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これが、我が軍のカモフラージュだ!
現場の色に溶け込むのだ。
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「よし、敵も攻(せ)まってきている・・・散るぞ。」「おう。」
派遣皇軍戦車隊員らは・・・それぞれの愛車(搭乗する戦車)へ・・・
1号車は、藤川軍曹が車長だ。
2号車は、東丸伍長が車長だ。
3号車は上田車長だ。(階級は先任上等兵)
枯れ枝のカモフラージュを戦車の砲塔前部へ・・・
そして、砲口には土色の和紙を貼る徹底ぶりなのだ。
季節は晩秋である。
満州平原は秋一色の黄土色なのである。
車体は、枯れた緑色と黄土色のマダラ模様だ。
もちろん、車長の戦車帽にも枯草が・・・
そして、顔は・・・黄色いから、まんまだな。
日本人は、待ち伏せ攻撃用の顔色なのである。
そして、銀色だった無線アンテナ(長さ、60cm)は黄土色の布カバーで・・・徹底してるのが・・・日本式のカモフラージュである。
もちろん、無線機のマイクやマイクのコードにもカモフラージュが当然なのである。
「しかし、布のカバーとは考えましたね。」
「あ、あ、使わなくなった軍服からニャンニャンらが裁縫してくれたからな。」
実は、以前は土色の塗料を・・・ところが、これが剥がれてしまうのだ。
マイクのコードやアンテナは固定してないからだ。
軍服の洗濯や裁縫は、専属メイドの9名の仕事なのである。
まあ、藤川軍曹らに裁縫の腕なんて・・・ハナっから無いからだ。
そして・・・待ち伏せ位置へ戦車を隠して・・・
軍曹は、それらを観て廻ったんだが・・・まったく、わからなかったので・・・
「うむ。」「だいぶ、慣れてきたようだな。」と、変な安心を・・・・
隠れることが、うまくなっても感心なぞあまりできないからね・・・
そのころ、エンジンの回転速度制限を欠けられて・・・時速20キロ以下の程度(ヒトが歩く速度)で・・・承徳へ進軍するドイ帝国軍の3両のⅡ号改戦車は・・・あと、2キロの地点へと・・・
「くそっ、まだ町が見えないぞ。」と、ボルト少尉が焦る。
「おい、カント軍曹。」「ハイ。」
「給油トラックで先行して、様子見だ。」
「了解しました。」
給油トラックはダイムラー製で荒野でも40キロ毎時は出せるからだ。
「いいか、町の雰囲気でいいからな。」「武器が無いから無理はするなよ。」
「わかりました。」と、素直な返事だ。
そんなこと、素人じゃないから・・・なんて、部下は下手な返事はしないのだ。
罰ゲームでも、喰らわされると・・・たまんないからね。
最悪、飯抜きも・・・軍隊で飯抜きは辛いのだ。
なぜなら、飯だけが軍隊での平穏だからである。
サイモン技師から借りたトラックで・・・承徳の町を目指す。
もちろん、荷台のタンク内の燃料はカラだ。
3両の戦車は給油が終わり、カラになって軽快なトラックである。
町へ侵攻する前だから、燃料タンクは満タンにするのがセオリーである。
ドイツ軍の給油トラックで時速40キロで・・・2キロ程度なんて、あっという間だ。
「ほう、やけに静かだな・・・」と、町へ入るカント軍曹だ。
トラックは軍隊の兵器ではない。
まあ、普通のトラックで、ドイツ帝国軍の掲示なんて必要ない。
それで、普通の外観である。
カント軍曹が軍服なくらいだ。
まさか、シナ人の服装なんて・・・シナ人がダイムラー製のトラックに・・・まず、疑われるからね。
この地域に、ダイムラー製トラックというだけでドイツ帝国となるのは当然だ。
「おい、見てみろよ。」と、東丸伍長が砲手へ・・・潜望鏡を・・・
「トラックが来ただろう。」「そうみたいですね。」
「どう、思う。」
「シナ軍では無いですね。」
「シナには給油タンクを載せたトラックなんて、あるわけ無いですからね。」
「そうだな、やはりドイツ帝国軍だな。」と、東丸伍長だ。
「しかし、敵は軍隊ではないですよ。」
「あ、あ、武器も無いようだ。」
「見逃しますか。」
「だぶん、斥候だろう。」「無線を入れる。」
東丸伍長はマイクのPTTスイッチを押して。
「こちら2号車、1号どうぞ。」
「1号だ、どうぞ。」
「敵の斥候とおぼし給油トラックが・・・」と、状況を説明する。
「了解だ、見逃せ。」と、軍曹だ。
「いいか、我らが潜んでることは悟られるなよ。」
「了解。」と、短く無線を切る。
「よし、知らん顔作戦だ。」
こうして、カント軍曹のトラックは・・・承徳の町を・・・抜けてしまう・・・
「あれっ、町を抜けてしまった。」「敵も、何も無いじゃないか。」
あわてて、Uタ~ンして・・・戻るカント軍曹である。
もちろん、住民はとっくに退避して・・・町の住民は誰も残っていないのだ。(避難を徹底させた日本軍である。)
「これは、どうやら住民は逃げて・・・ジャツプ野郎も・・・」と、報告するカント軍曹だ。
「黄色い猿も、いなかったんだな。」と、再度聞くボルト少尉だ。
「え、え、みませんでした。」「うむ。」
ボルト少尉も下士官としての作戦立案など・・・それなりの戦略思考はもっている。
・・・まてよ、日本軍は待ち伏せ攻撃が得意だったな・・・
「わかった。」と、答えた少尉だったが・・・
内心、ヤツらは待ち伏せてるに決まってるぞ・・・さて、どう進軍するべきか・・・
ここが、思案のしどころのようである・・・
派遣皇軍戦車隊員らは・・・それぞれの愛車(搭乗する戦車)へ・・・
1号車は、藤川軍曹が車長だ。
2号車は、東丸伍長が車長だ。
3号車は上田車長だ。(階級は先任上等兵)
枯れ枝のカモフラージュを戦車の砲塔前部へ・・・
そして、砲口には土色の和紙を貼る徹底ぶりなのだ。
季節は晩秋である。
満州平原は秋一色の黄土色なのである。
車体は、枯れた緑色と黄土色のマダラ模様だ。
もちろん、車長の戦車帽にも枯草が・・・
そして、顔は・・・黄色いから、まんまだな。
日本人は、待ち伏せ攻撃用の顔色なのである。
そして、銀色だった無線アンテナ(長さ、60cm)は黄土色の布カバーで・・・徹底してるのが・・・日本式のカモフラージュである。
もちろん、無線機のマイクやマイクのコードにもカモフラージュが当然なのである。
「しかし、布のカバーとは考えましたね。」
「あ、あ、使わなくなった軍服からニャンニャンらが裁縫してくれたからな。」
実は、以前は土色の塗料を・・・ところが、これが剥がれてしまうのだ。
マイクのコードやアンテナは固定してないからだ。
軍服の洗濯や裁縫は、専属メイドの9名の仕事なのである。
まあ、藤川軍曹らに裁縫の腕なんて・・・ハナっから無いからだ。
そして・・・待ち伏せ位置へ戦車を隠して・・・
軍曹は、それらを観て廻ったんだが・・・まったく、わからなかったので・・・
「うむ。」「だいぶ、慣れてきたようだな。」と、変な安心を・・・・
隠れることが、うまくなっても感心なぞあまりできないからね・・・
そのころ、エンジンの回転速度制限を欠けられて・・・時速20キロ以下の程度(ヒトが歩く速度)で・・・承徳へ進軍するドイ帝国軍の3両のⅡ号改戦車は・・・あと、2キロの地点へと・・・
「くそっ、まだ町が見えないぞ。」と、ボルト少尉が焦る。
「おい、カント軍曹。」「ハイ。」
「給油トラックで先行して、様子見だ。」
「了解しました。」
給油トラックはダイムラー製で荒野でも40キロ毎時は出せるからだ。
「いいか、町の雰囲気でいいからな。」「武器が無いから無理はするなよ。」
「わかりました。」と、素直な返事だ。
そんなこと、素人じゃないから・・・なんて、部下は下手な返事はしないのだ。
罰ゲームでも、喰らわされると・・・たまんないからね。
最悪、飯抜きも・・・軍隊で飯抜きは辛いのだ。
なぜなら、飯だけが軍隊での平穏だからである。
サイモン技師から借りたトラックで・・・承徳の町を目指す。
もちろん、荷台のタンク内の燃料はカラだ。
3両の戦車は給油が終わり、カラになって軽快なトラックである。
町へ侵攻する前だから、燃料タンクは満タンにするのがセオリーである。
ドイツ軍の給油トラックで時速40キロで・・・2キロ程度なんて、あっという間だ。
「ほう、やけに静かだな・・・」と、町へ入るカント軍曹だ。
トラックは軍隊の兵器ではない。
まあ、普通のトラックで、ドイツ帝国軍の掲示なんて必要ない。
それで、普通の外観である。
カント軍曹が軍服なくらいだ。
まさか、シナ人の服装なんて・・・シナ人がダイムラー製のトラックに・・・まず、疑われるからね。
この地域に、ダイムラー製トラックというだけでドイツ帝国となるのは当然だ。
「おい、見てみろよ。」と、東丸伍長が砲手へ・・・潜望鏡を・・・
「トラックが来ただろう。」「そうみたいですね。」
「どう、思う。」
「シナ軍では無いですね。」
「シナには給油タンクを載せたトラックなんて、あるわけ無いですからね。」
「そうだな、やはりドイツ帝国軍だな。」と、東丸伍長だ。
「しかし、敵は軍隊ではないですよ。」
「あ、あ、武器も無いようだ。」
「見逃しますか。」
「だぶん、斥候だろう。」「無線を入れる。」
東丸伍長はマイクのPTTスイッチを押して。
「こちら2号車、1号どうぞ。」
「1号だ、どうぞ。」
「敵の斥候とおぼし給油トラックが・・・」と、状況を説明する。
「了解だ、見逃せ。」と、軍曹だ。
「いいか、我らが潜んでることは悟られるなよ。」
「了解。」と、短く無線を切る。
「よし、知らん顔作戦だ。」
こうして、カント軍曹のトラックは・・・承徳の町を・・・抜けてしまう・・・
「あれっ、町を抜けてしまった。」「敵も、何も無いじゃないか。」
あわてて、Uタ~ンして・・・戻るカント軍曹である。
もちろん、住民はとっくに退避して・・・町の住民は誰も残っていないのだ。(避難を徹底させた日本軍である。)
「これは、どうやら住民は逃げて・・・ジャツプ野郎も・・・」と、報告するカント軍曹だ。
「黄色い猿も、いなかったんだな。」と、再度聞くボルト少尉だ。
「え、え、みませんでした。」「うむ。」
ボルト少尉も下士官としての作戦立案など・・・それなりの戦略思考はもっている。
・・・まてよ、日本軍は待ち伏せ攻撃が得意だったな・・・
「わかった。」と、答えた少尉だったが・・・
内心、ヤツらは待ち伏せてるに決まってるぞ・・・さて、どう進軍するべきか・・・
ここが、思案のしどころのようである・・・
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