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蒸気機関は戦国時代に合う。
産業革命前には、これしかない。
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「で、2号機関車は、どんなだっぺ。」 と足軽大将が見学に来た。 鉄道馬車が軌道に乗ってきた。 使う、住民も多くなった。 もちろん、運賃は1文である。 1文なら、小作農でも支払える額だからだ。 貨幣価値にすると、現在の50円くらいだ。 「まあ、皆に慣れてもらう意味もあるから、安いんだがね・・」 「そうか、それはありがたいが、やっていけるのか?」 と心配する足軽大将である。 「まあ、ポンプやランプが売れるからね。」 「さすがに、鉄砲は相手しだいだから・・」 敵に武器を売るヤツなぞいないのだ。 そして、鉄道馬車に隣接して、蒸気機関車用の線路を引いてるのだ。 これだと、資材の運搬を鉄道馬車でOKだからだ。 一番重い、線路を運べるのはおおきいのだ。 なんせ、線路は鉄の塊なのだ。 長さは鉄道馬車と同じだ。 線路運搬用の馬車を作り、運んでいる。 1日で、1町(110メートル)くらいは敷設できたのだ。 それで、鍛冶屋から線路を引いて鉄道馬車の横まで支線を敷設したのだ。 「試運転をするぞ。」 「いいか、車輪の油は?」 「注したよ。」 「釜は?」 「蒸気が上がってきた。」 「うむ。」 安全弁を、少し廻す。 「プッシュー。」 と蒸気が噴き出した。 なかなか威勢がいいものだ。 汽笛は? 紐を引いた。 「ポウーーーーーウウ。」と汽笛が鳴った。 これは、いいものだ。 合図を決めないと。 「いくぞ。」 と蒸気弁のレバーを徐々に倒す。 クランクを動かすピストンの先のシリンダーへ蒸気があふれる。 と、車輪が空回りしたのだ。 蒸気機関車が重いからだ。 蒸気弁を開けすぎたようだ。 そこで、蒸気弁を、わずかに戻した。 「シューー。」 と蒸気が噴き出して、「ジュボー。」 と音と共に機関車は動き出した。 この感動をどう表していいか、わからない・・・ まだ、南蛮人は種子島には流れ着いていないハズだ。 種子島までは、日本の鉄砲は無いとは思うが、話は伝わってるはずだ。 自慢気に鉄砲を見せる南蛮人に、「あ、あ、それですか。」 と簡単に答える日本人なのだ。 そして、実用的な日本式鉄砲に腰を抜かすがいいのだ。 蒸気動力の軍艦で、眼にもの見せてくれようぞ。 もちろん、砲艦外交である。 欧州へ艦砲射撃の雨を降らしてやるのだ。 その1歩が動き出した。 戦国時代にできるのは蒸気機関である。 なぜなら、石油が日本には無い。(少ししか無い。) 内燃機関をつくれるほど工作機械が発達していない。 製鉄量が少ない。 油は植物の油で潤滑油はOKだ。 そして、ボイラーで木材を燃やせばいいのだ。 蒸気機関車は5町(550メートル)ほどの敷設した線路を軽快に走行できたのだ。 「あとは、京までじゃな。」 と侍大将が、お城の許可がでたことを伝えてくれた。 「なら、人足を。」 「あ、あ、大量に使う許可がでたのじゃ。」 「これは、、お城の投資ですね、対価には十分に返却しますから。」 「そう願いたいな、ワシの首がかかっちょるからな。」 と豪快に笑う侍大将だ・・・・・・・
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