冒険者の学校。

ゆみすけ

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大洋の向こうには・・・

女神様の話。

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 「アマテラス様、お呼びで。」と、平伏するオレと、4名の魔法少女だ。
「おお、待ったいたぞよ。」と、顔が輝く女神様だ。 
 「そろそろ、じゃな。」と、女神様が・・・
「これは、将来的な話なのだが。」「はい。」と、うなづくオレ達だ。
 「海の向こうに大陸がある。」と、アマテラス様が・・・
「その大陸を見てきて欲しいのじゃ。」「つまり、偵察ですね。」「うぬ。」
「そこは、どの方角で距離は?」と、聞くと。
 「それは、わたくしが。」と、メガネ組が・・・図面を渡してくれた。
その地図は、衛星からの情報で作図したと思われる図面だった。
 「やっと、星間航行船の修復がおわったのじゃ。」と、顔が輝くアマテラス様だ。
「空(うえ)へは上がれんが、衛星は上げることができるぞえ。」「これも、アンナの子のおかげじゃ。」と、四名の攻撃型魔法少女を見るアマテラス様だ。
 「わらわの希望じゃからな。」と、さらに。
「この国を滅ぼして建国しても、じゃがそれでは、わらわの理念に反するからじゃ。」と、付け加える。
 「わかりました、少し時間がかかりますが。」「うぬ。」「では。」と、魔法少女を従えて下がる。

 やはり、トイレや野糞の訓練は正解だった。 幼女に、いきなり野糞は無理なのだ。 
それに、調理はウズメ姫が居るから。 
 「母親に挨拶は・・・」と水をむけるが・・・幼女らは、首を横だ。
「パパが居るから。」「そうよ。」「あたいはパパの子よ。」「とうさんがいれば。」と、まあアンナは11人目を孕んでるからな。 野郎は母親になつくが、娘は微妙なのだ。 
 「では、輸送用のコンテナを用意するぞ。」と、食料の調達である。
学校へは、業者が食材を納入している。 その業者へ保存食を調達する。 費用は学校の運営費からである。
 なんせ、身分はオレが職員で、四名の幼女は生徒だからである。 じぶしぶ、ルイザが支払ったらしいが。
「大洋を越えるんだ。」「自動操縦装置をドロ~ンへ付けねばならんな。」「それに、編隊維持装置もだ。」  
 「位置は、衛星からの情報でつかめるが、女神様と通信がつながるといいんだが。」「そうですね。」と、ウズメ姫が賛同する。
 「専用の衛星を上げてもらうわ。」と、ウズメ姫が・・・「中継器ということか。」と、聞くと。
「え、え、そうよ。」と、カンタンに答えやがる。 衛星の1基の予算を知らないのかな。

 「衛星は500年前のモノよ。」と、ウズメ姫が・・・「500年前でも使えるのか。」「真空パックで、劣化しないからね。」と、「それに、500年前の日本の軍事技術をバカにしないでね。」と、ドヤ顔である。
 「星間航行船は日本だから造れたのよ。」と、上から目線だ。
「航空機やロケットは、日本人の得意中の得意なのよ。」と、「乗り物を造らせたら、日本人に勝つヤツなんて。」と、無双発言である。 
 「まあ、建国できるか様子見だからな。」と、オレだ。
「どんな、魔獣が生息するか、わからんしな。」「ヒトだとしたら?」「いや、衛星写真で見る限り人工物は存在してないぞ。」
それは、つまり。」「あ、あ、ヒトは住んでいないと思うぞ。」「だから、アマテラス様が建国の下調べを・・」
「そうだろうな。」と、オレである。
 そして、ルイザへ、「しばらく遠征だ。」と、告げる。 まあ、それは女神様から聞いていただろうから・・・
「・・・・」と、なんも言わないルイザだ。
 ルイザは信者だから、イヤだとは言えない。 なんせ、アマテラス様の願いだからだ。
「あんた、女神様の仕事だから、なんもいわないわ。」「あ、あ、骨は拾ってくれなくても。」「・・・・」
そこは、いちおう夫婦である。 
 「まあ、ウズメ姫がいるから無理はしないでしょうから。」と、信用がないオレである。
「大陸に着いたら、連絡はしてよね。」「あ、あ。」「浮気はしないでよ。」「浮気するオナゴがいないから。」「そうだわね。」と、言いながら、半泣きに泣くルイザだ。 ルイザもオナゴだったんだな。
 「いや、偵察だから危険はないと思う。」「それは、わかるわよ。」「でも、誰もいったことない所だから。」と、ルイザである。 
 死亡フラグは建てたくはない。 4名の娘もいるのだ。 最悪、4名の魔法少女に大陸を電撃で焼き払わせることもできるのだ。 あとは、植林して入植するだけだ。 魔獣の殲滅を視野にいれての偵察になるだろう。
 なんせ、建国の下調べであるからだ。
 
 そして、アマテラス様の直々の見送りが・・・恐れ多いことである・・・
いかに、この偵察にアマテラス様が期待を込めているかである。 
 神の祠の屋上のヘリ・ポートで、偵察隊の送迎会までもが・・・
責任が、重圧が、オレの肩へのしかかるのだ。
 コンテナ用のドロ~ンの調子も上々である。 大陸方向を示すコンパスも、衛星誘導電波も感度良好だ。
別れは尽きないが、「よし、では行ってまいります。」「うぬ、必ず帰るのじゃぞよ。」「ハ、ハァ~ッ。」と、オレと4名の幼女が平伏して、遥かな洋上をめざすのだった・・・・・

 
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