譚ではなく、一人の人間として苦悩し、成長していく家康の姿を描いた壮大な歴史小説。
戦国時代の風雲児たちの活躍、人間ドラマ、そして家康の不屈の精神が、読者を戦国時代に誘う。
愛、友情、そして裏切り…戦国時代に渦巻く人間ドラマにも要注目!
歴史ファン必読の感動と興奮が止まらない歴史小説『不屈の葵』
ぜひ、手に取って、戦国時代の熱き息吹を感じてください!
転生一九三六〜戦いたくない八人の若者たち〜
紫 和春
SF
二〇二〇年の現代から、一九三六年の世界に転生した八人の若者たち。彼らはスマートフォンでつながっている。
第二次世界大戦直前の緊張感が高まった世界で、彼ら彼女らはどのように歴史を改変していくのか。
サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。
トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。
いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。
考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。
赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。
言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。
たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。
大日本帝国、アラスカを購入して無双する
雨宮 徹
歴史・時代
1853年、ロシア帝国はクリミア戦争で敗戦し、財政難に悩んでいた。友好国アメリカにアラスカ購入を打診するも、失敗に終わる。1867年、すでに大日本帝国へと生まれ変わっていた日本がアラスカを購入すると金鉱や油田が発見されて……。
大日本帝国VS全世界、ここに開幕!
※架空の日本史・世界史です。
※分かりやすくするように、領土や登場人物など世界情勢を大きく変えています。
※ツッコミどころ満載ですが、ご勘弁を。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる