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これが、英国情報部からの情報だ!
百聞は一見に如かずだな。
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ここは、満州国派遣軍奉天駐屯地である。
まだ、偵察騎馬隊からの連絡がある以前の話だ。
内地から英国情報部からの、ソ連軍T-34新型戦車の電文が・・・
その電文を和訳した内容が電信で送られてきたのだ。(内地から奉天までは無線電話は無理だ、無線電信でないと。)
「ふむ。」「全長、6メートル 幅3メートル 高さ2,5メートルっと。」
「重さ、40トン(史実は27トン)だって。」
「イマイチ、ピンとこないな。」
「写真か絵図でもあれば・・・」
「しかし、無線では送れないからな。」(当時、写真電送は開発されていない。)
「内地の科学工廠では実験段階だそうだが。」
「実用には、まだ数年はかかるらしい・・・」
「なんだと・・・」「75ミリライフル砲だって・・・」と、驚く藤川軍曹だ。
「我が九〇式の駆逐艦から移植した主砲と変わらんかもしれんな?」
「しかし、そうなると実物を観たいですね。」と、矢田主任だ。
そうなのだ、これは対ソ連軍戦車への作戦会議みたいなモノだ。
「コーヒーを、お持ちしましたわ。」と、JKメイドのニャンニャンだ。
「あんがと・・・」と、受け取る軍曹だ。
「ふう。」と、一息つく軍曹と主任である。
「おや、豆が・・・」と、香りの差を感じる軍曹だ。
「わかります?」と、ニャンニャンが・・・思わずニャリだ。
「すこし、ブレンドを替えてみました。」
「いつものエチオピアへブラジルをブレンド・・・」
ニャンニャンのコーヒー論が始まってしまった。
対ソ連軍の話は・・・お預けなのだ。
それほどまでに、ニャンニャンのご機嫌をそこねることはご法度なのである。(ご法度とは、絶対にしてはいけないことだ。 このご法度に逆らうと、打ち首もやむなしなのだ。)
そうなのだ、ニャンニャンは派遣軍駐屯地での最高権力者に・・・派遣軍駐屯地でワンコを警備用に飼育してるんだが・・・そのワンコが、なんかあるとニャンニャンの顔色を探るのだ。
ワンコという動物は、その縄張りで誰が最高権力者なのか見極めができる動物であるからだ。
時系列はモンモンハンの駐屯地で休憩中のチムデンらへ戻るとしよう・・・
ここは、辺境のモンモンハンだ。
それで、駐屯地に接待役のオナゴは数名である。
それも、その辺の遊牧民の娘らだから・・・現地色が強いのだが・・・
その娘らへ、セクハラしようものなら・・・日本からの聞き取り調査でオナゴらがチクると・・・
女神様が最高神の日本からの軍事援助が・・・滞るやもしれない・・・
そうなると、ソ連軍に蹂躙されかねない・・・
それだけは避けたい、満州国軍なのである。
「コーヒーでも、いががですか。」と、接待係の遊牧民の娘だ。
「ぜひ、おねがいします。」「オラにも・・・」
「では・・・」と、遊牧民の、娘がさがる・・・
「おい、今日は機嫌がイイらしいぞ。」「そうだな。」
「なかなか、コーヒーなんて淹れてくれないからな。」
辺境の地での接待娘は貴重なのである。
なんせ、奉天市とは違い・・・娘の数が少ないし・・・田舎娘、丸出しなのだ。
それで、高給で数少ない娘を雇ってるのである。
「しかし、奉天はよかったな。」「なにが・・・」
「大きな声では言えないが・・・」
「女学校のJKなんか、最高じゃないか!」
当時の奉天市では、奉天女学校が お嬢様学校として最高学府を誇っていたのだ。
清楚で可憐な満州娘の最高峰といっても過言ではないのだ。
チムデンらは、その奉天女学校の女生徒らの見送りでモンモンハンへ・・・
だから、余計に思うのである・・・奉天には女神様が・・・となるのだ。
だが、現実は厳しいのである。
「どうぞ。」と、コーヒーが運ばれてくる。
「ありがとうございます。」と、両手で受け取らねばならない。
接待の娘の機嫌を損ねては・・・イチ大事だからである。
万がイチにも、接待娘のお尻を・・・タッチしょうものなら・・・軽くて銃殺刑・・・
重くても、もちろん銃殺刑らしい・・・違いは軽いと三八式小銃で、重いと40ミリ機関砲となるらしい。
まして、戦場で民間人の娘を強姦しようものなら・・・その場で殺処分も・・・
そう、殺処分という扱いなのだ。(ヒトのあつかいではないのだ。)
「えっ、見てきた戦車の図を描くということですか?」と、チムデンだ。
「うむ。」「派遣日本軍からの要望なんだ。」
「君らは、ヤツらの新型を観てきたんだろう?」
「え、え、まぁ。」
「なら、描いて早馬で奉天の駐屯地へ頼んだぞ。」と、指示が下った。
そして、チムデンらは娯楽室で集まり図面を作成する。
「おい、そこは違うぞ。」
「ここは、斜めじゃないか。」
こうして、ラフ・スケッチが完成する。
一応、カンジン隊長へ・・・
「ほう、これが新型かっ!」
「これは、アンテナか?」と、別の図面を・・・隊長がしめす。
「え、え、アンテナを付けた戦車が1両、あったので。」
「なるほど、隊長車ということだな。」と、カンジンが解析する。
「では、早馬だな。」「チムデン頼んだぞ。」
「了解しました。」と、敬礼だ。
隊長の答礼を受けて、早馬へ・・・
早馬とは、武器や荷物を載せない、身軽な馬で一刻も早く伝令することである。
なぜ、チムデンなのかというと、体重が一番隊内で軽いからである。
早馬の鈴を鳴らして駆ける。
この鈴をつけた馬は優先して通行ができる規則が満州国にはあるからだ。
モンモンハンからチチハルで馬を替えて、そしてハルピンへ・・・
ハルピンから長春へ・・・
そして、一気に奉天まで駆けるのだ。
短時間の休憩を入れて・・・3日で1000キロ余りを駆け抜けたチムデンだ。
いくら、町ごとに馬を替えても常人にできることではない。
そこは、遊牧民の血だからできることだ。
「開門。」「開門。」と、叫ぶチムデンだ。
早馬の鈴を聞きつけた守衛が門を開ける。
駆け抜けるチムデンだ。
そして、駐屯地の司令棟の前でへたりこんだのだ。
「おい、気を確かに!」「しっかいしろ!」と、ビンタを喰らい気が付くチムデンだ。
「これを、ヤツらの新型です。」と、図面を・・・渡すのが、精一杯だ。
「わかった。」「はやく、医者だ。」
こうして、派遣軍へソ連軍新型戦車の情報が渡ったのであった。
まだ、偵察騎馬隊からの連絡がある以前の話だ。
内地から英国情報部からの、ソ連軍T-34新型戦車の電文が・・・
その電文を和訳した内容が電信で送られてきたのだ。(内地から奉天までは無線電話は無理だ、無線電信でないと。)
「ふむ。」「全長、6メートル 幅3メートル 高さ2,5メートルっと。」
「重さ、40トン(史実は27トン)だって。」
「イマイチ、ピンとこないな。」
「写真か絵図でもあれば・・・」
「しかし、無線では送れないからな。」(当時、写真電送は開発されていない。)
「内地の科学工廠では実験段階だそうだが。」
「実用には、まだ数年はかかるらしい・・・」
「なんだと・・・」「75ミリライフル砲だって・・・」と、驚く藤川軍曹だ。
「我が九〇式の駆逐艦から移植した主砲と変わらんかもしれんな?」
「しかし、そうなると実物を観たいですね。」と、矢田主任だ。
そうなのだ、これは対ソ連軍戦車への作戦会議みたいなモノだ。
「コーヒーを、お持ちしましたわ。」と、JKメイドのニャンニャンだ。
「あんがと・・・」と、受け取る軍曹だ。
「ふう。」と、一息つく軍曹と主任である。
「おや、豆が・・・」と、香りの差を感じる軍曹だ。
「わかります?」と、ニャンニャンが・・・思わずニャリだ。
「すこし、ブレンドを替えてみました。」
「いつものエチオピアへブラジルをブレンド・・・」
ニャンニャンのコーヒー論が始まってしまった。
対ソ連軍の話は・・・お預けなのだ。
それほどまでに、ニャンニャンのご機嫌をそこねることはご法度なのである。(ご法度とは、絶対にしてはいけないことだ。 このご法度に逆らうと、打ち首もやむなしなのだ。)
そうなのだ、ニャンニャンは派遣軍駐屯地での最高権力者に・・・派遣軍駐屯地でワンコを警備用に飼育してるんだが・・・そのワンコが、なんかあるとニャンニャンの顔色を探るのだ。
ワンコという動物は、その縄張りで誰が最高権力者なのか見極めができる動物であるからだ。
時系列はモンモンハンの駐屯地で休憩中のチムデンらへ戻るとしよう・・・
ここは、辺境のモンモンハンだ。
それで、駐屯地に接待役のオナゴは数名である。
それも、その辺の遊牧民の娘らだから・・・現地色が強いのだが・・・
その娘らへ、セクハラしようものなら・・・日本からの聞き取り調査でオナゴらがチクると・・・
女神様が最高神の日本からの軍事援助が・・・滞るやもしれない・・・
そうなると、ソ連軍に蹂躙されかねない・・・
それだけは避けたい、満州国軍なのである。
「コーヒーでも、いががですか。」と、接待係の遊牧民の娘だ。
「ぜひ、おねがいします。」「オラにも・・・」
「では・・・」と、遊牧民の、娘がさがる・・・
「おい、今日は機嫌がイイらしいぞ。」「そうだな。」
「なかなか、コーヒーなんて淹れてくれないからな。」
辺境の地での接待娘は貴重なのである。
なんせ、奉天市とは違い・・・娘の数が少ないし・・・田舎娘、丸出しなのだ。
それで、高給で数少ない娘を雇ってるのである。
「しかし、奉天はよかったな。」「なにが・・・」
「大きな声では言えないが・・・」
「女学校のJKなんか、最高じゃないか!」
当時の奉天市では、奉天女学校が お嬢様学校として最高学府を誇っていたのだ。
清楚で可憐な満州娘の最高峰といっても過言ではないのだ。
チムデンらは、その奉天女学校の女生徒らの見送りでモンモンハンへ・・・
だから、余計に思うのである・・・奉天には女神様が・・・となるのだ。
だが、現実は厳しいのである。
「どうぞ。」と、コーヒーが運ばれてくる。
「ありがとうございます。」と、両手で受け取らねばならない。
接待の娘の機嫌を損ねては・・・イチ大事だからである。
万がイチにも、接待娘のお尻を・・・タッチしょうものなら・・・軽くて銃殺刑・・・
重くても、もちろん銃殺刑らしい・・・違いは軽いと三八式小銃で、重いと40ミリ機関砲となるらしい。
まして、戦場で民間人の娘を強姦しようものなら・・・その場で殺処分も・・・
そう、殺処分という扱いなのだ。(ヒトのあつかいではないのだ。)
「えっ、見てきた戦車の図を描くということですか?」と、チムデンだ。
「うむ。」「派遣日本軍からの要望なんだ。」
「君らは、ヤツらの新型を観てきたんだろう?」
「え、え、まぁ。」
「なら、描いて早馬で奉天の駐屯地へ頼んだぞ。」と、指示が下った。
そして、チムデンらは娯楽室で集まり図面を作成する。
「おい、そこは違うぞ。」
「ここは、斜めじゃないか。」
こうして、ラフ・スケッチが完成する。
一応、カンジン隊長へ・・・
「ほう、これが新型かっ!」
「これは、アンテナか?」と、別の図面を・・・隊長がしめす。
「え、え、アンテナを付けた戦車が1両、あったので。」
「なるほど、隊長車ということだな。」と、カンジンが解析する。
「では、早馬だな。」「チムデン頼んだぞ。」
「了解しました。」と、敬礼だ。
隊長の答礼を受けて、早馬へ・・・
早馬とは、武器や荷物を載せない、身軽な馬で一刻も早く伝令することである。
なぜ、チムデンなのかというと、体重が一番隊内で軽いからである。
早馬の鈴を鳴らして駆ける。
この鈴をつけた馬は優先して通行ができる規則が満州国にはあるからだ。
モンモンハンからチチハルで馬を替えて、そしてハルピンへ・・・
ハルピンから長春へ・・・
そして、一気に奉天まで駆けるのだ。
短時間の休憩を入れて・・・3日で1000キロ余りを駆け抜けたチムデンだ。
いくら、町ごとに馬を替えても常人にできることではない。
そこは、遊牧民の血だからできることだ。
「開門。」「開門。」と、叫ぶチムデンだ。
早馬の鈴を聞きつけた守衛が門を開ける。
駆け抜けるチムデンだ。
そして、駐屯地の司令棟の前でへたりこんだのだ。
「おい、気を確かに!」「しっかいしろ!」と、ビンタを喰らい気が付くチムデンだ。
「これを、ヤツらの新型です。」と、図面を・・・渡すのが、精一杯だ。
「わかった。」「はやく、医者だ。」
こうして、派遣軍へソ連軍新型戦車の情報が渡ったのであった。
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