戦国時代に機関車。

ゆみすけ

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動力ができたのだ。

生きていない動力だ。

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 首振り蒸気エンジンのボイラに火をつける。 しばらくして、蒸気があがる。 そして、シリンダーの穴から蒸気が・・・ 「よしっ。」 弾み車を廻す。 すると、シリンダーが左右に揺れて、エンジンが動き出した。 「カシャ、カイシャ、カイシャ。」 と軽い音だ。 エンジンといっても内燃機関ではないから、爆発音はしない。 マフラーなんてイラネーのだ。 蒸気機関車にもマフラーは無いからね。 それで、エンジンの回転調整は、銅パイプに穴をあけて、そこから蒸気を逃がすことでOKだ。 首振り蒸気エンジンは夢に見ないでも完成できた。 それくらいの知識はあるのである。 (ドヤ顔のオレだ。) だが、首振りエンジンは馬力が小さい。 とても、動力としては使えるほどではない。 まあ、模型だからだが。 「将来は、機関車も造るぞ。」 足軽鉄道だな。 思わずニヤリとするオレだった。  「それまでには、鉄の精錬を軌道に乗せなければ。」 「そうだ、ここは反射炉だな。」 「耐火煉瓦も必要だ。」 「ここは、鉄鉱石の鉱山が・・砂鉄では量が少ないからな。」 課題が・・・ ひとつに絞らないと、あれもこれもでは、耐えきれない。 「やはり、舟か。」 つまり、川を遡る蒸気船は作れそうだ。 とりあえず、模型で試そう。 首振り蒸気エンジンはカンタンに鍛冶屋が造ってくれた。 まあ、銅だからね。 玉鋼や鉄よりはカンタンである。 木工職人に模型の和舟を造らせた。 長さ2メートルくらいだ。 帆は無い。 燃料は薪だ。 やがて、蒸気があがってきた。 弾み車を廻す。 「からん、からん、からん。」 と軽快に廻る。 もちろん、外輪船だ。 スクリューは後からだ。 やはり、水車が理解しやすいからね。 川の流れに逆らって登れば、成功だ。 海運が開ける。 美濃から都の京までだ。 「お~い、いいか。」 「わかってだんべ。」 と部下が手を上流でフル。 模型船は操船ができない。 無線機なんて無いからだ。 それで、上流にフネを捕まえるヤツを配した。 いままで、川をさかのぼるのは、岸でヒトや馬が牽くのだ。 これが、重労働なのだ。 いくら、カラ舟でもだ。 以外に、川の流れは侮れないのだ。 まあ、この時代はダムは無いから、河口から美濃までさかのぼることは、問題はないのだ。 「いくぞ。」 と模型船を離した。 舵はついてるので、流れに逆らって河登りだ。 外輪が廻るのがよくわかる。 「いけるぞ。」 と仲間が叫ぶ。 上流で待機していた仲間が模型船を曳き寄せる。 足軽大将は、「ん、わかっただ。」 「舟のえんじんとやらを作ろうぞい。」 と乗り気になったくれたのだ。 まあ、それなりに金がかかるからだ。 銅は意外にお高いのだ。 ここは、亜鉛を加えて、真鍮を加工したほうが得策だな。 確か、亜鉛3割から4割ぐらいか。 蒸気エンジンは内燃機関ではないから真鍮でOKだと思う。 大型船ではないし、川舟だから河口までだ。 調子がよければ沿岸近くならイケるかも・・・・ 
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