戦国時代に機関車。

ゆみすけ

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足軽大将への提案。

歩くのはゴメンだ。 

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 足軽館に帰った。 
足軽大将の館は足軽館とすることとする。 (字を打つのがめんどうだからだ。) 
 また、脚が棒だ。 
歩きたくない。 
 正直、現代人には無理だ。 
自動車や電車、最低でも自転車があれば・・・ しかし、ここは、馬は位の高い侍からしか乗れない。 
 江戸時代のかごも無い。 
オレは公家でも侍大将でもないのだ。 
 そして、部下もいない。 
それでも、タオルと化繊の寝間着でゴマを刷り、足軽館に居候である。 
 農民のくらしよりはマシだった。 
彼らは、ヒエやアワを食しているからだが、それは日本の歴史教育のウソだ。 
 お米は、まず食えない、なんて描いてあるが・・・そんなことはないのだ。 
しかしコメは来年の種もみを残して、半分が年貢だ。(村単位で収めるのだ。) 
 全部、年貢ではないが、コメはイザの時に必要だ。 
お金=お米だからだ。 
 足軽大将の家人が脱穀だ。 
干した稲から種を取るんだが、千歯こきも、無いんかい。 
 それで、その辺にあった木の切れ端と釘で、千歯こきを作った。 
半日でできた。 
 「こう、するんだよ。」 と稲の干したヤツを削ぐ。 
稲もみが離れて落ちる。 
 「うわ~っ、なんともはや・・」 とオナゴはびっくりだ。 
こんなもので、びっくりだ。 
 脱穀機を見たら・・・ そして、稲のモミを天日で干すのだ。 
そして、次は井戸のポンプだ。 
 井戸は空海が唐の国から伝えたらしい。 
この時代はポンプは無く、桶を落として紐で引き上げるのだ。 
 めんどうくさいのだ。 
それに、オナゴへゴマをすると食事が良くなるのだ。 
 こっそりと、焼きイモなどくれるのだ。 
四角くい板を作り、長くして、パイプにした。 
 板はニカワでくっつけた。 
ニカワは、この時代の接着剤である。 
 村の大工にも手伝ってもらった。 
でなきゃオレひとりでは無理だ。 
 図面を描く、紙がないから木の板をつないで、木簡をつくり、墨で描いた。 
木製だから耐久性に劣るが、便利だとわかればいいのだ。 
 理解されたら、金属で作りなおせばいいのだ。 
千歯こきは村一帯に広まった。 
 それで、大工が井戸ポンプに協力してくれるのだ。 
「あんさんのおがげじゃ。」 足軽大将は鼻高々だ。 
 土地の収穫があがれば、皆が潤うからだ。 
それに、侍大将からの覚えもおおきいのだ。 
 そして、次は弓だ。 
和弓は、訓練が必要だ。 
 ところが、洋弓は誰でも即使える。 
カンタンな図面を描いて、大工に造らせた。 
 矢は和弓用の半分だ。 
そして、和弓と比べての試し撃ちだ。 
 命中率は洋弓が優れている。 
なんせ、左右対称の弓だ。 
 そして狙いを定めるときに曳かなくてもいいからだ。 
矢を引いたまま手から離せるからだ。 
 銃のように狙いを定められるから、素人でも使えるのだ。 
「これは、いくさのときの使役用だな。」 
 侍大将は、褒美だとオレに刀をくれた。 
オレは、それを許可を得て、足軽大将に廻した。 
まあ、ゴマスリだ。 足軽大将は顔がほころんで止まらない。 
 よほど、うれしかったんだな。 
それから、オレに一目置いてくれるようになったんだ。 
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