冒険者の学校。

ゆみすけ

文字の大きさ
上 下
245 / 273
オトド村が境界です。

住む世界の境界。

しおりを挟む
 「それで、断崖があるそうじゃな。」と、アマテラス様がオレへ話を振る。
「え、え、この世界の境界みたいなモノでしょうか。」「そうかへ。」
 「飛竜は飛べるで、越えてきたのかも。」と、想像を述べる。
「ヒトは、見ていません。」「おそらく、ヒトが住んでいないと思われます。」と、加えるオレだ。
 「わらわは、その土地は望まん。」「やはり、そちが発見した海の向こうを選ぶぞよ。」と、新大陸を選ぶアマテラス最高神である。
 「ご懸命な判断かと。」と、ご機嫌を取るオレだ。
「それに、あの土地は祖国からの移民船がいずれ・・・」と、上を見上げるアマテラス様だ。
 ウズメ姫乙が地球の日本政府へ知らせるために、長い帰還の旅へ・・・
「偶然とはいえ、土地を確保できたことは天祐じゃ。」と、女神様が・・・
 「そうですね、ヒトが住んでいない、更地ですからね。」と、物件として優良なのである。
「まだ、時間がかかるじゃろうが、わらわの星間航行船の動力部をいずれは移したいのじゃ。」
 「では、アマテラス様も。」と、オレが・・・
「うむ、わちきも移るつもりじゃ。」「そちも、連れて行くから、安心せい。」
 「ルイザは?」と、聞いた。
「そちの妻じゃ、当然じゃ。」「わらわの信者は全員じゃ。」と、太鼓判である。
 「それまでの準備は、頼むぞよ。」「ハ、ハ~ッ。」と、平伏するオレだ。
「しかし、ライラは、どうするかな。」と、まあ本人が決めるだろう。

 「あのう、アマテラス様。」「なんじゃ。」
「イルマを引き抜きたいのですが。」と、オレが・・・
 「どうしてじゃ。」と、アマテラス神が。
「オトド村へは別の治癒魔法士を、そしてイルマは確保したいからです。」と、オレが希望を述べる。
 「なにか、アンナと共通の雰囲気があるからです。」と、確信を附く。
「なんじゃと、そちがそう感じるんなら。」と、アマテラス様の許可を得る。
 最高神の許可を得て、イルマを確保するオレだ。
 「この、葉っぱのクッキーはイルマ製ですから。」と、クッキーをつまむオレである。
「冒険者の学校にスイーツ科を作るためです。」と、計画をアマテラス様へ・・・
 「新作ができましたら、試食は・・・」と、話を振る。
「そうかへ、わきちが・・・」と、アマテラス様の顔が輝く、黒髪が黒びかり・・・眩しいのだ。
 「よきにはからへ。」と、最高にご機嫌なアマテラス様である。
女神様もオナゴなのだ。 オナゴはスイーツには甘いのだ。
 治癒魔法科に更にスイーツ科を新設する許可を得たのである。
もちろん、ナデシコやルイザは賛成するのは当然だからだ。
 イルマを他人には渡すつもりは無い。
もちろん、本人の希望は尊重するが・・・(強制に決まってる。)

 とりあえず、冒険者学校へ・・・まあ、オレは正規の教員だし・・・
「あれっ、あんた何か用?」と、ルイザが職員室で聞く。
 つげない返事だ。 「オレも、ここのメンツなんだが。」「そうだったわね。」
「ナデシコは?」と、聞くと・・・「あんた、ナデシコへ手を出したら殺すわよ。」と・・・
 「オレは、おまえだけだ。」と、ゴマを擦る。
「いや、甘味の教科を新設しようかと。」と、いうオレだ。
 「あ、あ、その件なら出来てるわよ。」と、ルイザだ。
「えっ、もう?」と、オレが聞く。
 「え、え、あんたがお菓子屋の娘を優先してくれって、そういうことでしょ。」と、当然の顔のルイザだ。
ルイザもナデシコも、スイーツ(甘味)には眼が無いのだったのだった・・・・・
 なんと、オレの隣の机には、イルマが・・・座ってる。
気が付かなかった・・・イルマは小柄で目立たない娘だから・・・
 「イルマ、歓迎するよ。」と、オレが・・・
「あなたのおかげで、思いがけない身分(正規の教員)が・・・」と、イルマが・・・
 「いいや、君の腕がいいからさ。」と、お世辞じゃない本音のオレだ。
さすが、こういうことは動きが早いルイザだな・・・・

 「で、生徒は何人?」「え、え、10人は確保できました。」と、イルマがいう。
「なら、オレも試食なら参加したいが・・・」
 「それくらいなら、いいわよ。」と、ルイザの許可を得る。
たまにはルイザやナデシコも、いい仕事(イルマの確保)をするものだな・・・
 これで、治癒魔法科に攻撃魔法科、そして甘味科が・・・娯楽がプラスされてヤル気満々のオレなのだ。

 


 

 

しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由

フルーツパフェ
大衆娯楽
 クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。  トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。  いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。  考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。  赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。  言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。  たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。

日本列島、時震により転移す!

黄昏人
ファンタジー
2023年(現在)、日本列島が後に時震と呼ばれる現象により、500年以上の時を超え1492年(過去)の世界に転移した。移転したのは本州、四国、九州とその周辺の島々であり、現在の日本は過去の時代に飛ばされ、過去の日本は現在の世界に飛ばされた。飛ばされた現在の日本はその文明を支え、国民を食わせるためには早急に莫大な資源と食料が必要である。過去の日本は現在の世界を意識できないが、取り残された北海道と沖縄は国富の大部分を失い、戦国日本を抱え途方にくれる。人々は、政府は何を思いどうふるまうのか。

極悪家庭教師の溺愛レッスン~悪魔な彼はお隣さん~

恵喜 どうこ
恋愛
「高校合格のお礼をくれない?」 そう言っておねだりしてきたのはお隣の家庭教師のお兄ちゃん。 私よりも10歳上のお兄ちゃんはずっと憧れの人だったんだけど、好きだという告白もないままに男女の関係に発展してしまった私は苦しくて、どうしようもなくて、彼の一挙手一投足にただ振り回されてしまっていた。 葵は私のことを本当はどう思ってるの? 私は葵のことをどう思ってるの? 意地悪なカテキョに翻弄されっぱなし。 こうなったら確かめなくちゃ! 葵の気持ちも、自分の気持ちも! だけど甘い誘惑が多すぎて―― ちょっぴりスパイスをきかせた大人の男と女子高生のラブストーリーです。

性転のへきれき

廣瀬純一
ファンタジー
高校生の男女の入れ替わり

セクスカリバーをヌキました!

ファンタジー
とある世界の森の奥地に真の勇者だけに抜けると言い伝えられている聖剣「セクスカリバー」が岩に刺さって存在していた。 国一番の剣士の少女ステラはセクスカリバーを抜くことに成功するが、セクスカリバーはステラの膣を鞘代わりにして収まってしまう。 ステラはセクスカリバーを抜けないまま武闘会に出場して……

今更気付いてももう遅い。

ユウキ
恋愛
ある晴れた日、卒業の季節に集まる面々は、一様に暗く。 今更真相に気付いても、後悔してももう遅い。何もかも、取り戻せないのです。

婚約破棄騒動に巻き込まれたモブですが……

こうじ
ファンタジー
『あ、終わった……』王太子の取り巻きの1人であるシューラは人生が詰んだのを感じた。王太子と公爵令嬢の婚約破棄騒動に巻き込まれた結果、全てを失う事になってしまったシューラ、これは元貴族令息のやり直しの物語である。

処理中です...