満州国、戦車開発会社

ゆみすけ

文字の大きさ
上 下
77 / 95
とうとう、決定版の対ソ連軍戦車の登場だ!

九〇式対ソ連軍戦車の試運転だ!

しおりを挟む
 矢田主任から、藤川軍曹へ連絡だ。
「新型がメドがついたので、ぜひお披露目会へ・・・」と、招待状が・・・やっと、届いたのだ。
 新型戦車構想が作成されて・・・予算的な話が・・・ない袖は振れない、なんて議論が・・・
そこへ、米国のユダヤ資本からの援助金だ。
 満州国は建国に石原莞爾閣下が・・・しかし、満州国は内地の植民地では無い。
台湾が内地の植民地では無いと同じで、満州国は独立した国家なのだ。     
 台湾は日本の領土だが、北海道と同じで外地と呼ばれているのだ。
ちなみに、九州は内地で四国も内地だ。
 それは、恐れ多くも今上陛下の詔からも、「満州国を朕は独立国家と・・・」と・・・
そして、米国が日露戦争での日本の借財と交換に、満州国の利権を移譲することとなったのだ。
 (これは、ラノベだ。 現実には近年になり、やっと借財は完済したのだ。)
そして、膨大な米国のユダヤ資本が満州国へ・・・政治も安定しているからだ。
 さすがに、米軍は満州国へ駐屯するには時間もかかる・・・それで、その間は満州国派遣の皇軍戦車隊が代行することと・・・まあ、半年から数年間だと思うんだが・・・
 それで、米国のユダヤ資本の満州国への投資から・・・戦車開発会社への裏資金が・・・
大連製鉄所が軌道に乗り・・・ニャンニャン装甲の製造にメドがつき・・・
 88口径の対空砲が、あきつ丸から陸揚げされて・・・
新型対ソ連軍戦車が試作されて、本日のお披露目会へ・・・
 お披露目会は、戦車開発の試運転場で開催されたのである。
やはり、戦車は動いてナンボだからだ。
 鎮座したオブジェは破壊された露スケ戦車だからである。
モンモンハンには、過去に破壊されたソ連軍戦車の残骸が数両・・・鉄クズの価値も無いからだそうだ。
 ソ連邦に満州国から回収して欲しいと要望を・・・出してるそうだが・・・ソ連邦は、一切関係ないと・・・
ロシア帝国時代とは・・・思考が変わったようである。

 「よく、いらっしゃいました。」と、矢田主任が定番の挨拶だ。
「いえ、よく試作できましたね。」
 「まあ、その、なんですよ・・」と、いいにくそうな主任だ。
ユダヤ資本の裏金だ、なんて腐っても言えないからだ。
 「しかし、あるところには、あるもんですな。」と、わかったような物言いの軍曹である。
「まあ、八九式の倍の性能といってもいいですからね。」
 と、矢田主任が手で合図だ。
すると、掛かっていた布が・・・外された・・・
 そこには、八九式の倍ほどはある新型九〇式が・・・鈍い光を放っていたのだ。
「88口径対空砲にニャンニャン装甲の全面採用です。」
 「そして、エンジンはツイン・ジーゼルV型18気筒排気タービン2連装です。」
「その2連装エンジンで、荒れ地でも40キロ巡行ができます。」
 「片方のエンジンがヤラれても、残りのエンジンで動くことができます。」
「乗員は4名で、車長・砲手・操縦手・装填手です。」
 「砲撃の照準は画像照準機で夜間の照準も可能です。」
「なんと、それはマジですか?」と、軍曹だ。
 「え、え、マジです。」
「なら、露スケの戦車なぞ・・・」
 「まあ、相手が10両でも1両で勝てます。」と、断言する主任だ。
さすがに、それは・・・と、言いたげな軍曹だが・・・
 日本人技師は嘘をいうのが下手くそなのだ。
「相手が、ドイツ帝国の虎でも十分ですよ。」
 「まさか?」と、軍曹が・・・
ドイツ帝国の虎とは、ドイツ帝国が対ソ連の決定版として計画した戦車である。
 装甲が砲塔の防盾で20センチというバケモノ戦車だ。
 
 矢田主任は、「軍資金が不足なのが、我が皇軍兵器工廠の弱みでした。」
「我々、技術者は開発費さえあれば、どんな要求でもこなしてみせますよ。」と、自信たっぷりな顔だ。
 「今回の試作は予算が潤沢だったからですよ。」と、あくまで限定的だと・・・
「この、九〇式なら数年は新型を開発しなくても勝てると思いますよ。」と、主任がいう。
 「まあ、数年ですが・・・その、数年で更なる新型を開発できますからね。」
「しかし、すごい戦車ですね。」「動くんですか。」と、思わずいう軍曹だ。
 「操縦や砲の取り扱いは八九式と、なんら変わらないですから・・・」
「今日は隊員の方々は?」
 「呼べば、すぐ来るよ。」
「なら、お願いします。」
 数分後には、ツイン・エンジンが暖気運転を・・・さすが、2基の18気筒は五月蠅いのだ。
藤川軍曹は騒音防止のヘッド・セットを耳へ・・・
 いままでは、ヘッド・セットにコードが・・・この新型はコードが無い。
つまり、新型九〇式は・・・車内のコーヒーメーカーまで新型だったのだ。
 使い方は、以前と同じなのだが・・・つまり、使い勝手が改良されてイイのである。
運転席も操作レバーや計器も八九式と同じなようだ。
 砲塔内で違いは、照準機のデカイ画面があることだ。
いままでは、光学式の眼鏡があったんだが・・・
 「まさか、画像装置まで・・・」と、軍曹が・・・
「いったい、いくらかかったんですか?」と、聞く軍曹だ。
 「う、うん、内緒ですが・・・八九式の10倍です。」と、明かす矢田主任だ。
「・・・・・・」(八九式が1両400円だから・・・4000円かよ・・・)
 当時、内地の地方都市の行政府の1年分の予算が5000円ほどだ。
藤川軍曹はユダヤ資本の恐ろしさが・・・ウワサ以上だと・・・
 米国のユダヤ資本は敵に廻したくないと・・・思ったそうだ。

 「では、試験場を1周してきます。」と、主任へいう。
「全速前進。」と、指示を発する軍曹だ。
 「ガクン。」と、いったんバックして前進する九〇式だ。
「40キロ巡行できそうか?」と、聞く軍曹だ。
 「え、え、トルクが倍ありますから、70キロは出そうです。」と、操縦手だ。
砲手が、会話へ入って・・・「軍曹殿、試射したいんですが。」と、聞いてくる。
 ここは、戦車の試運転場兼試射場でもあるからだ。
鹵獲して標的になった露スケ戦車の残骸が・・・あちら、こちらに・・・
 「ふむ、オレも88口径主砲が観たいからな。」
「よし、周りはオーブンだな。」と、周囲を確認する。
 「こちら、九〇式、矢田主任どうぞ。」と、ヘッド・セットを無線送信へ切り替える。
「こちら、矢田だ。」「なんかあったか?」
 「いえ、試射しても?」
「あ、あ、西住隊長からは、全権をまかされてるから・・・いいぞ。」
 「わかりました。」と、無線から車内通話へ切り替える。
「試射OKだそうだ。」
 「では、あそこの標的なんて、どうです。」と、かなり遠方の残骸を示す砲手だ。
砲塔内部の照準、画面には戦車の残骸が拡大して写っている。
 レバー操作で照準点を残骸へ・・・
「用意よし。」と、砲手だ。
 藤川軍曹は遠方の残骸を指して、「てぇーーーーっ。」と、砲撃合図だ。
「ドウン。」と、88口径の主砲が後退する。
 「弾着、いまーーっ。」と、砲手だ。
「ガシャン、ドシャン、バウン。」と、残骸は飛散して・・・後には、何も残らなかった。
 「すごいぞ。」
「なんて、命中率だ。」
 「距離1000は下るまい。」
「横の後ろのヤツも、できるか?」と、軍曹が聞く。
 「任されよ。」と、砲手だ。
先ほど破壊した残骸の後ろに残骸が見えるんだが・・・距離は2000以上かな・・・
 さあ、砲手が画面の画像倍率をあげた。


 
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

小さなことから〜露出〜えみ〜

サイコロ
恋愛
私の露出… 毎日更新していこうと思います よろしくおねがいします 感想等お待ちしております 取り入れて欲しい内容なども 書いてくださいね よりみなさんにお近く 考えやすく

ママと中学生の僕

キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

クラスメイトの美少女と無人島に流された件

桜井正宗
青春
 修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。  高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。  どうやら、漂流して流されていたようだった。  帰ろうにも島は『無人島』。  しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。  男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?

サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由

フルーツパフェ
大衆娯楽
 クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。  トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。  いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。  考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。  赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。  言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。  たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。

大日本帝国、アラスカを購入して無双する

雨宮 徹
歴史・時代
1853年、ロシア帝国はクリミア戦争で敗戦し、財政難に悩んでいた。友好国アメリカにアラスカ購入を打診するも、失敗に終わる。1867年、すでに大日本帝国へと生まれ変わっていた日本がアラスカを購入すると金鉱や油田が発見されて……。 大日本帝国VS全世界、ここに開幕! ※架空の日本史・世界史です。 ※分かりやすくするように、領土や登場人物など世界情勢を大きく変えています。 ※ツッコミどころ満載ですが、ご勘弁を。

枢軸国

よもぎもちぱん
歴史・時代
時は1919年 第一次世界大戦の敗戦によりドイツ帝国は滅亡した。皇帝陛下 ヴィルヘルム二世の退位により、ドイツは共和制へと移行する。ヴェルサイユ条約により1320億金マルク 日本円で200兆円もの賠償金を課される。これに激怒したのは偉大なる我らが総統閣下"アドルフ ヒトラー"である。結果的に敗戦こそしたものの彼の及ぼした影響は非常に大きかった。 主人公はソフィア シュナイダー 彼女もまた、ドイツに転生してきた人物である。前世である2010年頃の記憶を全て保持しており、映像を写真として記憶することが出来る。 生き残る為に、彼女は持てる知識を総動員して戦う 偉大なる第三帝国に栄光あれ! Sieg Heil(勝利万歳!)

処理中です...