日本戦車を改造する。

ゆみすけ

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エンジンは、どうする?

造れないエンジン。

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 「で、エンジンはどうすんだ?」 「ここでは、まだ造れないぞ。」と、技師のひとりがいう。 
それは、そのとうりである。
 車台の枠や鋼板は作ることができるが、エンジンは・・・ 「キャブレターなんか無理だぞ。」 と付け加える。 キャブレターは空気をガソリンを混合する装置である。 
なお、デーゼルはキャブレターは使わない。 ガソリンエンジン用である。 
デーゼルは燃料噴射ポンプという、さらに精密なヤツが必要なのだ。 
なお、満州国へ持ってきたヤツは、ガソリンエンジンである。 
ガソリンエンジンが整備やらでデーゼルより簡単だからである。 
デーゼルエンジンは小型化が難しかったのである。 
船舶用の焼玉エンジンはデカイから無理である。 
なんせ、この戦車は輸送船のクレーンの重さ制限がギリだったのだ。 
それでも、16トンしかないのだ。 
ちなみに、砲塔はバラして運んできたのだ。 
そして、満州の工場で穴のあいた砲塔にはめ込んだ。 
大砲には、近代の大砲は砲撃のショックを吸収する装置がついている。
 そう、撃つと砲塔がバックするヤツだ。 それが、砲塔の外に丸出しだった。 
「これは、ここに敵の弾が当たると、砲身が壊れるぞ。」と、満州側の日本人技師がいうが・・ 「なんとも、できないからだ。」と、本土からの技師が答弁する。 
なぜなら、本来、砲塔内に入れるべき装置だが、砲塔が小さいから、入らないのだ。 
そして、砲塔はガゴ型ではない。 床と砲塔が一体でないのだ。 
つまり、砲塔の動きに合わせて、内部の兵が動かなければならない。 
そして、砲塔はレバーがあって手動で動かすのだ。 
それでも、シナ大陸では、1両しかない戦車である。 
もちろん、ソ連を除いてだ。 「で、露スケ(ソ連)の戦車の情報は?」 と本土からの技師だ。 
「うむ、なかなか入らないんだ。」 と満州側。 
「いきなり、これでかよ。」と、戦車を指して本土の技師。 
「そうなるな、前線の兵は・・・」 と言葉を濁す。 
「しかし、まったくないよりは、ようは使い方だ。」と、本土の技師が慰める。 
用兵を誤り、敗残した話は多々あるのだ。 
1万で10万の兵に勝利した例もあるのだ。 
どこの国の軍隊も、前線へはトボトボ歩くのだ。 例外は皇軍くらいである。 
皇軍とは日本軍のことである。 
まだ、騎馬が幅を利かせていた時代である。 自家用車なぞ、大陸は走っていないのだ。 
舗装された道路が無いし、都市は道が狭く、道路というより、歩道である。
だから、自動車なら悪路に強くないと走れない。 
そして、満州平原だ。 地平線が見えるのだ。 
本土では考えれられない。 雄大な大地があるのである。 
人家なぞ、まったく無い。 水が手に入んないからだ。 
数キロまでなら、手桶や瓶で運べるが・・・ 
「じゃあ、燃料を運ぶトラックがないと、戦車は運用ができないな。」と、本土の技師がこぼす。 
「デーゼルは軽油(灯油)で動くから、デーゼルがいいんだが。」 
「いや、エンジンが重くなるぞ。」 
「灯油は揮発しないから扱いが簡単でいいんだが。」 
まあ、どちらも長所短所があるのである・・・・・・
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