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新型の和船。
ガレオン船に負けるものか!
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種子島までは遠い、それなりだ。 それで、和船を改良する。 外洋航海にも耐えるフネが必要である。 幕末ではないが、咸臨丸が必要なのだ。 咸臨丸は蒸気機関の暗車(スクリュー)推進のフネである。 まあ、米国の黒船のパクリだが・・・ 確か、木造船と思ったが・・・ なら、オレは咸臨丸型の鉄のフネである。 なんせ、咸臨丸は軍艦だ。 軍艦は鉄のフネでなければならん。 「まずは、模型をつくってくれ。」 と簡単な図面を教育した船大工に見せた。 「ふうん、長さが、6尺に、幅が・・・」 「材料は木材でいいから。」 と付け加えた。 「なら、7日もあればできるんべ。」 という。 「蒸気機関はどうするべ。」 というから、「最初に造った首振りエンジンを。」 と付け加えた。 まずは、模型を作って新型和船を理解してもらわねばならない。 口でいったり文章にするより速い理解が得られるのだ。 「皆、聞いてくれ。」 と教育した船大工を集めた。 「これが、新式のフネだ。」 「これで、日本の海運輸送をヤルつもりだ。」 と新型和船を見せる。 長さが30メートル、幅が10メートルほどの小型船だが、現在の資材や工作精度は、これが限界だろう。 ここから、大工らは学んでいくだろうから。 「まずは、日本の周りを周回できるフネをつくるぞ。」 と激を飛ばすオレだった。 「このフネで種子島へ鉄砲を・・」 「そして、南蛮人を打ち払うんだ。」 まあ、漂流してくるヤツまでは打ち払わないが。 旋盤加工ができるから、鉄材はボルトとナットで組み立てることができるのだ。 防水はテールを使う。 タールは石炭を燃やすとできる黒い液体である。 石炭を炭焼きのように、燃焼させるとコークスができる。 コークスは高温で燃えるので、製鉄に使えるのだ。 その時に出る副産物がタールである。 黒いドロっとした液体である。 フネの鉄板の錆び止めものタールを使ったのだ。 まさに、クロフネである。 もちろん、コークスは蒸気船の燃料にも使うのだ。 あと、蒸気機関車にもである。 石炭は使い道が多いのである。 オレは体が一つしかない。 それで、教育した部下に種子島までの使いを頼んだ。 いつ、南蛮人が流れ着くか、わからないからだ。 この時代は微妙に現実の戦国時代とは違うからである。 まず、織田氏がいないのだ。 たしか、美濃の近隣だったはずだ。 そして、三河の家康もである。 それに、戦国時代といっても、紛争が所々であるだけだ。 都は、応人の乱の戦火などの跡はないのだ。 ある程度は平和な戦国時代のようである。 日本は今上陛下の元、ある程度は、まとまっているようなのだ。
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