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リスクは承知なのか?
失敗すれば、初代も・・・
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「ツキヨミよ。」「ハイ、アマテラス様。」と、平伏する初代ツキヨミだ。
「この、ユミスケが女官のツキヨミを死なせてもうたのじゃ。」
「それで、いままでの記憶を残すために、おまえの頭に記憶を共有しようと言うのじゃ。」
「おまえは、それを承知かへ。」と、聞くアマテラス様だ。
初代ツキヨミは・・・平伏して口を開いた。
そして、「アマテラス様がお望みならば。」と、言ったのだ。 「・・・・」 何も言わない、アマテラス様だ。 ユミスケが・・・何か言いかける・・・ アマテラス様が手で制する。
「ユミスケ、そちの気持ちはわかるが、飛竜と戦って死んだツキヨミも、戦って死んだのじゃ本望というべきじゃろう。」と、アマテラス様が・・・
「アマテラス様、お願いでございます。」と、額を床に押し付けて土下座するユミスケだ。
「失敗すれば、この生きているツキヨミも記憶が飛ぶかもしれん。」「・・・・・」それほどのリスクがあるのか・・・とても、初代ツキヨミへ頼めることではない。
「わかりました、私が悪うございました。」と、ユミスケは・・・
「じゃが、他に手が無いでもないぞよ。」と、アマテラス様が・・・
「ぜひ、聞かせてください。」と、懇願するユミスケだ。
「ユミスケよ、おまえが共有するのじゃ。」
「さすれば、失敗して記憶が飛んでも本望じゃろう。」
「おまえは、生のヒトじゃ、クロ~ンではない。」
「それで、同じクロ~ン同士より、成功する確率は高いぞよ。」と、ユミスケを見るアマテラス様である。
「わかりました、私でお願いします。」と、平伏するユミスケだ。 ・・・・
あれっ、ツキヨミがいる。
「ツキヨミ、成功したんだ。」と、ツキヨミが振り返る。
「ユミスケ、いいの。」と、聞く。
「もちろんだよ。」と、返事だ。
「でも、プライベートが無くなるよ、いいの。」
「もちろんだよ、君とオレは合体だよ。」と、オレが叫んだ。
「あたしは、あなたと同じ体を共有することになるのよ。」と、繰り返す。
「ひとつの体に二人の記憶と思考と、人格があるのよ。」と、繰り返すツキヨミだ。
「なるべく、シャシャリ出ないように遠慮するからね。」と、ツキヨミがほほ笑みながら言う・・・・・
「目が覚めたかえ。」と、アマテラス様がのぞいている。
側に、初代ツキヨミが控えている。 医療カプセルの蓋が開く。
横の台に解剖されたツキヨミの頭部が(光ケーブルが神経につながっている。)置いてあった。
「もう、このツキヨミの頭部の記憶の痕跡は神経ごと取り出して、すべてユミスケの頭の中じゃ。」と、アマテラス様がほほ笑む。
「かなり危険じゃったが、なんとか成功したようじゃな。」と、付け加える。
「あまり、変な雰囲気はないですが。」と、言う。
「それは、ユキヨミが遠慮してるからじゃ。」
「ツキヨミ、わかるかや。」と、アマテラス様が聞く。
「え、え、わかりますわ。」と、ユミスケが答える。
声はユミスケだが・・意識はユキヨミである。
ユミスケという外部装置へ内部に住んでいるユキヨミが出てきているのだ。
その間、ユミスケの内部の意識は待機であるのだ。
ややこしいが、二人で一人なのである。
もちろん、内部で二人が話しあうこともできるようだ。
頭が二つあるヒトと同じようなのだ。
記憶と意識が二か所あることになる。
生命維持の小脳は共有である。
ツキヨミの頭部から記憶神経と思考神経をユミスケの脳髄へ移植したのである。
移植でないと、ユキヨミの死んだ意識は戻らない。
記憶だけを取り出しても、そこに意識はないからである。
アマテラス様はユミスケには言わないが、(嘘をつける銀河系イチの計算機なのだ。)生きているクロ~ンでないヒトの脳味噌で生体実験ができて、かなり新たな知識を得られたようだ。
そう、アマテラス様はユミスケの体で実験をするために・・・
それは、まさか・・・・
「この、ユミスケが女官のツキヨミを死なせてもうたのじゃ。」
「それで、いままでの記憶を残すために、おまえの頭に記憶を共有しようと言うのじゃ。」
「おまえは、それを承知かへ。」と、聞くアマテラス様だ。
初代ツキヨミは・・・平伏して口を開いた。
そして、「アマテラス様がお望みならば。」と、言ったのだ。 「・・・・」 何も言わない、アマテラス様だ。 ユミスケが・・・何か言いかける・・・ アマテラス様が手で制する。
「ユミスケ、そちの気持ちはわかるが、飛竜と戦って死んだツキヨミも、戦って死んだのじゃ本望というべきじゃろう。」と、アマテラス様が・・・
「アマテラス様、お願いでございます。」と、額を床に押し付けて土下座するユミスケだ。
「失敗すれば、この生きているツキヨミも記憶が飛ぶかもしれん。」「・・・・・」それほどのリスクがあるのか・・・とても、初代ツキヨミへ頼めることではない。
「わかりました、私が悪うございました。」と、ユミスケは・・・
「じゃが、他に手が無いでもないぞよ。」と、アマテラス様が・・・
「ぜひ、聞かせてください。」と、懇願するユミスケだ。
「ユミスケよ、おまえが共有するのじゃ。」
「さすれば、失敗して記憶が飛んでも本望じゃろう。」
「おまえは、生のヒトじゃ、クロ~ンではない。」
「それで、同じクロ~ン同士より、成功する確率は高いぞよ。」と、ユミスケを見るアマテラス様である。
「わかりました、私でお願いします。」と、平伏するユミスケだ。 ・・・・
あれっ、ツキヨミがいる。
「ツキヨミ、成功したんだ。」と、ツキヨミが振り返る。
「ユミスケ、いいの。」と、聞く。
「もちろんだよ。」と、返事だ。
「でも、プライベートが無くなるよ、いいの。」
「もちろんだよ、君とオレは合体だよ。」と、オレが叫んだ。
「あたしは、あなたと同じ体を共有することになるのよ。」と、繰り返す。
「ひとつの体に二人の記憶と思考と、人格があるのよ。」と、繰り返すツキヨミだ。
「なるべく、シャシャリ出ないように遠慮するからね。」と、ツキヨミがほほ笑みながら言う・・・・・
「目が覚めたかえ。」と、アマテラス様がのぞいている。
側に、初代ツキヨミが控えている。 医療カプセルの蓋が開く。
横の台に解剖されたツキヨミの頭部が(光ケーブルが神経につながっている。)置いてあった。
「もう、このツキヨミの頭部の記憶の痕跡は神経ごと取り出して、すべてユミスケの頭の中じゃ。」と、アマテラス様がほほ笑む。
「かなり危険じゃったが、なんとか成功したようじゃな。」と、付け加える。
「あまり、変な雰囲気はないですが。」と、言う。
「それは、ユキヨミが遠慮してるからじゃ。」
「ツキヨミ、わかるかや。」と、アマテラス様が聞く。
「え、え、わかりますわ。」と、ユミスケが答える。
声はユミスケだが・・意識はユキヨミである。
ユミスケという外部装置へ内部に住んでいるユキヨミが出てきているのだ。
その間、ユミスケの内部の意識は待機であるのだ。
ややこしいが、二人で一人なのである。
もちろん、内部で二人が話しあうこともできるようだ。
頭が二つあるヒトと同じようなのだ。
記憶と意識が二か所あることになる。
生命維持の小脳は共有である。
ツキヨミの頭部から記憶神経と思考神経をユミスケの脳髄へ移植したのである。
移植でないと、ユキヨミの死んだ意識は戻らない。
記憶だけを取り出しても、そこに意識はないからである。
アマテラス様はユミスケには言わないが、(嘘をつける銀河系イチの計算機なのだ。)生きているクロ~ンでないヒトの脳味噌で生体実験ができて、かなり新たな知識を得られたようだ。
そう、アマテラス様はユミスケの体で実験をするために・・・
それは、まさか・・・・
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