戦国時代に機関車。

ゆみすけ

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馬車が・・・

行方不明だ。

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 「都から、早馬です。」 「えっ、早馬。」 「なんでも、馬車が着かないとか・・」 「まさか、行方不明か?」 「らしいですだ。」 「御者や同行した者らは。」 「わかりません。」 「いままで、こんなことなかったんだが・・・」 「盗賊かな?」 「やはり、鉄砲を早く作るべきだな。」 「すぐに、捜索隊を送るんだ。」 「足軽大将が集めているところですだ。」 オレは、急いで捜索隊の件で足軽大将の元へ急いだ。 「お、お、着たか。」 「話は・・」 「まだ、詳しい話はわからんが、荷が着かないと早馬だ。」 「京の支店からですか。」 「うむ、そうだ。」 「盗賊ですか。」 「たぶん、そうだ。」 「用心するようにはしていたのだが・・・」 「どこで、襲われたんでしょうか。」 「なんとも、言えんが。」 「おそらく、関ケ原か大垣か・・」 「しかし、馬車を襲うとは、数人では無理だぞ。」 「徒党を組んだヤツだな。」 「ううむ、ここは囮の馬車で釣りだな。」 「ヤツらは、味をしめたはずだ、また襲うだろう。」 「それで、武者を隠した馬車で盗賊どもを一網打尽だ。」 「うまく、いきますかね。」と心配するオレ。 「そこは、オラに任されよ。」 足軽大将は、どんと胸を叩いた。 そして、捜索隊の次に、囮の馬車を編成する。 荷車のカバーのムシロに隠れるように武者を隠した。 刀や短ヤリで武装した猛者達だ。 まだ、硝石ができないから鉄砲は完成していない。 それで、刃物しかないが・・・ 足軽だから、鎧は軽装だ。 胴丸という、胴体だけの鎧だ。 カブトは無い。 カブトは重くて・・・額をカバーする鉢金をつくって装備してもらった。 刀も実戦向きな短い作りだ。 そして、刀身が太いのだ。 でないと折れるからだ。 日本刀は斬り合えば刃こぼれが酷いのだ。 それで、鉈様の刀をつくってもらったのだ。 ツバも飾りがない、実戦向きだ。 そこは、半農半武士の足軽だから、こだわりは無い。 この時代は、盗賊は徒党を組んで襲ってくる。 警察機構があるのは都くらいだ。 あとは、村や町は警察機構はあってないようなものだ。 現に、オレが居る村にも警察はない。 足軽村での、泥棒や盗賊は足軽大将が罰を決めるのだ。 軽犯罪なら100叩きだ。 泥棒は腕を1本切り落とすのだ。 ヒトを殺せば、首チョンだ。 裁判なんて無い。 しかし、犯罪を犯すヤカラは皆無だ。 いままで、村で犯罪なんて聞いたこともない。 しかし、地方によっては山賊がいるのだ。 たいてい、村から追い出された、不幸者の集まりだそうだ。 まあ、落ちこぼれ連中だ。 悪さをしなければいいんだが、やはり悪いヤツは居るのだ。 一度道を外れると、戻るのは大変だ。 不良やヤンキーから立ち直ったヤツなんて居ない。 嫌われるヤツは、どの村でも嫌われるのだ。 そこは、自身の努力しかない。 悪いヤツを会心させるほど、オレはヒトは良くないし、暇もないのだ。 盗賊は殲滅あるのみだ。 
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