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再び、モンゴルとの国境紛争が・・・
なんて、懲りないイワン野郎なんだよ・・・
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ここはお国の何百里・・・離れて遠い満州の・・・広大な荒れ野、いや禿山の連なるモンモンハン地方である。
満州国は、軍閥乱れるシナ(中華民国)とソビエト連邦(真っ赤な独裁国)モンゴル共和国(ソ連の傀儡国)に接している。
北京から故郷へ還ってきた清王朝の満州国だが・・・建国して、まだ数年だ。
それで、いわれのない国境紛争を抱えているのである。
相手はシナ(中華民国)とモンゴルだが・・・モンゴルはソ連の傀儡政権だからソ連軍が相手である。
シナの領土は初代始皇帝が定めているのだ。
そう、万里の長城までである。
満州国は万里の長城の北方に建国されてるから、シナにとやかく言われる道理は無いのだ。
そこは、清王朝の故郷であり女真族の土地であるのだ。
しかし、建国されて日が浅い国は防衛が脆弱になりやすい。
軍閥の争いに巻き込まれて・・・満州の地へ逃避した清王朝なら、なおさらである。
それで、日本へ泣きついたのだ。
なぜなら、満州国を日本陸軍の石原閣下が建国したからである。(これは、史実だ。)
わずか、3万の皇軍(日本陸軍)で、軍閥を万里の長城から南方へ追い払ってしまったのだ。
烏合の衆の軍閥軍だから・・・軍規厳しい皇軍にとり、シナ兵を追い払うことは・・・
シナ兵は軍規も無く、単なる山賊に等しい統制がとれてない軍だったからである。
当時の日本陸軍は平均的な練度が世界イチの実力だったのだ。
なぜなら、読み書きソロバンは当然で協調性が国民性の日本人の軍隊だからである。
軍隊は個人の能力がバラバラでは強く無いのである。
軍隊全体の兵の能力が均一なら、その力に見合った作戦で無双できるのだ。
1人対1人では、露スケに体力で負けてしまう皇軍兵だが・・・集団になると、一致団結して恐ろしい実力を発揮するのだ。
「ふう、ウルムチ殿。」
「なんだ、チンデム。」
「いつ、また露スケは来るんじゃろう・・・」と、チンデムがため息だ。
「うぬ。」「わからん。」と、答える騎馬隊長のウルムチだ。
ここは、モンモンハンの丘の上だ。
周りが見渡せるから斥候には都合がいいのだ。
「しかし、なぜ露スケはモンゴル兵を騙って(だまし)越境してくるんだろ?」と、チムデンがいう。
「まあ、もっともな事だが。」「やつらは、日本とマジで開戦したくはないからだ。」
「日露戦争で負けてるからな。」
「あのときの敗残がトラウマだそうだ。」
なんせ、ロシア軍として全滅に近い敗北なんて・・・初めてだからである。
ドイツ帝国と欧州で覇権を争っていたロシア帝国だったからだ。
「だから、モンゴルという傀儡政権をこさえて、そこから越境してくるのだ。」と、ウルムチが吐くように言う。
「あ、あ、だから前列にモンゴル兵がいるんか。」と、納得したチムデンだ。
「そうだ、弾除けさ。」と、モンゴル兵を見下すウルムチだ。
同じ遊牧民だが・・・モンゴルとは相いれない女真族だ。
他民族の遊牧民とは、よそ者だ仲が悪いのは当たり前田のクラッカーなのである。
牧草地の争奪戦なのである。
満州国へ日本軍から小銃が輸入されて、モンゴル騎馬隊を排除できたほどなのだ。
ソ連軍はモンゴル軍へは連発銃までは配備させていない。
単発の小銃だけだ。
それも、先込め銃だ。(火縄銃から火縄を無くしたヤツ。)
5連発の三八式に勝てるわけはないのである。
ソ連軍はトルコとの戦争で使ったロシア帝政時代の古い銃をモンゴル軍へ渡したようだ。
まあ、モンゴルを信用していないということだ。(赤いヤツらは、相互信頼が皆無だ。)
ところが、日本軍は我が騎馬隊を信頼してくれている。
それは、三八式歩兵銃の正規品を渡してくれるからだ。
普通、武器の輸出なら外国へはモンキー・モデルを輸出するからだ。
モンキー・モデルとは正規品より劣悪なモデルということだ。
三八式歩兵銃にはご紋章が・・・皇室マークだ。
そのマークをモンキーモデルへ刻むことは無いそうだ。
ご紋章が無ければ、モンキーモデルということである。
「さて、あと少し見回るか。」と、愛馬の手綱を牽くウルムチだ。
2騎の国境偵察隊は丘を・・・・
そこで、愛馬が異変に気が付く・・・動物のカンというやつだ。
「どうした?」と、馬を停めて付近の気配をうかがう・・・ウルムチだ。
「隊長、何ですか?」と、チムデンだ。
「しっ~っ!」と、制する。
風に乗って・・・エンジン音が流れてくるような雰囲気が・・・
「よし、あの丘にあがるぞ。」と、少し先の小高い丘を示す。
女真族の馬は競走馬では無い。
気性が荒いが、粗食に耐える満州馬である。(日本の木曽馬と同種だ。)
もちろん、馬のキンタマは盗って無いのだ。
だから、馬車を曳くときは単騎が原則だ。
(これは、ラノベだ嘘ハッタリは多いからね。)
ウルムチは日本の矢田主任から渡された、東京光学製の双眼鏡でモンゴル方向を・・・
「ん、なんだ!」と、押し殺して叫ぶウルムチだ。
「隊長、オレにも・・・」と、チムデンだ。
双眼鏡をチムデンに渡す。
小銃は員数分あるが・・・さすがに双眼鏡は幹部のみだ。
「この前のヤツとは形が違うぞ。」と、叫ぶチムデンだ。
「いそぐぞ。」と、馬を返すウルムチだ。
「待ってくれよ。」と、あとを追う。
こうして、約2時間後には奉天市の派遣戦車隊本部へ暗号電信通信が届いたのだった。
藤川隊長あて、満州騎馬隊ウルムチより・・・との電文を伝令から受け取る藤川軍曹だ。
「おい、八九式を使うときが思ったより早くきたぞ。」
「隊員、全員へ招集をかけろ。」
「ハイ。」と、伍長がサイレンのレバーを・・・
満州派遣戦車隊の無線通信塔から非常警報が鳴り響く。
戦車庫の電動扉が重々しく開く。(排気ガスが出るからだ。)
整備士連中が暖気運転を・・・
隣接している奉天女学校では、戦車隊員の見送りの列のために集合が掛けられている。
出撃には満州娘の見送りが欠かせないからだ。
さあ、新型八九式はソ連軍戦車に通用するかっ!
天気晴朗なれど、西風強しだ・・・
満州国は、軍閥乱れるシナ(中華民国)とソビエト連邦(真っ赤な独裁国)モンゴル共和国(ソ連の傀儡国)に接している。
北京から故郷へ還ってきた清王朝の満州国だが・・・建国して、まだ数年だ。
それで、いわれのない国境紛争を抱えているのである。
相手はシナ(中華民国)とモンゴルだが・・・モンゴルはソ連の傀儡政権だからソ連軍が相手である。
シナの領土は初代始皇帝が定めているのだ。
そう、万里の長城までである。
満州国は万里の長城の北方に建国されてるから、シナにとやかく言われる道理は無いのだ。
そこは、清王朝の故郷であり女真族の土地であるのだ。
しかし、建国されて日が浅い国は防衛が脆弱になりやすい。
軍閥の争いに巻き込まれて・・・満州の地へ逃避した清王朝なら、なおさらである。
それで、日本へ泣きついたのだ。
なぜなら、満州国を日本陸軍の石原閣下が建国したからである。(これは、史実だ。)
わずか、3万の皇軍(日本陸軍)で、軍閥を万里の長城から南方へ追い払ってしまったのだ。
烏合の衆の軍閥軍だから・・・軍規厳しい皇軍にとり、シナ兵を追い払うことは・・・
シナ兵は軍規も無く、単なる山賊に等しい統制がとれてない軍だったからである。
当時の日本陸軍は平均的な練度が世界イチの実力だったのだ。
なぜなら、読み書きソロバンは当然で協調性が国民性の日本人の軍隊だからである。
軍隊は個人の能力がバラバラでは強く無いのである。
軍隊全体の兵の能力が均一なら、その力に見合った作戦で無双できるのだ。
1人対1人では、露スケに体力で負けてしまう皇軍兵だが・・・集団になると、一致団結して恐ろしい実力を発揮するのだ。
「ふう、ウルムチ殿。」
「なんだ、チンデム。」
「いつ、また露スケは来るんじゃろう・・・」と、チンデムがため息だ。
「うぬ。」「わからん。」と、答える騎馬隊長のウルムチだ。
ここは、モンモンハンの丘の上だ。
周りが見渡せるから斥候には都合がいいのだ。
「しかし、なぜ露スケはモンゴル兵を騙って(だまし)越境してくるんだろ?」と、チムデンがいう。
「まあ、もっともな事だが。」「やつらは、日本とマジで開戦したくはないからだ。」
「日露戦争で負けてるからな。」
「あのときの敗残がトラウマだそうだ。」
なんせ、ロシア軍として全滅に近い敗北なんて・・・初めてだからである。
ドイツ帝国と欧州で覇権を争っていたロシア帝国だったからだ。
「だから、モンゴルという傀儡政権をこさえて、そこから越境してくるのだ。」と、ウルムチが吐くように言う。
「あ、あ、だから前列にモンゴル兵がいるんか。」と、納得したチムデンだ。
「そうだ、弾除けさ。」と、モンゴル兵を見下すウルムチだ。
同じ遊牧民だが・・・モンゴルとは相いれない女真族だ。
他民族の遊牧民とは、よそ者だ仲が悪いのは当たり前田のクラッカーなのである。
牧草地の争奪戦なのである。
満州国へ日本軍から小銃が輸入されて、モンゴル騎馬隊を排除できたほどなのだ。
ソ連軍はモンゴル軍へは連発銃までは配備させていない。
単発の小銃だけだ。
それも、先込め銃だ。(火縄銃から火縄を無くしたヤツ。)
5連発の三八式に勝てるわけはないのである。
ソ連軍はトルコとの戦争で使ったロシア帝政時代の古い銃をモンゴル軍へ渡したようだ。
まあ、モンゴルを信用していないということだ。(赤いヤツらは、相互信頼が皆無だ。)
ところが、日本軍は我が騎馬隊を信頼してくれている。
それは、三八式歩兵銃の正規品を渡してくれるからだ。
普通、武器の輸出なら外国へはモンキー・モデルを輸出するからだ。
モンキー・モデルとは正規品より劣悪なモデルということだ。
三八式歩兵銃にはご紋章が・・・皇室マークだ。
そのマークをモンキーモデルへ刻むことは無いそうだ。
ご紋章が無ければ、モンキーモデルということである。
「さて、あと少し見回るか。」と、愛馬の手綱を牽くウルムチだ。
2騎の国境偵察隊は丘を・・・・
そこで、愛馬が異変に気が付く・・・動物のカンというやつだ。
「どうした?」と、馬を停めて付近の気配をうかがう・・・ウルムチだ。
「隊長、何ですか?」と、チムデンだ。
「しっ~っ!」と、制する。
風に乗って・・・エンジン音が流れてくるような雰囲気が・・・
「よし、あの丘にあがるぞ。」と、少し先の小高い丘を示す。
女真族の馬は競走馬では無い。
気性が荒いが、粗食に耐える満州馬である。(日本の木曽馬と同種だ。)
もちろん、馬のキンタマは盗って無いのだ。
だから、馬車を曳くときは単騎が原則だ。
(これは、ラノベだ嘘ハッタリは多いからね。)
ウルムチは日本の矢田主任から渡された、東京光学製の双眼鏡でモンゴル方向を・・・
「ん、なんだ!」と、押し殺して叫ぶウルムチだ。
「隊長、オレにも・・・」と、チムデンだ。
双眼鏡をチムデンに渡す。
小銃は員数分あるが・・・さすがに双眼鏡は幹部のみだ。
「この前のヤツとは形が違うぞ。」と、叫ぶチムデンだ。
「いそぐぞ。」と、馬を返すウルムチだ。
「待ってくれよ。」と、あとを追う。
こうして、約2時間後には奉天市の派遣戦車隊本部へ暗号電信通信が届いたのだった。
藤川隊長あて、満州騎馬隊ウルムチより・・・との電文を伝令から受け取る藤川軍曹だ。
「おい、八九式を使うときが思ったより早くきたぞ。」
「隊員、全員へ招集をかけろ。」
「ハイ。」と、伍長がサイレンのレバーを・・・
満州派遣戦車隊の無線通信塔から非常警報が鳴り響く。
戦車庫の電動扉が重々しく開く。(排気ガスが出るからだ。)
整備士連中が暖気運転を・・・
隣接している奉天女学校では、戦車隊員の見送りの列のために集合が掛けられている。
出撃には満州娘の見送りが欠かせないからだ。
さあ、新型八九式はソ連軍戦車に通用するかっ!
天気晴朗なれど、西風強しだ・・・
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