戦国時代に機関車。

ゆみすけ

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工事が進まない。

人力の限界だ・・・

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 モッコ担いでエンヤラや~、もう一つ担いでエンヤラヤ~、 工事の人足の歌である。 はやい話が、工事が進んでいないのだ。 平地はいいのだが、大垣と彦根の間には関ケ原があるのだ。 まあ、峠だ。 線路を引くためには土木工事が必要だ。 それで、平地はなんとかなったんだが・・・ トンネルは、現在の技術では無理だ。 短いならいいが、さすがに数キロとなると・・・ 技術の進歩は段階が必要だと思うのだ。 欧米の技術を観て学んで、数年で吸収した日本人だが、それは江戸期の平和な世の中で国民が勉学できる余裕があったからだと思うのだ。 江戸期の日本は全国民がそれなりの学があった。 手習い算盤はあたりまえだ。 小作農に至るまで文字は書けたのだ。 平均的教育の高さは神武建国以来、世界イチの日本である・・・ なんせ、防人の兵まで和歌を詠み、万葉集に選別されるのだから・・・ ちなみに、我が国の国歌も、当時の和歌である。 あまりの古さに、詠み人知らずだ。 人海戦術で工事は進んでいるが、が、やはりダイナマイトが必要だ。 大きな岩や崖を崩すのに使うのだ。 トンカチとノミでは、何十年も掛かるからだ。 日本では、たしか西暦1600年ころまでトンネルが造られなかったのだ。 まあ、必要がなかったからだが・・・ それで、黒色火薬で爆発筒を造ったのだ。 グリセリンからニトログリセリンに、そしてダイナマイトでもいいが・・・ グリセリンは化粧水としての保湿効果も見込まるからだ。 しかし、黒色火薬はあるから、まあ、爆発筒を使おう。 「爆発筒は岩を破壊できて、よかんべ。」と足軽大将だ。 「なんとか、冬が来る前に、ある程度まで線路を引きたいからね。」 と答える。 そうなのだ、冬は峠は吹雪が酷いのだ。 工事なぞやってられないのだ。 そして、保線の人足の確保だ。 鉄道が動く前に線路の点検をやるのが保線の人足である。 脱線事故を防ぐ大切な仕事である。 いまから、保線区員の教育をしなければならない。 保線用の貨車も造らねばならない。 線路にはジャリを敷くのだ。 そして、そのジャリをツルハシで均すのだ。 畑を耕すようなものだ。 いまの、鉄道馬車の枕木では細いから、機関車用の太い枕木に交換しなければならない。 助手を育てているが、まだ勉学が進んでいないのだ。 機関車には機関士と窯焚き人足が必要である。 「鍛冶屋から、機関車2号が完成したとの・・」 「そうか、出来たか、早速に向かうと伝えてくれ。」 と答える。 やっと、2号機関車が完成した。 最初の機関車は、ある意味、実験的要素が強かったのだ。 2号機関車は、実用を考えて設計したのだ。 やはり、最初の反省点は多かったんだ。 機関車の車輪には油ツボを付けて、金属摩耗に強くしてあるのだ。 動き出す前に油の点検である。 単なる鋳物の車輪では金属摩耗が激しいのだ。 とても、美濃から京までの運用に耐えきれないのである。 ここは、炭素を混ぜる分量を多くするか、でも多すぎると鉄が脆くなるからな。 3パーセントくらいかな・・・・・ 
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