日本戦車を改造する。

ゆみすけ

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厚さ5センチの板。

戦車砲を作る。

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 「さすがに、ひとりでは無理だな。」と、5センチの厚さの鋼鉄版を眺める技師だ。 
「これを、あそこまで運んで備えるんだ。」 数人が台車に板を積んで、「ガラ、ガラ、ガラ。」と運ぶ。 
「木枠では重すぎてダメだ。」 「でも、どうするんだ。」
「仕方がな。」と、U字鋼を支えに、つい建てたのである。 
「では、砲撃してください。」 「うむ。」と陸軍の砲兵は砲身の後ろから的の板をのぞいた。 
「なるほど、あれなら当たるな。」と納得の技師らである。 
砲の紐を引く。 紐が撃鉄なのだ。 
「ドウンン。」と、砲が衝撃で後退する。 
「ガシャン。」と音が・・板が、そのまま地面にめり込んだ。 
U字鋼では、支えにならないのだ。 
「なんか、いい方法はないかね。」と技師が砲手に聞く。 
「なら、土嚢を積んで、そこに立てかけるのは。」と答える。 
餅は餅屋である。 陸軍の現場の砲手の話は戦車砲の開発に、とても参考になったのである。 
特に、参考が排障器である。 砲が砲弾を撃ったときの衝撃を緩和するバネである。 
これが、戦車砲の外部にでていると、敵の攻撃で壊れると撃てなくなるのである。 
戦車で敵の攻撃を一番受けるのが砲身の付け根である。 そこが、弱いとダメなのだ。 
どこの国の戦車も、そこが一番装甲が厚いのである。 
ドイツのティーガー戦車は10センチ以上だったかな・・・ 
そして、砲身の主な部分は砲塔内のおさめるべく、大きな砲塔となったのだ。 
それで、おのずと全体の大きさも決まってくるのだ。 
「これなら、30トンに重量を押さえられそうだな。」 
「うむ、あまり重いと動かないからな。」と、エンジン馬力を気にする技師らであった。 
「ところで、転輪の緩衝装置は?」 つまり、車輪のサスペンションである。 
これは、複雑だと敵の攻撃で壊れる弱点となる。 
なるたけ簡単で効果的なサスペンションがいいのである。 
「なら、板バネしかないだろう。」 「そうだな、スプリングは耐久がないし。」 
「板バネとなると、鋼鉄のねばりが難しいぞ。」 
そうなのだ。 鋼鉄は鉄に炭素を微量とニッケルやクロムを混ぜたモノである。 
炭素の量で硬いが脆くもなるのだ。 
「ここは、日本刀の刀工に聞くしかないだろう。」「まあ、ハガネなら、そうなるな。」 
そして、岐阜の関の刀鍛冶から、板バネにあった分量を教えてもらうのである。 
そして、ステンレス鋼の板バネとなったのだ。 
なせか? それは、錆難いからだ。 ステンレスも環境によってはサビるのだ。 
そして、さすがに満州の製鉄所では、無理なのだ。 
そこは、日本製が・・・ こうして、数両の戦車が組み立てられていったのだ。 
まあ、3両だが。 戦車は1両では、運用はできない。 
そこは、組を作ると無双になるのである。 これは、現在の陸上自衛隊もそうなのである。 
偵察以外は、必ず組で行動するのだ。 
それが、戦車運用の要(カナメ)でもあるのである。 
あの、戦車戦の神様である、グーデリアンが言ってるのである。
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