冒険者の学校。

ゆみすけ

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戦いの痕跡しかない。

三つの凹み。

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 「それで、この凹みが、その三つ首がぶつかった跡なの?」と、ルイザが聞く。
「あ、あ、そうだ。」「なんとかギリで、勝てたんだ。」と、討伐したことを強調するオレだ。
 ライラは、複雑な顔だ。 
「凹みだけでは、なんとも言えないわ。」と・・・ライラだ。
 アリスやユリコ、ユッコはオレの後ろで・・・ダンマリである。
イレーヌ(ライラの子の乳母)がライラの娘をあやしている。
 ライラは娘ばかりで、話なんて聞いてないようだ。
ルイザが、「いまのところ、街への危険はないようだわ。」と、結論だ。
 飛竜事件のような騒動の危険は無いと判断したようである。
やはり、三つ首を切り取って証拠にもってくるくらいじゃないと・・・
 それが、わかっているからアリスらはダンマリなんだな。
「せめて、ウロコの1枚だけでも。」と、いまさらな言動のオレである。

 とりあえず、学校へ・・・・攻撃型魔法少女の校舎へ・・・
巨大ロボの格納庫を作らねばならない。
 それまで、裏庭のランクルなどの車庫の横へ・・・ギリいれることができたのだ。
やはり、分解して四体へわかれる仕様は正解だった。
 これが、ロボットのままだと目立ってしょうがないからだ。
パワーショベルで住民が大騒動(魔道具)だったんだ。 巨大ロボでは、どう騒動が起きるかわからない。
 
攻撃型魔法少女らが、大先輩であるアリス、ユリコ、ユッコを出迎える。
 そこは、序列1位のアリスの威光なのだ。
しかし、皆が6歳くらいの幼女ばかりだ。 治癒魔法科は16歳程度だから、どうしても幼児科にしか見えない。
 アリスは全員へイルマ製のクッキーを振る舞った。
全員と言っても、攻撃魔法科の40名くらいだそうだ。
 「えっ、もう40名も・・・」と、絶句するオレだ。
なんせ、アンナが産む予定は・・・「そうだった、今は双子だ。」と、オレが幼女らを・・・
 どうみても同じ顔がふたりで・・・一度、アンナの様子を確認したほうが、オレが精子の提供者だからだ。
治癒魔法科は現地の娘らだが、攻撃魔法科は黒髪でクロ眼という区別がはっきりしているからである。
 そして、攻撃魔法科は教師がアマテラス様のクロ~ン女官だ、ということだ。
「みなさん、パパですわ。」と、アリスがオレを紹介する。
 どう、挨拶したものか? 
「ん、君らの父親だ。」と・・・全員のクロ眼がオレを注視する。
 眼力が・・・飲まれそうだ。
とても、40名もの名前は覚えられん・・・ 双子は見分けがつかないほど似てるし・・・
 首に抱き付いていたウズメ姫が、「あたいが教えたげるわ。」と、耳打ちだ。
攻撃型魔法少女らの体内のナノ・マシンと通信ができるウズメ姫だからかな・・・
 オレは自身のナノ・マシンとしかできないからだ。
そこは、女神様ということなのである。

 「そろそろ、祠へ。」と、ウズメ姫が催促だ。
アマテラス様への挨拶である。
 アリスとユリコ、ユッコを連れてご機嫌伺いである。
学校の馬車で・・・やはり、時代的に馬車が手ごろだからである。
 「アマテラス様、ご機嫌麗しく・・・・」と、平伏する。
「ここでは、なんじゃ・・・ついてまいれ。」と、アマテラス様が祠の面会の間から・・・
 岩山の祠の中なのだが・・・広い空間が・・・玉砂利を踏む。
アマテラス様の私室である。
 アマテラス様、個人の部屋である。
豪華さは微塵も無い。 質素なあばら家であるが、とても落ち着くのだ。
 日本の神様は贅沢な神様はいないのだ。 八百万の神様全員が質素なのである。
金銀財宝なぞ、全く使ってない。 普通の質素な民家なのだ。
 
 アリスが手土産を・・・女官へ渡す。 定番になったイルマのお手製クッキーである。
アマテラス様が・・・顔がほころんだ。 
 ここには、黒髪のクロ眼ばかりが揃う。
アマテラス様は輝くカラスの濡羽色だ。 黒色は輝くとまぶしいくらいだ。
 女神力がハンパ無いのだ。 八百万の神様の頂点だからである。
もちろん、日本製の高速計算機の究極型なんだが・・・意思があり、自我があり、もはや電子部品のカタマリというべきではないだろう。 
 その計算機が自身を創り出してのクロ~ンではあるが、目の前に存在してるからである。
神武建国以来、3200年以上の歴史と伝統の蓄積なのだ。 (現在から500年後くらいなのだ。)
 なんと、コーヒーである。 お茶ではないのだ。
「うむ、わらわもたまにはじゃ。」と、ケラケラとお笑いになるのだ。
 「やはり、いいのう。」と、アマテラス様が・・・・感慨深げな・・・
調査の事なぞ一言もおっしゃらない。 
 やはり、アマテラス様は最高の女神様である。


 
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