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九〇式はTー34に勝てるかっ!
果たして、無双のT-34に我が九〇式が対抗できるのか?
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ハルピンの町は、長春の町の北東約200キロあたりにある。
現在、我が皇軍陸送隊は長春を出発してハルピン方向へ進軍していることろである。
偵察のバイク隊から報告だ。
「ハルピンまでの草原に敵は確認できませんでした。」「うむ。」
「履帯の跡や輪達(車輪の走行した跡)は確認できませんでした。」「うむ。」
「町の様子は?」「町へは入ってませんが、住民の避難の最中でした。」
「まだ、ソ連軍には会敵してません。」
「ごくろうであった。」「敬礼。」
答礼する藤川軍曹だ。
軍隊という所は、こういうメリハリはハッキリとするものなのだ。
最近になり、偵察用に自動二輪車が派遣軍へも導入されてのだ。
行軍での戦車隊は移動は陸送車というトレーラや燃料タンク車、兵站車が使われる。
そこへ、騎馬隊の偵察隊では・・・馬の世話や蹄鉄交換、馬を運搬する馬専用のトラックが・・・
それでは、効率が悪いのだ。
馬というモノは生物だ。
そう、馬の食事は草である。(飼い葉だ。)人参もだ。
工兵や技師連中は馬は苦手なものなのだ。
馬に慣れていないと、近づくことも怖いくらいだ。(思ったより、デカイ。)
使い勝手は、バイクの方が何倍もマシなのだ。
馬の世話は、大変だが・・・バイクの世話は、せいぜいドロを落とすくらいだ。
あとは、燃料を入れるだけだ。
荒れ地用のバイクが内地で開発されて・・・敵状偵察はバイクが活躍するようになってきたのである。
ハルピンからチチハルまでは、400キロ近くある。
そして、モンモンハンまではチチハルから400キロ近いのだ。
満州平原が広大なことを・・・行軍して、いつも思う軍曹なのである。
「さて、問題は・・・どこで、戦車を積載車から降ろすかだな。」
「ハルピンかチチハルか・・・」
「九〇式は統制エンジンだったな。」と、軍曹が矢田主任へ聞く。
「そうだ、取り扱い方は同じだぞ。」
「気筒数が増えで、排気タービンが2連になっただけだ。」と、主任がいう。
「九〇式で最大の違いは、画面で照準することだな。」
「操縦手も操作に違いはないぞ。」
「いきなり戦闘になっても、八九式に乗りなれてれば問題無いと思うぞ。」と、矢田主任が宣う。
「さすが、積載車から降ろすに時間がかかるからな。」
「そうだな、1両で20分は・・・」
「やはり、ハルピンで・・・」
「しかし、敵の侵攻はモンモンハンからチチハル方面だろう?」
「と、思うが・・・」
「英国からの情報ではT-34は履帯の幅があるそうだ。」
「接地圧が低いということだな。」
「でも、履帯での走行速度は遅くなるぞ。」
「露スケのエンジン技術がドイツ帝国より上とは思えない。」と、解析する矢田主任だ。
「なんせ、ジーゼルはドイツ帝国のルドルフ技師が発明したエンジンだからな。」と、矢田主任だ。
「ジーゼル・エンジンはピストンで圧搾した空気へ軽油を噴射して爆発させるのだ。」
「その、軽油を噴射する装置が精密加工しなければならない。」
「それが、ロシアの技術では、イマイチなのだ。」
「イワン野郎には細かい手仕事は向いてないからな。」
もう、ロシア(ソ連邦)の悪口(いや、真実だ。)言いたい放題の矢田主任である。
「だが、我が国の燃料噴射ポンプもドイツ製よりは・・・」
「精密工作は我が国の十八番だからな。」
「ジーゼル・エンジンはスロットルが無いからな。」
「加速は変速機でやらないと・・・」
「でも、トルクはデカイから加速はすごいぞ。」
「まさに、戦車向きのエンジンだぞ。」
エンジンには五月蠅い・・・矢田主任だ。
藤川軍曹もジーゼル・エンジンの知識はあるんだが・・・
理論や原理となると・・・どうしても、疎いのだ。
人間、あれもこれもは出来ないからね。
「よし、再度のバイク偵察をかけるぞ。」と、伍長へ指示を出す。
「いいか、ソ連軍の侵攻具合を確かめるだけだ。」
「様子を見るだけで、いいからな。」
「了解です。」
2台の偵察バイク隊が派遣戦車隊のトレーラーから出発したのだ。
「無線で逐一の報告を忘れるなよ。」「わかりました。」
こうして、侵攻してきたソ連軍、T-34と我が九〇式との戦車戦は・・・秒読みへ・・・入ったのである。
現在、我が皇軍陸送隊は長春を出発してハルピン方向へ進軍していることろである。
偵察のバイク隊から報告だ。
「ハルピンまでの草原に敵は確認できませんでした。」「うむ。」
「履帯の跡や輪達(車輪の走行した跡)は確認できませんでした。」「うむ。」
「町の様子は?」「町へは入ってませんが、住民の避難の最中でした。」
「まだ、ソ連軍には会敵してません。」
「ごくろうであった。」「敬礼。」
答礼する藤川軍曹だ。
軍隊という所は、こういうメリハリはハッキリとするものなのだ。
最近になり、偵察用に自動二輪車が派遣軍へも導入されてのだ。
行軍での戦車隊は移動は陸送車というトレーラや燃料タンク車、兵站車が使われる。
そこへ、騎馬隊の偵察隊では・・・馬の世話や蹄鉄交換、馬を運搬する馬専用のトラックが・・・
それでは、効率が悪いのだ。
馬というモノは生物だ。
そう、馬の食事は草である。(飼い葉だ。)人参もだ。
工兵や技師連中は馬は苦手なものなのだ。
馬に慣れていないと、近づくことも怖いくらいだ。(思ったより、デカイ。)
使い勝手は、バイクの方が何倍もマシなのだ。
馬の世話は、大変だが・・・バイクの世話は、せいぜいドロを落とすくらいだ。
あとは、燃料を入れるだけだ。
荒れ地用のバイクが内地で開発されて・・・敵状偵察はバイクが活躍するようになってきたのである。
ハルピンからチチハルまでは、400キロ近くある。
そして、モンモンハンまではチチハルから400キロ近いのだ。
満州平原が広大なことを・・・行軍して、いつも思う軍曹なのである。
「さて、問題は・・・どこで、戦車を積載車から降ろすかだな。」
「ハルピンかチチハルか・・・」
「九〇式は統制エンジンだったな。」と、軍曹が矢田主任へ聞く。
「そうだ、取り扱い方は同じだぞ。」
「気筒数が増えで、排気タービンが2連になっただけだ。」と、主任がいう。
「九〇式で最大の違いは、画面で照準することだな。」
「操縦手も操作に違いはないぞ。」
「いきなり戦闘になっても、八九式に乗りなれてれば問題無いと思うぞ。」と、矢田主任が宣う。
「さすが、積載車から降ろすに時間がかかるからな。」
「そうだな、1両で20分は・・・」
「やはり、ハルピンで・・・」
「しかし、敵の侵攻はモンモンハンからチチハル方面だろう?」
「と、思うが・・・」
「英国からの情報ではT-34は履帯の幅があるそうだ。」
「接地圧が低いということだな。」
「でも、履帯での走行速度は遅くなるぞ。」
「露スケのエンジン技術がドイツ帝国より上とは思えない。」と、解析する矢田主任だ。
「なんせ、ジーゼルはドイツ帝国のルドルフ技師が発明したエンジンだからな。」と、矢田主任だ。
「ジーゼル・エンジンはピストンで圧搾した空気へ軽油を噴射して爆発させるのだ。」
「その、軽油を噴射する装置が精密加工しなければならない。」
「それが、ロシアの技術では、イマイチなのだ。」
「イワン野郎には細かい手仕事は向いてないからな。」
もう、ロシア(ソ連邦)の悪口(いや、真実だ。)言いたい放題の矢田主任である。
「だが、我が国の燃料噴射ポンプもドイツ製よりは・・・」
「精密工作は我が国の十八番だからな。」
「ジーゼル・エンジンはスロットルが無いからな。」
「加速は変速機でやらないと・・・」
「でも、トルクはデカイから加速はすごいぞ。」
「まさに、戦車向きのエンジンだぞ。」
エンジンには五月蠅い・・・矢田主任だ。
藤川軍曹もジーゼル・エンジンの知識はあるんだが・・・
理論や原理となると・・・どうしても、疎いのだ。
人間、あれもこれもは出来ないからね。
「よし、再度のバイク偵察をかけるぞ。」と、伍長へ指示を出す。
「いいか、ソ連軍の侵攻具合を確かめるだけだ。」
「様子を見るだけで、いいからな。」
「了解です。」
2台の偵察バイク隊が派遣戦車隊のトレーラーから出発したのだ。
「無線で逐一の報告を忘れるなよ。」「わかりました。」
こうして、侵攻してきたソ連軍、T-34と我が九〇式との戦車戦は・・・秒読みへ・・・入ったのである。
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