満州国、戦車開発会社

ゆみすけ

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ソ連軍司令官の迷いとは?

半数以上がヤラれた、どうすべきか?

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 10両のソ連軍T-2型戦車が履帯が切れて・・・4両となってしまった。
広場で戦車を並べて、作戦を練るイワン司令官である。
 履帯が切れた以外は戦車は無事なのだから・・・それなりの工具と修理工がいれば修理できるのだが・・・
まさか、日本軍戦車が出てくるなんて、思ってもみなかったソ連軍だ、そんな備えは無い。
 燃料を補給するトラック隊が、郊外で待機してるだけである。
そのトラック隊も、動けない戦車から遁走したソ連兵と合流すれば・・・トラックごと、シベリア前線基地へ・・・
 「プーチャン伍長。」「ハイ。」
「燃料は、どうか?」「あと、1時間分はあります。」
 つまり、半分ということだ。
・・・どうする・・・ここで、撤退しても・・・日本軍の戦車の情報があれば・・・たぶん、更迭はされないだろう・・・
 まさか、あそこまで日本軍戦車が対抗できるなんて・・・思ってもみなかったイワン司令だ。
おそらく、戦車の性能は我が軍のT-2型とトントンかそれ以上かもしれない・・・
 日本軍戦車の連携作戦に次々と戦車の履帯を破壊されて・・・行軍が頓挫しているソ連軍なのだ。
「しかし、わが軍はチチハルまでも攻め込んだんだぞ。」と、戦果を誇張するイワン司令だ。
 はじめの予想では、10両の戦車で満州騎馬隊を殲滅して・・・との、作戦だったのだ。
ところが、いきなりの日本軍の戦車隊である。
 「くそっ、情報部の野郎・・・黄色い猿の援軍は無いとの話だったんだ。」と、悔しがる司令である。
「日本軍が出てくるのは、最低でも3ケ月はかかると・・・踏んでいたのだ。」
 「それが、しょっぱなからの日本軍だ、それも戦車隊だ。」
「しかも、なんとなく対戦車戦を予想したかのような日本軍の作戦だ。」
 「たしかに日本軍の砲撃では、我がT-2型の装甲は抜けないようだが。」
「それで、履帯のピンを変な砲弾で狙ってきたようだ。」
 イワン司令は、切れた履帯のピンを検分してみたところ・・・別の金属が隙間に入り込んで・・・履帯の隙間が詰まり、それで折れたような・・・
 これは、まるで我が軍の戦車の欠点を始めから知ってたかのようである。
だから、3両でも・・・我が戦車隊へ平然と向かってきて・・・あっという間に、4両へ・・・減ってしまったに違いない・・・
 イワン司令官は情報の出所を予想するが・・・まさか、欧州戦線でのドイツ帝国から英国スパイが得てるなんて・・・そこまで、イワン司令官は情報通ではないようだ。

 「ここは、なんとしても情報をモスクワへ知らせる必要があるぞ。」と、声高に述べる司令だ。
「プーチャン伍長。」「ハイ。」
 「切れた履帯と敵の砲弾の破片を持って、基地へ帰投するぞ。」
「目的は日本軍の殲滅ではないからな。」
 「わかりました。」と、数人の部下が切れた履帯やピンに詰まった砲弾の破片を収集する。
「よし、日本軍が再度むかってくるやもしれん。」「撤退するぞ。」
 4両のソ連軍戦車はチチハルの町を抜け出した・・・
と、町はずれに・・・退避した戦車兵らが・・・まっていたようだ。
 なぜかって、ここから基地までは、徒歩では・・・無理だろう。
馬車と食料が必要だからだ。
 そして、燃料給油して・・・ソ連軍は日本軍戦車の情報を持って・・・シベリア基地へ・・・帰投したのだった。

 「軍曹殿。」「なんだ?」
「やつらが帰っていったアルヨ。」と、満州軍の騎馬兵が報告だ。
 「よし、間違いないか・・・数騎で跡をつけて、間違いないかの確認をしてくれ。」と、指示を出す。
つまり、満州とソ連との国境付近まで奴らの跡をつけて確認をと指示したのだ。
 こういう偵察は騎馬に向いてるからだ。
数日後、ソ連軍の戦車4両が国境を越えて戻っていったことが判明したのだった。
 こうして、最初の戦車戦は日本軍戦車隊の大勝利で幕を閉じたのだった。
跡には、エンコしたソ連軍のT-2型が6両ほど・・・チチハル町内の狭い道路を塞いで・・・住民からの苦情が満州政府へ・・・
 それで、満州政府がソ連邦へ質問状を送るが・・・無しのつぶてだったとか・・・
満州国への侵攻なぞ、なかったかのような態度のソ連邦のモスクワ政府の態度だったのだ。
 もちろん、日本政府は・・・なんも発表しなかったのだ。
満州国へ軍を派遣したなんて、おくびにも出せないからね・・・
 日本政府は、国際連盟(スイスが本部)の常任理事国だったからね。
他国に黙って、軍を派遣なんてできないからだ。(それも、戦車隊だ。)





 
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