満州国、戦車開発会社

ゆみすけ

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7両VS3両に、なったぞ!

死んで、花実が咲くものかっ! 

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 無線電信で他の2両の戦車も初弾攻撃が成功したと入電だ。
どうやら、敵の戦車は3両が頓挫したようだ。
 「これで、相手は7両だぞ。」「なんとか、なりそうだぞ。」と、軍曹の顔に血色が戻る。
死を覚悟して・・・意にそぐわない戦いに駆り出した責任を痛感していた軍曹なのである。
 満州軍へ加勢することなく、内地へ帰還しても文句は言われないだろう・・・
なぜなら、軍曹ら9名は三八式歩兵銃の訓練の教員としての派遣だったからだ。
 内地の軍令部が、もうすこし・・・将来の予測ができてれば・・・ソ連軍の侵攻に備えて、ある程度の軍を派遣していただろう。
 欧州のドイツ帝国との紛争で、ソ連軍もシベリアから満州への侵攻の動きは無いと踏んでいた我が軍令部の汚点だ。(油断なのだ。)
 なんせ、現実に終戦間際にソ連軍が不可侵条約を破って満州へ侵攻して・・・北海道へも・・・ソ連領へ・・・
そうなのだ、ソ連邦、つまりロシアは約束を平気で破る国家であり、ロシア人の国民性なのだ。
 特亜三国(シナ、南北朝鮮)やロシアは条約なぞ、平気で破る国家なのだ。
現実に、ウクライナ侵攻がそうである。
 シナのウイグルやチベット侵略がそうである。(弱小民族の末路である。)
そして、シナはベトナムにも侵攻したんだが・・・ベトナムにゲリラ戦で破れて・・・逃げ帰ったシナ軍なのだ。
 国際条約なぞ、立儀に守る国は、我が皇国くらいなのだ。
だから、国際的に日本の信用は最高レベルなのである。(伊達に、建国2600有余年ではないからね。)

 「一度、態勢を整えるぞ。」「町はずれの倉庫の裏手に集まるように電信だ。」
「各戦車は了解の電信は?」「ハイ、了解だそうです。」「うむ。」
 「では、町はずれの倉庫裏手へ前進だ。」
八七式中戦車は最高速度の30キロ毎時で激走する。
 7両対3両の戦いの作戦の打合せを急がせる軍曹だ。
ソ連軍の7両が、どう動くか・・・だが・・・
 その予想は、町の詳細を把握してる日本軍が有利なのだ。
チチハル町の詳細な地図をソ連軍は持っていない。
 そこは、ソ連軍は力技で強引に攻めてくるしかないのだ。
兵隊を畑から収穫するソ連軍だ。
 兵卒の命は、我が日本陸軍より遥かに安価なのである。
まあ、シナや朝鮮兵よりは高価かもしれないが・・・ウクライナ戦でのロシア兵の戦死保証が安価だから・・・現実的な話なのである。
 「うむ、では次の作戦だが・・・」と、軍曹が他の8人を囲んで説明する。
「2号車は、ここへ布陣してくれ。」
 「3号車は、ここだ。」
「我が1号が敵を引き付けるから・・・」
 「この位置へ敵が来たら・・・履帯を狙ってくれ。」
「わかりました。」
 「しかし、軍曹殿にオトリの役を・・・」と、伍長が危惧する。
「少しは、役にたたねば・・・恐れ多くも・・・」と、軍曹が決意を示すのだ。
 全員が宮城方向へ頭(こうべ)を垂れる。
「陛下からお預かりしたキサマらに凱旋してもらわねばならんからな。」
 軍曹は帰還した後のことまで考えてるのだ。
「応援部隊が到着して、もしも我らが全滅してては全体の士気にかかわる。」
 「なにがなんでも、勝ねばならんのだ。」
「でないと、日清・日露に勝利した先輩方へ顔向けができない。」
 8名の部下がうなずく。
ソ連軍戦車を殲滅して・・・内地へ凱旋するのだ。
 これが、満州平原での戦車戦だったら・・・そう、思うと冷や汗が出る藤川軍曹だ。
なぜって、戦車の性能が八七式が敵のヤツとトントンなのだからだ。
 数で戦えば、数が多い方が勝つのだ。
チチハルの焼きレンガの小屋という・・・隠れ蓑が・・・
 攻撃3倍の法則が戦場ではあるのだ。
守るより、攻める側は敵の3倍の兵隊が必要だ・・・という法則だ。
 それが、今回の紛争で明らかになってるではないかっ!
我が、日本の兵隊は・・・太古からゲリラ戦が得意である。
 かの、元寇のときは・・・博多沖に待機する元の高麗船へチョキ舟で夜襲をかけて・・・元の軍船が集団で固まるように・・・そこへ、台風の嵐が・・・
 先の大戦(大東亜戦争)では、硫黄島での栗林少将の地下壕からのゲリラ戦だ。(米軍はゲリラ戦には弱いのだ。)
攻める側は・・・かなりの損失が・・・硫黄島の戦いでは、損害は米軍が大きかった。

 「イワン司令殿。」「なんだ、プーチンチン参謀。」
「相手は日本軍で3両ほどの戦車らしいです。」と、日本軍が退避した履帯の跡を調べて判明したようだ。
 ソ連軍も日本軍が戦車を試作してることくらいは・・・把握しているようだ。
「やはりかっ、シナの野蛮人どもに戦車なんて無理だろうからな。」
 「よし、露日戦争の仕返しだぞ。」と、イワン司令が激を入れる。
「いいか、相手は3両だ。」「まだ、我が軍は7両が健在だ。」
 「突撃すれば、相手は全滅だぞ。」「おう!」
「日本軍は町の奥へ逃げ込んだようです。」と、報告が入る。
 戦車は走行すれば・・・履帯の跡が残るのだ。
よく、後部にホウキのようなモノをつけて・・・履帯の跡を消すなんて・・・
 それでも、掃いた跡が地面に残るから・・・バカでも判断できるのだ。
現実の戦闘は甘く無いのだ。
 「イワン司令官殿。」「なんだ、今度は。」
「どうしても、道幅が狭いので突撃が列になってしまいますが・・・」
 「そうだな、なんかアイデアはあるか?」と、参謀へ・・・
そんなもん、あるならシベリアなんぞに居るか・・・てっ、顔の参謀だ。
 戦車の突撃は市街地では、無謀な作戦だろう。
ドイツ軍のパンツァーカイルじゃないが・・・それなりの数の重戦車が必要なのだ。
 「司令殿ーーーーっ。」そこへ、見張っていた兵卒が速報だ。
「やつらが、やってきます。」
 「なんだとっ!」 もう、来やがったかという顔のイワン君だ。
「それで、何両だ?」
 「1両みたいでゲス。」と、報告する兵卒だ。
「そうかっ!」「わかったぞ。」と、わかった顔のイワン君が・・・
 「ヤツラは1両しか残ってないんだ。」と、判断する司令だ。
内心、日本軍は黄色い猿だから、戦車もショボイと思ってる。 
 「それで、日本軍得意のバンザイ突撃をかましてきたぞ。」と、ご機嫌な顔だ。
相手が1両なら、楽勝だからだ。
 「これで、モスクワへ・・・還れそうだ・・・と、内心ほくそ笑むイワン君だ。
あ、あ、懐かしのモスクワよ・・・いとしの、モスクワ。
 「よし、相手は1両しか残ってないぞ。」
「チチハルを占領して、凱歌をあげるぞーーーー。」
 こうして、チチハル町内での第2戦がはじまったのだ。
 


 
 

 
 

 

 
 
 
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